
こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。
つい先日…

ぴぃすけ!尿検査で糖がプラスになっちゃたんだけど…
この前お姉さんにこんなことを言われたんだよね。
お姉さんすごくショックだったみたいで、それから病気を気にしているんだよね。
でも実は尿に糖が出る理由って病気だけじゃないんだよ。
尿糖はその名の通り、尿中に糖が出てしまっているかを見ている検査だね。
だけどその理由はいくつかあるから、尿糖がプラスだからと言って、病気とは限らないよ。
今日はそんな『尿糖』について
- 尿糖とは?
- 尿糖の検査方法と基準値
- プラスになる原因
こんな内容で話をしていくね!
ちなみにお姉さんは病気じゃなかったから、そこも話していくね。
尿糖とは?

まずはそもそも尿糖ってなんなのかって話からしていくね。
とは言っても、さっきも話したんだけど、
『尿糖っていうのは尿中に含まれる糖のこと』
ちなみにこの糖はブドウ糖(グルコース)というものが主なものになるよ。
尿糖を調べる検査をすると、前回の排尿から今回の排尿までの血液中の糖の状態を間接的に知ることができるんだ。
血液中の糖を検査するときは痛くても採血しなくちゃいけないから、尿で検査できるっていいよね。
尿糖の検査法

尿糖は尿中に糖が出ているかを検査するんだけど、検査の方法には2つの種類があるんだ。
1つは試験紙で検査するもの。
これは試験紙に尿を染み込ませて、その試験紙が反応した色の変化具合で糖がどのくらい出ているかを判断するよ。
健康診断とかでやっている方法は、だいたいこっちの方法になるね。
ちなみにこれは尿の性状を検査するということで『定性検査』と呼ばれるよ。
もう1つの方は酵素を用いた方法。
これはより細かい検査をしているものだね。
さっきの試験紙では糖がどのくらいあるかを(-)〜(4+)のように大きくいくつかに分けてみるんだ。
だけどこの酵素で行う方法は、糖の『量』を調べるよ。
量を調べる検査になるから『定量検査』と呼ぶんだ。
定性検査でプラスの判定が出たら、そのプラスがどのくらいの量なのかを定量検査でみるという感じになるよ。
尿糖の基準値は?

どんな方法があるかはわかったね!
そしたら次は2つの方法の基準値について話をしていくよ。
まず定性検査からだね。
この定性検査は一般的に健康診断の検査項目に入っているものになるね。
この基準値は(-)となっているよ。
プラスになってしまうと、基準値外と判断されるね。

私はプラスだった…

多分あれだと思うから、後で詳しく話を聞くね。
ちなみに尿糖は1+〜4+で表すことが多いよ。
実際マイナスと言っても0ではないんだ。
20mg/dlくらいの糖
このくらいの量が出ていても、反応なしで陰性という判断になるんだ。
次は定量検査だね。
定性検査で1+〜4+の判定が出た場合に、糖がどのくらいに量出ているのかを調べるために定量検査を行うよ。
定量検査の基準値は20mg/dlとなっているよ。
最近だと定性と定量の2つをみることができる検査も出てきているんだよ。
プラスになる原因は?

そうしたらこの尿糖がプラスになってしまう原因について話をしていくね。
糖が尿中に出てきてしまうという場合はパッと思いつくのは何?
おそらく糖尿病かなと思うんだ。
糖と尿が病名に入っているんだから、なんかそれっぽいよね。
確かに糖尿病の時も尿中に糖が出てくるよ。
だけどそれだけではないんだよ。
糖尿病は尿糖がプラスだけど、尿糖がプラスだから糖尿病ではないってことだね。
ちなみに糖尿病ついては詳しくはここで話しているよ!

糖尿病の他にも肝臓の病気や、膵臓の病気、甲状腺という場所に異常がある場合もプラスになることがあるんだ。
ここまで病気のことばっかりだったけど、実はこんな理由でも糖は出ることがあるんだよ。
実はこれでも尿糖がプラスになる

この理由は『食事の影響』になるよ。
糖がたくさん含まれている食事をすると、一時的に尿中に糖が出る場合もあるよ。
食事のあとって血糖値が上がるのはみんな知っているよね。
最初に話したように、尿糖は前回の排尿から今回の排尿までの血液中の糖の状態を反映しているって言ったよね。
だから一時的に血糖値が高いということは、尿中にも糖が出る可能性があるんだよ。

お姉さん、検査前に何か食べなかった?

えっと、ケーキを一口だけ…

それってホント?

実は3個食べた…
ということでお姉さんの尿糖プラスは
食事の影響で出た尿糖
ということだったわけだね。
糖尿病って常に血糖値が高い状態だよね。
食事の影響で一時的に、これと同じような血糖の状態になってしまったってことだね。
こんな感じで病気以外でも尿糖がプラスになることがあるから、他の検査と一緒にしっかりみるのが大切なんだ。
妊娠によって出る場合も
実はこのほかにも妊娠の時には、尿糖が出る場合もあるんだ。
妊娠中の定期検診では毎回尿検査をするんだ。
この理由は尿糖が陽性になっている可能性があるからなんだ。
ちょっとここについてはまた別で話しているよ。

尿糖が陰性なら安心?

ここまではプラスになるって話だったけど、逆にマイナスに出てしまう場合もあるよ。

えっ、マイナスならいいんじゃないの?
こう思うかもしれないね。
確かに基準値としてはマイナスだから本来はいいこと。
でもそうじゃなくて、偽陰性と言って本来プラスのものがマイナスになっている場合があるんだよね。
この3つが偽陰性になる原因だよ。
後は空腹時に採尿をすると軽度の糖尿病では、マイナスになることがあるんだ。
これはさっきのお姉さんとは逆だね。
あとは採尿してすぐに検査をしないとマイナスになる場合もあるよ。
これは尿中に細菌などがいる場合は、その細菌が尿中にある糖を使ってしまい糖が少なくなってしまうからなんだ。

でも細菌って基本はいないでしょ?

そうだね。でも実は糖尿だから細菌がいる可能性があるんだ。
糖尿病の場合は尿路感染症に一緒になりやすい。
だから本来プラスになる時に、こういった原因で結果がおかしくなってしまうこともあるから覚えておいてね。
1つの検査だけじゃなくて、他の検査としっかり比べるということが重要ってことだね!
まとめ
今日は尿検査の中の尿糖についての話をしてきたよ。
今日の話をまとめておくね。
・尿検査には定性検査と定量検査がある
・定性検査で異常があれば、定量検査を行う
・尿糖は排尿と排尿の間の時間の血糖の状態を間接的に見ることができる
・食事によっても陽性になることがある
・軽度の糖尿病などの時には状態によっては偽陽性になることがある
こんな感じで尿糖っていうのは調べられているんだよ。
尿検査は痛みもないし病気の有無を確認するのにすごくいい。
だけどやっぱりこれだけじゃなくて採血や他の検査の結果を考えて病気を判断するのが重要だよ。

病気じゃなくて良かった…

検査前は食事に気を付けないとダメだよ。

次からは1個にする。

いや、食べないで行きなよ。
今回のように検査によっては食事が影響するものもあるんだ。
検査の前には食事をとっていい場合と、ダメな時があるから病院の人に確認してね
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尿の試験紙法についてまとめたよ。

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