血液検査でLD(LDH)とは?高い・低いになる原因やわかることのまとめ!

検査
ぴぃすけ
ぴぃすけ

こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。

みんなは血液検査の項目に『LD(LDH)』という値があるのを知ってる?

この値って何を検査しているのかって、よくわからない人も多いと思うんだ。

僕も臨床検査技師の資格を取るまでは、「LDって何?」って思っていたんだよね。

でも勉強してみたら、LDって色々なことがわかることを知ったんだ!

  • だから今回はLD(LDH)とは何か
  • 高くなる原因や低くなる原因は何か

こういったLDの内容についてを説明していくね!!

LD(LDH)って何?

ここからはLDに統一して話していくね。

まず最初はLDってなんなのかって話になるよ。

LDは乳酸脱水素酵素のことを言っているんだ。

ちなみに『lactate dehydrogenase』の略になるよ。

lactateが乳酸でdehydrogenaseが脱水素酵素ということだね。

略称だとよくわからないけど、日本語にするとなんとなく想像しやすいよね。

『乳酸から水素を取ってしまう酵素』

ということだね!

ちなみに酵素っていうのは知ってる?

●酵素とは?

体の中で何かを消化したり代謝するのに、とても大事な働きをするもの

LDは体の中でエネルギーを作るための酵素になるんだよ。

乳酸でエネルギー?

人間が生きていくためには食事って必要だよね。

ぴぃすけ
ぴぃすけ

お姉さん、食事が必要な理由は?

お姉さん
お姉さん

お腹がすくから。

う、うん。間違ってはいないけど、、

お腹が空くというのは体に必要なエネルギーが不足しているからだね。

このエネルギーを補給するために食事が必要だということだね。

じゃあその食べたものってそのままエネルギーとして使えると思う?

これはそのままじゃ無理そうだよね。

大好きなラーメンが、そのままエネルギーとして使えそうにはないよね(笑

人間の体っていうのは、エネルギーを作る時に食べ物をグルコースっていうものに分解することから始まるんだ。

そのグルコースをいろいろな酵素がどんどん分解してエネルギーとして使えるようになるんだよ。

この中にピルビン酸というものがあるんだ。

このピルビン酸はグルコースからも作られるけど、乳酸にLDが作用しても作られるんだよ。

ちょっとここら辺は難しい部分なんだけど、、

LDというのは体の中でエネルギーを作るという部分に関係しているということがわかるね。

LDはエネルギーに関与するからどこにでもある!

エネルギーで体全体で必要になるよね。

このエネルギーに関わっている酵素だから、LDは体の中の多くの細胞にあるんだよ。

だけど主には、

  • 肝臓
  • 心臓
  • 腎臓
  • 筋肉
  • 赤血球

ここら辺に多く含まれているよ。

このLDが多いというのを利用して病気の発見に使われるんだ。

この後でも詳しく話すんだけど、病気で臓器が傷つくとそこからLDが出てくる。

結果として血液中のLDの値が高くなるということだね。

だから上の臓器の病気である肝臓病、心筋梗塞、血液の病気、筋肉の病気などなど。

本当にいろいろな病気の発見に使われるんだ。

ちなみに基準値は・・・


◆基準値
120〜240U/L
(Uとは単位のこと)


この基準値よりも高い場合にはちょっと考えるべきことがあるんだ。

LDを測定する理由

具体的な数値を考える前に、どうしてこのLDを測定するかを話していくね。

LDっていうのは酵素っていう話はしたよね。

でも人間の体にはすごい数の酵素が存在しているんだ。

だけどその中から測定する項目は一部しかないよね。

血液検査の結果を見てもそんな何百種類も検査項目ないもんね。

だから何かしらの理由があってこのLDを測定しているわけだね。

それが上で話しているように、、

怪我をして血が出てしまうように、その臓器に何か異常があればそこにある成分は出てきてしまうよね。

だからLDが含まれている臓器に異常が出て来ればLDの値は上昇してくるんだ。

それがLDを測定する理由だね。

だけど鋭い人はこういうった疑問を持つかもしれないね。

お姉さん
お姉さん

たくさんの臓器にあるなら測定しても、LDだけじゃどこが悪いかわからないんじゃないの?

ここがLDの凄いところなんだけど、LDには型というものが存在しているんだ。

もちろん他の検査と比較して考えることも大切だけど、どの型が増えているかによって臓器を判断できるんだよ。

この型のことを『アイソザイム』というんだ。

LDのアイソザイムってなに?

