【尿検査】尿沈渣とは?種類のまとめ!正常なものと異常なもの!

検査の基礎
ぴぃすけ
ぴぃすけ

こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。

みんなは「尿沈渣」って、言葉を聞いたことはあるかな?

尿検査なら聞いたことあるって人も多いけど、尿沈渣って言葉はあまり聞かないかもしれないね。

今回は尿沈渣とはどんな検査なのか?

尿沈渣で何がみられるのかなどを解説していくよ。

尿沈渣とはどんな検査?

最初に少し尿沈渣の検査の方法について話をしていくね。

  1. 尿を遠心分離器という機械にかけて5分間くらいグルグルと回す
  2. 5分経つと尿の液状成分と固形物に分かれる
  3. この固形物を顕微鏡で見る

こうやって検査をするのが尿沈渣の検査になるよ。

沈殿しているものを見るから沈渣だね。

  • 沈殿しているものの数
  • 正常時より増えていないか
  • 正常時なら見られないものは見えてないか

こういったことを詳しく調べる方法のことなんだよ。

ちなみに一般的に行われてるのは『尿試験紙法』っていう検査だね。

これは試験紙っていうもので、成分があるかを簡易的にみるものだよ。

尿沈渣はこの試験紙法で

  • 尿タンパク
  • 尿糖
  • 尿潜血

こういった成分が陽性(+)になった時に行う検査になるんだ。

尿沈渣で見られるものは?

尿沈渣で見られるものや、その基準値をまとめておくね。

見られる物質基準値
赤血球1視野に4個以内
白血球1視野に3個以内
上皮細胞1視野に少数
円柱細胞1視野に陰性(ー)
結晶成分1視野に少量

ちなみに視野は、こんな感じで書かれているよ。

  • WF:全体での個数
  • LPF:顕微鏡を100倍にした視野
  • HPF:顕微鏡を400倍にした視野

正常な人でも、赤血球やその他の固形物がわずかに見えたりするよ。

だけど数が多いと、どこにどんな異常があるかわかったりもするんだよ。


赤血球や白血球が多いと出血があると考えられるよ。

特に白血球が多い場合、炎症が起こっている可能性があるよ。

上皮細胞は粘膜などを作っている細胞で炎症があると剥がれ落ちてきて尿中に増えるんだ。

円柱細胞は腎臓の尿の管(尿細管)を
鋳型にして出来たもので
尿細管に異常があると考えられるよ。

結晶成分は尿酸などの成分が多い時に固まって出てくるんだ。


こうやって1つ1つに意味があるんだね。

更にここから異常値が出てきて感染症が疑われた場合には、細菌培養検査で原因となっている菌を調べたりもするよ。

この検査で全てがわかるわけじゃなくて、いろいろな検査をして病気を特定していくんだ。

疑われる病気のまとめ

検査の結果が異常な時に疑われる病気を簡単にまとめておくね。

赤血球:急性糸球体腎炎・腎盂腎炎・膀胱炎・尿道炎・腎腫瘍・腎結石など

白血球:腎盂腎炎・膀胱炎・尿道炎など

円柱細胞:慢性腎炎・糸球体腎炎・腎盂腎炎・ネフローゼ症候群など

上皮細胞:膀胱炎・尿道炎など

結晶成分:腎結石・急性肝炎・閉塞性黄疸・痛風など

こんな感じになっているよ。

今日は尿検査の中の尿沈渣の概要を解説したよ。

もし詳しく知りたいものがあれば、別でまとめているから読んでみてね。


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