採血でたくさん本数を採る理由は何?多いと問題があるの?

検査
ぴぃすけ
ぴぃすけ

こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。

今日は採血の時によく聞かれる質問について話していくね。

内容としては

1回の採血でどうしてたくさんの本数採るの?

という質問だね。

採血をする時に容器を3本も4本も採血をしているのを見たことない?

おそらく採血をしたことがある人なら、経験がある人も多いと思うんだ。

ほとんどの採血が1本だけじゃなくて複数の容器に血液を採っているよね。

これって僕が採血をしていてもかなり多くの人から質問されるんだよね。

理由としては容器の中に入っている物の違いで採血菅の種類を決めているからなんだよ。

今回はその内容について詳しく解説していくね。

スピッツ(採血菅)の中身

採血する上のような容器のことを『スピッツ(採血管)』って呼ぶよ。

それでこのスピッツの中に実はあるものが入っているんだけどそれってなんだと思う?

お姉さん
お姉さん

そもそも中身が入っているの知らなかった。

もしかしたらお姉さんと同じように思っていた人もいるかもしれないね。

このスピッツの中には血液を固まらなくする『抗凝固剤』って物が入っているんだよ。

ちなみに全部のスピッツに入っているわけじゃないんだ。

上でお姉さんが言っているように何も入っていないスピッツもあるよ。

採血で抗凝固剤の必要性

この『抗凝固剤』がなんで必要かという部分の話だね。

これは検査をする時に血液が固まっていると検査ができないからなんだ。

膝とかすりむいた時に時間が経つと、血液が固まって血が止まるよね。

こうやって血液って時間が経つと、血液成分の中の血小板の働きによって自然と固まっていくんだ。

こうなると項目によっては検査することができなくなっちゃうんだ。

だから抗凝固剤を入れることで血液を固まらせなくするわけだね。

抗凝固剤ありとなしの2本でいいんじゃないの?

でもそうなると

  • 抗凝固剤入りのスピッツ
  • 何も入っていないスピッツ

この2本だけでいいような気がするよね。

でもこれってそうはいかないんだ。

というのも抗凝固剤の種類によって検査できる項目とできない項目があるんだ。

イメージとして飲み薬とかで合わせて飲んではいけない薬ってあるよね。

あれと一緒と思ってくれればいいよ。

Aという抗凝固剤の場合にはXという検査はできるけど、Yの検査はできない。

逆にBという抗凝固剤の場合にはYという検査はできるけど、Xの検査はできない。

こんな感じで、その薬によってできる検査もあれば、できない検査もあるってことだね。

お医者さんから「この検査をやってくれー」って言われて採血をするんだけど、、

それを全て検査できるように採血菅をたくさん採る必要があるんだ。

たくさん採血して大丈夫なの?

たくさん本数を採られると、こんな不安があると思うんだ。

「血が足りなくなったりしないの?」

これも患者さんからよく聞かれる質問なんだ。

ここで一緒にまとめておくね!

このスピッツの中に入る血液の量ってどのくらいだと思う?

実は一番大きいやつでも10mlよりも少ないくらいなんだ。

というよりも10mlも採ることってほとんどないかな。

だいたい多くても5mlくらいで、小さいものだと2mlとかになるよ。

だから一般的な採血の場合だと、実際は大さじ1杯(15ml)も採っていないことがほとんどなんだよ。

これを話すと結構みんなびっくりするんだよね。

勢いよく血液が出るし、5本も6本も採るから

「血液足りなくなっちゃう」

と思うのもわかるんだけどあまり心配しなくて大丈夫だよ。

10mlは人間だとどのくらいの血液量?

10mlって人間の血液の量からすると少ない量なんだ。

というのも人間の体の中には体重の8%の血液があると言われているよ。

体重が60kgの人なら4.8L、45kgなら3.6Lの血液があるということだね。

ちなみに献血とかの場合には、200mlとか400mlを採ることが多いよ。

ここから考えても10mlがどれだけ少ないかがわかるね!

そんな少なくて検査できるって驚きだよね。

まとめ

今回は採血の疑問

なんであんなに本数採る必要があるの?

という部分について話をしてきたよ。

理由は『スピッツの中の抗凝固剤によって検査できる項目が違うから』 ということだね。

本数を多く採ると、量もすごく多く採っている感じがして心配だよね。

でも今回の話で量はかなり少ないことがわかったよね。

今日の内容をまとめてみたよ!

・スピッツの中には抗凝固剤が入っている

・抗凝固剤の種類で検査できるものが違う

・スピッツに入る血液の量はかなり少ない

・人間の血液量は体重の8%

こんな内容を今回解説したよ。

採血って痛い検査で、やりたくないなーって思うこともあるよね。

でも本当に重要な検査だからみんなしっかり受けてね!


今回採血では量は少ないから血液が足りなくなることはないって話をしたんだけど、、

お姉さんからこんな質問を受けたよ。

お姉さん
お姉さん

でも私、採血した時に気分悪くなったんだよね。
あれは血が足りなくなったんじゃないの?

ぴぃすけ
ぴぃすけ

今回話したように採血が原因で血が足りなくなるってことはないよ。

お姉さん
お姉さん

えっ、じゃああれはなんだったの?

ぴぃすけ
ぴぃすけ

多分それはこれが理由かな。

実は採血後に気分が悪くなるという人は一定数いるんだ。

その理由についてはここでまとめたから、ぜひこっちも読んでみてね。

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