【心電図の読み方】不応期とは何?わかりやすい心臓の不応期の解説

心電図
ぴぃすけ
ぴぃすけ

こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。

今日はちょっと難しいけど、心電図でかなり重要な『不応期』の話をしていくよ。

不応期は簡単に言うと「心臓が一切反応しない時間」だね。

反応しないだけだから、あまり意味のないように思うかもしれない。

だけど実はこの不応期って心臓にとって、なければいけないものなんだ。

今回はそんな不応期の重要性や、その他に心臓にある受攻期なんかも一緒に話していくね。

心臓の動きについて

まず不応期の話をする前に少し心臓ってどうやって動いているのかを話していくね。

ちなみにこれは『刺激伝導系』という部分なんだけど、全部言える?


◆刺激伝導系

洞結節(sinus-node):SA

房室結節(atrioventricular-node):AVnode

His束

右脚(right-bundle-branch)
左脚(left-bundle-branch)

プルキンエ線維(purkinje)


ここは心電図を読むために必ず覚えなければいけないところだから、しっかり覚えてね。

心臓の刺激のイメージ

ちなみに今回はこんな感じにイメージするといいよ。

有限会社SINNZOU

  • 社長:堂さん(洞結節)
  • 管理職:獅童さん(神経伝達系)
  • 社員:新さん(心筋)

社長が適度に指令を出す
(洞結節の興奮)

管理職の獅童さんが社員に指示する
(刺激伝導系から心筋へ刺激がいく)

社員が仕事をする
(心臓が収縮する)

社長があまりにも頑張りすぎる。

管理職も社員も同じように頑張る。

こんな感じで本来は上司が適度に指示をだして、適切な仕事を行う。

でも社長が頑張りすぎてしまうと、それに伴って管理職や社員も頑張ってしまう。

結果として心拍数が高くなる洞頻脈という状態になるということだね。

不応期の話

ということで、ここからが今回の本題の不応期の話になるよ。

まずは不応期がどんな期間なのかを話していくね。

心筋細胞というのは一度興奮するとそのあとはしばらくの間、刺激に反応できなくなる。

この間の時間のこと。

不応期ってこういうものだよ。

さっきの有限会社SINNZOUで確認してみるよ。

心筋細胞というのが、この不応期で重要な部分。

なので社員ということになりますね。

社員の新さんは1度すごく頑張ると次の日は休んでしまう人だそうです。

1日休むとまた仕事に復帰するそうです。

いくら指示をしたとしても、新さんは1度仕事をすると、そのあとは休憩が必要。

これが【不応期】という部分だね。

なんかちょっとサボっているような感じだけど、実は心臓にとってはこの不応期がとても重要なんだよ。

なぜ不応期は必要?

ぴぃすけ
ぴぃすけ

どうして不応期ってあると思う?

にわじい
にわじい

心臓もたまには休みたいんじゃろ

ぴぃすけ
ぴぃすけ

あながち間違いじゃないんだよなー

ということで理由を考えていくね。

もし仮に心臓に不応期がなかったらどうなるかを考えてみるよ。

通常の洞結節からの刺激は1分間に100〜200回と言われているんだ。

もし不応期がなく全てこれが心筋に伝わったらどうなると思う?

基本的に心拍数って1分間に60回くらいだよね。

100~200回の心拍数って運動した時になったりすると思うんだけど、結構苦しいと思うんだ。

ちなみにこれは頻脈っていう状態だけど、常に頻脈ということだね。

だけどそうならないように心筋には不応期というものがあって、適度に刺激を伝えるように出来ているんだよ。

洞結節はしっかり刺激を送る、それを刺激伝導系が適度に伝える。

そして心筋はその刺激を受けて、必要な回数収縮する。

だからこそ不応期というものが必要なんだ。

にわじい
にわじい

心臓ってよくできてるんじゃのー

ぴぃすけ
ぴぃすけ

よく考えられているよね。

ちなみに・・・

心筋に限らず骨格筋にも不応期というものは存在しているよ。

ただ心筋に比べて他の筋肉は不応期が短くなっているから、そこまで気にならないんだ。

受攻期って何?

この不応期というものの重要性はわかってくれたと思うんだ。

不応期についてはこれで終わりなんだけど、心筋の機能の中には、もう1つ重要な部分があるんだ。

だからそれも一緒に解説していくね。

それが『受攻期』というもの。

受攻期は心電図上ではT波の頂点部分といわれている部分になるよ。

心臓がどういった状態なのかというと…

・休みの部分なのか
・それとも働かなければいけないのか

どっちとも言えない、不安定な状態なんだ。

ここの部分の心筋はすごく不安定な状態にあるというイメージを持ってもらうといいよ。

なんて感じで働くべきなのか、休んでいいのかよくわからない状態。

もし新さんがお休みの日に「仕事いかないの?」とか言われたらわけがわからなくなってしまうよね。

心臓も同じでこの時期に刺激が加わると、どう動いていいかわからなくなります。

お姉さん
お姉さん

確かに日曜日とかにいつもと同じ時間に目覚ましなるとびっくりするよね。

ぴぃすけ
ぴぃすけ

そうだよね。
休みと仕事の区別がつかなくなっちゃうよね。

こんな怖い心電図に…

それで実はこの受攻期という部分に、ある心電図が見られると大変なことが起こることがあるんだ。

それがPVCの中の『RonT』というものだよ。

ちなみにPVCについて詳しくは、こっちでまとめているから確認してみてね。

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そんなRonTから、こんな心電図になってしまうことがあるんだ。

受攻期にPVCがでてしまう。

心臓がどう動いていいかわからなくなり、結果として危険な不整脈のVTになってしまうわけ。

だからこの不応期とか受攻期という部分は、しっかり覚えておいてね。

まとめ

今回は心臓についてちょっと難しい不応期と受攻期の話をしたよ。

今回の話をまとめておくね。

・不応期というのはどんな刺激にも反応しない期間

・心臓の収縮にとても大切な時間

・受攻期というものもありこの期間はすごく不安定な時間

・受攻期に刺激を受けるとVTになる可能性がある

こんな感じだったね。

心臓の動きを理解するために、すごく重要な部分になるからしっかり覚えてね。


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