
こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。
今回は徐脈という部分について話をしていくよ。
その中でも
洞徐脈
というものについての話になるよ。
洞徐脈はSSSの1型に分類されているものになるよ。
このSSSについても、少し触れていくね。
「洞徐脈だから〇〇の危険がある!」
という感じのものではないんだけど…
洞徐脈と他の徐脈を見分けることが重要になるから、まず洞徐脈をしっかり覚えていってね!
SSSとは?

まず最初に重要な
「SSSとは?」
の部分の話をしていこうと思うよ。
SSSっていうのは『洞不全症候群』のことになるね。
略さず書くと『sick-sinus-syndrome』になるね。
ここはしっかり覚えておいてね。
SSSは1型、2型、3型に分かれているよ。
今回の本題である洞徐脈は1型に分類されるんだ。

2型、3型は何になるかわかる?
- 1型:洞徐脈
- 2型:洞房ブロックと洞停止
- 3型:徐脈頻脈症候群
何が何型なのかを、覚えておいてね。
簡単にSSSについてわかったところで、今日の本題の洞徐脈について話をしていくよ!
洞徐脈について

洞徐脈というのは…
心拍数が持続的に50回/分以下になること
この状態のことを言うよ。
なんだけど、ここ注意が必要なんだ。
心拍数50回以/分以下だからといって、全てがこの洞徐脈というものではないんだ。
というのも洞徐脈という名前を見てもらいたいんだけど。

洞徐脈の洞は洞結節のことだよね。
心臓の刺激伝導系といえば…。
この経路になっているよ。
この経路自体に異常がないのにも関わらず、なぜか心拍数が持続的に減少してしまう。
これが洞徐脈というものになるよ。
ちなみに原因がわかっていないもののことを言っているから
『洞結節の異常ではある』
でもそれがどうして起こるのはわかっていないのが特長だよ。
しょう君の心拍数

実はしょう君もそうなんだけど、心拍数が50回/分以下になることってあまり珍しくないんだ。

ホルター心電図をやったときに結構少なかったんだっけ?

そうそう。安静時には50回/分以下も頻繁にあったね。
もちろん動いていれば心拍数が上がるし、ゆっくりしていれば心拍数は下がる。
こういった正常の反応を示していたんだ。
こんな感じで、臨床的意義はあまり重要視されることはないのが洞徐脈なんだ。
心電図上の洞徐脈

次は波形で確認をしていくよ。
波形としては心拍数が問題となるから、だいたいが機械で判断してくれる場合が多いね。
ただどういった波形になるのかを、ぱっと見でも判断できるようにするのが重要だよ。
だから波形についてもしっかり話をしていくね!
一番の特徴としてはRR間隔が一定
これがかなり重要な部分になるよ。

理由は分かるかな?
これは刺激伝導系を伝わって収縮しているからだね。
毎回同じペースで洞結節からの刺激が出ている。
その刺激がしっかり刺激伝導系を伝達している。
だからRR間隔は一定になるってことだね。
『心電図の波形自体には問題はないけど、心拍数が50回/分以下』
これが洞徐脈というものになるね。
ちなみ…
他の徐脈性不整脈との違い

今話した部分を考えて、他の不整脈との違いを考えていくよ。
徐脈になる不整脈には
- SAブロック
- AVブロック
- 洞停止
- 心室固有調律
などがあるよ。
この心電図と洞徐脈とでは何が違うのかをしっかり見ていくよ。
SAブロック
まずはSAブロックからだね。
SAブロックは洞房ブロックの略だよ。
これは洞結節からの刺激がちゃんと伝わらないために起こるものになるよ。
SSSの2型に分類されているものになるね。
心電図の波形はこんな感じだよ。


この波形から何が分かるかな?
まず分かりやすいのは1拍抜けているという部分だね。
もう1つ重要なところは『RR間隔』になるよ。
SAブロックは洞結節から刺激が伝わらないことで起こる。
だから抜けたところのRR間隔は整数倍になる。
今回の場合だと1拍抜けているので、2倍ということだね。
洞結節からの刺激なので、心房の収縮をあらわすP波も出ていないのも特徴だね。
洞停止
次は洞停止になるよ。
これもSSSの2型に分類されているものになるね。
波形はこれになるんだけど、さっきと何が違うかわかる?


RR間隔に注目だよ。
さっきのSAブロックではRR間隔は整数倍になっていたよね。
でもこの波形では規則性がないのがわかると思うんだ。
これは単純に波形が脱落しているというわけではなくて、
『波形が出ていない』
というのが理由になるからだよ。
洞結節からの刺激が出ないことによって、収縮がされないことで波形がでてこない。
その結果として、徐脈になるということになるね。
なので洞徐脈とは違うことがわかるよね。
ちなみにSAブロックと洞停止の詳しい話はここでしているよ。

AVブロック
AVブロックは房室ブロックと言って1〜3度まであるものだね。
1度は徐脈ということにならないけど、2度と3度については徐脈になることがあるよ。
じゃあまず2度から見ていくよ。
こちらが2度の波形になるね。


ちなみに2度のウェンケバッハ型になるよ。
さっきのSAブロックと何が違うと思う?
注目するのはP波になるよ。
ここがSAブロックとの違いだね。
AVブロックは心房と心室の間のブロックになるので、心房の収縮であるP波は出る。
だけどそれが心室に伝わらないから、QRSが出ないというのが特徴になるんだ。
次は3度の波形だよ。

これは完全房室ブロックと言って、心房と心室が別々に動いているのが特徴だよ。
心房は心房のペースで、心室は心室のペースで動いている。
だから自分で動くペースが遅い心室は、ゆっくり動いてします。
結果として徐脈となるわけだね。
洞結節の刺激は普通だから、そこが洞徐脈との違いですね。
房室ブロックについては、別でも詳しく解説しているよ。



心室固有調律
最後は心室固有調律というものの説明になるよ。
これはちょっと難しいから簡単に話していくね。
波形はこんな感じになるよ。

波形としては、心室が別で動くからQRSの前にP波が見られない。
あとQRS幅がwideなのが特徴だね。
心室は本来ゆっくりのペースで収縮するから、心拍数自体は減少する。
この理由としては心臓の自動能という機能によるものだね。
心室の刺激が出るペースは洞結節に比べてゆっくりなんだ。
だから結果として徐脈となる。
洞結節からの刺激が原因じゃないから、そこが違うよね。
まとめ
今回は洞徐脈がどういうものかって話と、他の徐脈との違いについての話をしてきたよ。
今回の話をまとめておくね。
・SSSとは洞不全症候群のこと
・1型は洞徐脈
・2型は洞房ブロックと洞停止
・3型は徐脈頻脈症候群
・洞徐脈は継続的に心拍数が50回/分以下になる心電図のこと
・洞結節の刺激のペースが遅くなることが原因だが、なぜ遅くなるかは不明
・臨床的に大きな意義はない
洞徐脈は、臨床的にはあまり意義のないものになるんだ。
だけど今とっている心電図が徐脈だった場合に
「なぜ徐脈になっているのか?」
と原因を考えることはとても重要な部分になるよ。
しっかり洞徐脈と他の徐脈性の不整脈を覚えて、原因を見分けていってね。
●関連記事




心電図の基本についてまとめてあるよ。

コメント