ちょっと難しいんだけど、LDにとってすごく重要なアイソザイムについて少し話をしていくね。

よくインフルエンザで「A型、B型」とか言うと思うんだけど、イメージ的にはそんな感じかな。

LDの場合はもう少し多くてこんな感じになっているんだ。

HとMというものがあって、それが4つくっついたものをLDというんだ。

HとMの比率によって、1、2、3、4、5となっているよ。

LDH1は心臓に多かったり、逆にLDH5は肝臓に多かったりするんだ。

だからこのアイソザイムを調べることでどうしてLDが高くなっているかがわかるってわけだね。

お姉さん
お姉さん

あれ?でも血液検査の結果にはLDとしか書いてないよ。

ぴぃすけ
ぴぃすけ

アイソザイムを検査するには別で検査をする必要があるんだよ。

基本的な健康診断などの血液検査ではLDHとまとめて書いてあるよね。

まずはLD全体で見て、その他の検査の値を見る。

そうするとどの臓器が理由で血液データが上がっているかが推測できるよね。

だからその上でアイソザイムを見たりするんだよ。

LDが高い原因は?

LDというものどんなものかを話してきてなんとなくわかってくれたかな。

そうしたらこのLDが高い場合の時には、どんなことを考えなければいけないのかを話していくね。

さっきも少し話したように、LDというのはいろいろな細胞に含まれているよね。

だから高い場合に「LDが高いからこの病気だ!」というようにはならないんだ。

これはLDに限らずだけど、他の検査の値に異常がないかもしっかり確認していくよ。

一応こんな病気が考えられるというものをまとめておくね。

●LDが高い場合

  • 肝臓の病気:慢性肝炎・肝臓がん・肝硬変
  • 心臓の病気:心不全・心筋梗塞
  • 腎臓の病気:腎不全・ネフローゼ症候群・慢性腎炎
  • 筋肉の病気:筋ジストロフィー・膠原病

こんな病気が考えられるよ。

このほかにも甲状腺の病気や白血病、悪性腫瘍などや妊娠後期でも数値が高くなるよ。

お姉さん
お姉さん

なんかあらゆるもので高くなっちゃうんだね。

ぴぃすけ
ぴぃすけ

そうだね。いかにいろいろな細胞に含まれているかがわかるよね。

ちなみに筋肉にも含まれているってさっき話したと思うんだ。

病気だけじゃなくても筋肉が痛むことって日常的にあると思うんだ。

筋肉痛だね。

だから実は激しい運動をした時にもLDの値が上がってしまうことがあるから気をつけてね。

僕も運動をしていた時に血液検査を受けたらLDの値がいつもより高くて「あれ?」ってなったことがあるんだよね。

今まで陽性の結果とか見たことなかったからびっくりしたのを覚えているんだよね。

LDだけではわからないの?

じゃあLDだけでは、わからないのかというとそうじゃないよね。

さっきも話したようにアイソザイムというものを見ればわかるんだ。

LDが高い場合にはLDアイソザイムというものも検査することがあるよ。

これで詳しくどこの臓器が異常になっているかを判断する場合もあるよ。

アイソザイムについてまとめるとこんな感じだよ。

上昇しているアイソザイム疑われる病気
LD1・LD2心筋梗塞
LD5肝疾患
LD2・LD3筋肉の疾患
LD1悪性貧血
LD2・LD3白血病

逆に低い場合だけど・・・

低い場合は基本的に気にしなくて大丈夫だから安心してね!!

LDのまとめ

LDは健康診断の血液検査の中の1つの項目として入っていることがほとんどだね。

だから目にしたことがある人もたくさんいたと思うんだ。

今日の話をまとめておくね!

・LDは乳酸脱水素酵素のこと

・エネルギーを作ることに関与している

・LDを測定する理由は多くの臓器の細胞に含まれているため異常があると値が上昇するため

・臓器によって含まれているアイソザイムが違う

・アイソザイムを測定することでどの臓器に異常があるかが分かる

LDが高いということはもしかしたらどこかの臓器に異常があるかもしれない。

それをしっかり確認するためにLDアイソザイムの検査や他の検査項目の所見としっかり比較して考えていくんだ。

ただ運動によって上がることもあるから、LDだけが上昇しているというときはあまり心配しないこともあるかな。

ただこれも絶対じゃないから、血液検査でLDの値が気になった人はお医者さんに相談してね!!

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