
こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。
妊娠中の定期検診って、毎回採血や尿検査をすると思うんだ。
妊娠中の体って体調が変化しやすいっていうけど、どうしてこんなに気にすると思う。
特に糖を気にするよね。
今回はそんな妊娠中に糖を、なぜ気にするのかを解説していくね。
妊娠糖尿病というものがある
どうしてこんなに糖を気にするかというと、
『妊娠糖尿病(GDM:gestational diabetes mellitus)』
というものがあるからなんだ。
これは、妊娠前には糖尿病とは診断されていなかった人が、妊娠中に糖代謝異常を指摘される状態のことだよ。
ちなみに妊娠前から糖尿病がある場合は「糖尿病合併妊娠」と呼んで区別されるよ。

でもどうして妊娠中にだけなるの?

ホルモンや胎盤の影響でインスリンの働きが弱くなることがあるからだね。
症状は?

これって妊娠と時とそうじゃないときの症状って違うの?

基本は一緒だね。
でも実はほどんどの場合は自覚症状がない場合が多いんだ。
あるとすれば妊娠じゃない糖尿病と同じ、喉の渇きや頻尿といった症状になるよ。
ただこの喉の渇きや頻尿という症状って、妊娠中に起こる状態にも似ているんだよね。
だから症状だけで、妊娠糖尿病と判断するのは難しいことが多いんだ。
検査をやる理由や方法は?
症状からだけでは、妊娠糖尿病は判断することが難しいから血液検査や尿検査をしっかりしていくということだね。
これだけでも糖が出ていれば検査結果として判断できるんだけど、もっと詳しく見る検査もあるよ。
それがブドウ糖負荷試験というものだよ。
これは採血前にブドウ糖を接種して、時間によって血糖がどう変わるかを確認する検査だね。
ちなみにブドウ糖負荷試験については、ここで詳しく話しているよ。

検査の方法をまとめると、
- 妊娠初期に、血糖などのスクリーニング検査をする。
- 妊娠中期(24〜28週頃)にはブドウ糖負荷試験(OGTT)などの検査が行われることもある。日本では2段階にしてチェックする場合が多い。
- もし異常があれば、詳細検査という流れの施設もあり。
対処法はある?
妊娠糖尿病と診断がついたら、入院などをして食事療法をしっかり行うことが大切なんだ。
お腹の赤ちゃんのためにもしっかり栄養をとらなければいけないけど、摂り過ぎてもいけない。

赤ちゃんのために食べないのもいけないし、食べすぎもいけないって難しいよね…。

本当だよね。
妊娠中っていうのは、空腹時の血糖値は低くなりやすくて、食後の血糖値は逆に高くなりやすい。
だから急激な血糖値の上昇を抑えるのに、1回の食事量を減らして食事回数を増やす『分食』なんかを行う場合もあるよ。
これはしっかりとお医者さんと相談してみてね。
胎児への影響は?
こういう状態になってしまった時に気になるのが、お腹の赤ちゃんへの影響だよね。
血糖値が高い状態が続くと、赤ちゃん側にもお母さん側にもリスクが出る可能性があるんだ。
たとえば、赤ちゃんが大きくなりすぎて難産になったり、逆に発育がうまくいかない場合も。
検査・管理をきちんとすることが、お母さんと赤ちゃんを守るためにとても大切なんだ。
まとめ
今日は妊娠中に糖を検査する理由を話してきたよ。
・妊娠中はホルモンの影響でインスリンの働きが弱まり、血糖値が上がりやすくなる
・妊娠糖尿病は妊娠前に糖尿病でなかった人が妊娠中に発症する糖代謝異常のこと
・自覚症状がほとんどないため、血液検査や尿検査、ブドウ糖負荷試験で確認する
・放置すると赤ちゃんが巨大児や発育不全になるリスクがあり、早期発見と管理が大切
・治療は食事療法や分食、必要に応じてインスリン治療を行う
妊娠中に糖を気にするのは、決して過剰というわけじゃなくて、「妊娠糖尿病」という状態を未然に発見するためだったね。
自覚症状がほとんどないぶん、検査をすることがすごく重要だよ。
妊娠中の検査は「もしものため」に欠かせない大切な時間だよ。
ちょっと大変かもしれないけど、自分と赤ちゃんの健康を守るためにも、しっかり受けていこうね。
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