【心電図の読み方】補充収縮はなぜジャンクションから?波形の見方を解説!

こんにちは^^

しょう
臨床検査技師の
しょうです!

今日の内容は『補充収縮』という話になります。

しょう
補充収縮って、どんなものか知ってる?
ぴぃすけ
なんとなく名前からは想像がつくけど…。

そうですよね。

補充する収縮なのでなんとなく、どんな波形が出るかは想像がつくと思います。

なのですが、実はしっかりその波形を見ていくと色々なことがわかったりするんです!

心臓って不思議がいっぱいで、知ると本当に面白いので、ぜひ今日の話も聞いてくださいね。


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自動能について

ではさっそく…と言いたいところなのですが、補充収縮を話す前に絶対に知っておかなければいけないものがあります。

それが『自動能』というものになります。

自動能というのは自分で自分を刺激するという機能です。

通常心臓というのは、刺激伝導系というものがあって、それの通りに刺激が伝わっていきますよね。

ちなみに刺激伝導系はこれですね。

 

●刺激伝導系

洞結節(sinus-node):SA

房室結節(atrioventricular-node):AVnode

His束

右脚(right-bundle-branch)
左脚(left-bundle-branch)

プルキンエ線維(purkinje)

 

この自動能というのは場所によって1分間に刺激を出せる回数が決まっています。

これがどうしてなのかというと…。

仮に勝手に刺激を出してしまったら、大変なんです!

もし洞結節からの刺激と心室の刺激の回数が同じように出てしまっていた場合、洞結節からも心室からも刺激がきてしまって、心臓はひたすら収縮してしまいます。

危険な不整脈の心室細動とか、そういう話になってきてしまうんです。

これって結構まずい状態ですよね。

なのでそれが起こらないために、心臓の自動能は場所によって回数が異なるんです。

心臓ってすごくうまくできていますよね!

自動能の回数はこのような感じになっています。

 

●自動能

洞結節:60〜90回/分
房室結節:40〜60回/分
プルキンエ繊維:40〜45回/分
心室:30〜40回/分

 

補充収縮の波形?

じゃあ今回の本題である、補充収縮という部分についてになります。

さっきも少し触れたのですが、補充収縮とは一体どういうものなのかを話していきますね。

まず補充収縮とはこういう波形になります。

しょう
ちなみにこの心電図は何?
ぴぃすけ
急にこないで!

この心電図は洞停止の心電図になりますね。

洞結節からの刺激が出ないことで、心臓が収縮しないものですね。

赤く囲ってある部分が補充収縮というものになります。


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どうして出るの?

重要なのが「どうしてこの波形が出てくるのか?」という部分になります。

これはなんとなく想像がつくかなと思います。

しょう
ぴぃすけ、わかる?
ぴぃすけ
血液を送り出せなくて危険だから?
しょう
そうだね。

人間にとって、血液って必要不可欠なものですよね。

酸素も運んでくれれば、栄養素も運んでくれる。

心臓がしっかり収縮をしてくれて、血液を全身に運んでくれるから僕たちはこうやって普通に生活ができているわけですよね。

休みなく動いてくれている心臓のおかげですね!

だけどこの心電図のように長い時間、心臓の収縮が止まってしまったらどうなると思いますか?

止まっているのが短い期間で、その後にしっかり動いてくれれば、そこまで問題ないかかないかもしれないです。

だけど気分が悪くなったり気を失ったりと、正常な状態ではいられないですよね。

だからこそこの『補充収縮』が必要になるんです。

QRSがないということは、心室の収縮がないということ。

心室の収縮がないということは血液が全身に送れていないということ。

そうなると、心室も「これじゃまずい!」と思って自分で自分自身を収縮するというわけですね。

とは言っても、心室自身が補充で刺激を出しているわけではないんですけどね。

ぴぃすけ
えっ?どういうこと?

実はこの部分は自動能と波形の形をみることで理解できるので、そっちについても話をしていきますね!

波形からわかること

まずこちらの波形をみてください。

これは今回の補充収縮の部分の波形だけを切り抜いたものになります。

この波形の特徴をあげるとこの2つになります。

・P波がQRS波よりも後ろにきている
・QRS幅が正常範囲内

というものですね。

これで何がわかるのかというと…

この波形がどこからの刺激によってできた波形かということなんです。

通常の刺激伝導系の場合にはこういう波形になりますよね。

「P波が出てQRS波が出る」

洞結節から刺激が出て、その刺激が心房に伝わる→P波

心房から心室に刺激が伝わっていく→QRS波

ということですよね。

そしたら先ほどの場合はどうなっているのかというと…

『心室に刺激が伝わった後に心房に刺激が伝わっている』

ということになりますよね。

じゃあこの場合、刺激はどこから出ていると思いますか?

洞結節ではないですよね。

今回の場合で言えば、だいたい房室接合部付近になります。

心室への刺激は通常の刺激伝導系を伝わっていくので、QRS幅は広くなることはないです。

また心房への刺激は逆行性にいくのでP波は逆行性になっています。

こんな感じですね!

ちなみにこの房室接合部付近からの補充収縮が一番多いです。

この部分は接合部ということで「ジャンクション」とか呼ばれたりするので、そっちでも覚えておいてくださいね。

これは自動能をみてもらえればわかると思うのですが、洞結節の次にしっかり刺激を出してくれるのがこの房室接合部金だからになります。

こうやって考えると、例えばQRSの幅が広かったりしていれば、心室の補充収縮だなと考えることもできたりします。

波形がどうやってできているかを考えると、わかることがたくさんあるので、ぜひしっかり見てくださいね!

まとめ

今日は補充収縮の話になりました。

話をまとめておきますね!

・補充収縮とな通常の刺激伝導系に異常があった場合に出る波形のこと

・波形によってどこの場所から刺激が出ているのかがわかる

・一番多いのはジャンクション付近

心臓ってこうやって、1つに何か異常があっても、しっかり他の部分が補ってくれる。

本当にすごい臓器だなっていつも感心するんですよね。

漠然と見ているとわからない部分でもしっかり見ることで、わかることがたくさんあるのでぜひ1つ1つ丁寧に見ていってくださいね!


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