【尿検査】尿沈渣で円柱が多い理由とは?基準値や高くなる理由!

検査
ぴぃすけ
ぴぃすけ

こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。

今回は尿沈渣という検査で見る『円柱細胞』について解説していくよ。

円柱細胞って聞きなれない単語だね。

尿沈渣では他に上皮細胞というものも見られるんだけど、上皮はなんとなく想像がつくね。

だけど円柱って…?

そんな円柱細胞について詳しく話をするよ。

内容としては

  • 尿沈渣とは?
  • 円柱細胞が出る理由
  • 円柱細胞の種類

こういった内容で話していくね。

尿沈渣とは?

最初に少し尿沈渣という検査について話をしていくね。

尿沈渣というのは、尿検査の試験紙法という方法で何かしらの異常が出た時に行うことが多いよ。

お姉さん
お姉さん

沈査の方が色々知ることが出来るってこと?

ぴぃすけ
ぴぃすけ

そうそう。顕微鏡で直接見るから情報量が多いんだ。

ちなみに試験紙法は名前の通り、試験紙というものを使って尿の中の成分に異常がないかを調べる検査だよ。

じゃあ尿沈渣という検査はどうやっているのかというと。

尿って見た目上はただの水分だよね。

だけど中にはすごい小さい細胞成分が入っているんだ。

その中には今回は話す円柱というものや上皮というもの、赤血球や白血球なんかも含まれるよ。

これを顕微鏡で観察するのが尿沈渣という検査になるんだ。

ただそのまま尿を顕微鏡で見ても見ることは出来ない。

  1. 尿を遠心分離器という機械にかけて5分間くらいグルグルと回す
  2. 5分経つと尿の液状成分と固形物に分かれる
  3. この固形物を顕微鏡で見る

こんな感じで検査していくよ。

尿に円柱細胞が出る理由?

尿沈渣についてはわかったね。

次はどうして円柱細胞が出るのかを話していくよ。

円柱細胞っていうのは、基本的に尿中に出てくることがないんだ。

一応基準値としては尿沈渣で見る尿の範囲の中に、1つだけならいいとされているよ。

お姉さん
お姉さん

そもそも円柱細胞って何?

ぴぃすけ
ぴぃすけ

それも説明しなきゃね。

円柱細胞というのは、尿の成分が円柱状に固まったもの。

ちょっと難しいね。

尿って尿細管っていう部分を通って体、の外に排出されるんだ。

そこに何か異常があると尿細管の中で尿中の成分が固まってしまうんだ。

後で詳しく話をするけど、たんぱくとか脂肪とかだね。

普通はその中で固まることはないんだけど、固まってしまって尿中に出る。

これが円柱というものになるよ。

お姉さん
お姉さん

なるほど。じゃあその成分が増えたりとかしたら出てくるってこと?

ぴぃすけ
ぴぃすけ

そんな感じだよ。種類がたくさんあるから1つずつ見ていくね。

円柱細胞の種類

さっきも話したけど、円柱は尿の中の成分が固まってできたものだったよね。

だからその円柱の種類を見ることで、体に何が起きているのかを推測することができるんだ。

どの成分が増えているかってことだね。

円柱の種類は

  • 硝子円柱
  • 上皮円柱
  • 赤血球円柱
  • 白血球円柱
  • 脂肪円柱
  • 顆粒円柱
  • ロウ様円柱

このくらい種類があるんだ。

じゃあ1つずつ見ていくね。

硝子円柱

実はこの硝子円柱だけは、正常な人にも見られる場合があるんだ。

というのもタンパクが、固まってできているものになるからなんだ。

タンパクって激しい運動をしたりすると、尿中に出ることもあるんだよ。

だからこの円柱は1つなら出ていても基準値内として扱うんだ。

お姉さん
お姉さん

多かったら問題ってこと?

ぴぃすけ
ぴぃすけ

そうだね。その場合には病気の可能性があるよ。

硝子円柱が多い場合には、腎臓の病気が疑われるよ。

ちなみに硝子円柱は他の円柱の元となるものになるんだ。

上皮円柱

上皮円柱は尿細管の上皮の細胞が、付着している円柱のことを言うよ。

これが出るということは

  • 腎臓の血流量の低下
  • 薬なんかでの尿細管障害

こういったことを疑っていくんだ。

病名としては糸球体腎炎、ネフローゼ症候群なんかがあるよ。

赤血球円柱

赤血球円柱が出る理由としては、腎臓のネフロンに出血がある場合を意味しているんだ。

このネフロンっていうのは腎臓の構造の1つになるよ

  • 腎小体(糸球体とボウマン嚢からできている)
  • 尿細管

この2つを合わせてネフロンっていうんだよ。

そこに出血があると、この赤血球円柱が出現してくるんだ。

病気としては急性糸球体腎炎なんかがあげられるね。

白血球円柱

つぎは白血球円柱について。

ぴぃすけ
ぴぃすけ

白血球ってどういうときに増えるかは分かる?

お姉さん
お姉さん

確か炎症とか感染した時だよね。

そうだね。

感染も最終的に炎症が起こるわけだから、炎症の時に増えるということだね。

だからこの白血球円柱はネフロンに感染症などで炎症がある時に出現してくるんだ。

急性のものと慢性のものでは、実は中にある白血球に違いが出てくるよ。

急性糸球体腎炎などの急性期の時には、好中球が主に出て、

慢性の病気になってくると、リンパ球や単球というものが多く含まれてくるんだ。

脂肪円柱

脂肪円柱は名前の通りだね。

脂肪を含む円柱になるよ。

これが出現する時には、尿中にかなりタンパクが多くなっている可能性が高いんだ。

脂肪円柱が出る病気としてはネフローゼ症候群なんかが言われているよ。

顆粒円柱

顆粒の成分を、その円柱の1/3以上ある場合に顆粒円柱といわれるよ。

ちなみに顆粒には赤血球や白血球もあったりするよ。

お姉さん
お姉さん

それって赤血球円柱とか白血球円柱じゃないの?

ぴぃすけ
ぴぃすけ

だから1/3以上という基準があるんだよ。

1/3以上になったら、他の円柱からこの円柱に移行しているということもあるってことだね。

その場合には、しっかりその成分がなんなのかを調べることが重要なんだ。

「顆粒円柱があるから、この病気だ」ではなくて、顆粒が何かを知ることが大切だよ。

ロウ様円柱

最後はロウ様円柱についてになるよ。

ここまで話してきた中で、ロウ様円柱がある場合は重度の病気であることが多いんだ。

というのもこれは、尿細管が長期にわたって閉塞してしまう。

そこから尿細管の上皮細胞が変性や壊死したものが封入されたものになるからなんだ。

お姉さん
お姉さん

なんか確かに悪そう。

ぴぃすけ
ぴぃすけ

そうなんだ。重篤な腎疾患で出てくるものになるんだよ。

ちなみにここまで話してきた円柱は細胞円柱。

このロウ様円柱と区別されているんだ。

まとめ

今日は尿検査の中の尿沈渣の話。

その中の円柱細胞というものについて話をしてきたよ。

最後に今回の内容をまとめておくね。

・円柱とは尿の成分が尿細管の中で固まってできたもの

・その中にあるものによって細胞円柱とロウ様円柱に分けられる

・硝子円柱以外が出現すると病気が疑われる

・ロウ様円柱は重度の病気がある場合に出ることが多い

こんな感じだね。

尿検査って腎臓を調べるためには、かなりいい検査になるんだ。

腎臓は人間にとって重要なものを再吸収してくれたり、いらないものを排出してくれたりと本当に大切な働きをしてくれている。

だからこそしっかり検査をして、もし異常がある場合は早く見つけることが重要だよ。


尿沈渣についてやり方や項目をまとめたよ。

【尿検査】尿沈渣とは?種類のまとめ!正常なものと異常なもの!
ここでは尿検査の中の尿沈渣の概要を話していくよ。どんな成分が出てくるのか?簡単に病気との関係性についてもまとめているから、ぜひ確認してね。

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