
こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。
今日は血液検査の項目の1つのMCVについて解説するよ。
これは貧血の原因を追求する項目の1つなんだけど、どういうものなのかって詳しく知らない人も多いと思うんだ。
検査するってことは重要な項目の1つだよね!
今日はそんなMCVについて
- 何をみている検査項目
- 高い時は何を考える
- 低い時は何を考える
- 他の検査と考える必要性
こういったことを話していくね。
MCVとは?

まず最初にMCVってなんなのかという基礎の部分から話をしていくね!
MCVというのは略さずに書くと、mean-corpuscular-volumeというんだよ。

と言っても、分からないよね。
日本語でいうと平均赤血球容積となっているよ。

日本語なら分かりやすいね。
日本語だとそのままだね。
『平均』の『赤血球』の『容積』
これがMCVという項目になるよ。
赤血球って人間の体の中にすごい数あるのは知っている人も多いと思うんだ。

ちなみにどのくらいの数があるのか知ってる?

う~ん…1億くらい?
実は20兆個あると言われているよ。
なんて言われてもピンとこないね(笑
とりあえずたくさんってことだけ覚えておいてくれれば大丈夫だよ。
大きさも同じくらいなんだけど、これだけあると1個1個の大きさってちょっと違かったりするわけ。
その中の平均の大きさを求めているのが、MCVなんだ。
よく「この水槽は何Lの水が入るものです」とか書いてあると思うんだけど、あれと一緒だね。
赤血球の容積、つまり大きさを求めているということだね。
MCVの基準値

そんな赤血球だけど、大きさはだいたい直径7.5μmと言われているんだ。
ちなみにこれは、容積じゃなくて直径だよ。
これをMCVで表すと、基準値はこのようになっているよ。
『fL』はフェムトリットルと言って「0.000000000000001」という数字を表しているもの(笑
この基準値よりも大きければ赤血球の大きさが大きい。
小さければ大きさも小さいってことになるよ。

そんなに小さいのよく測れるね。

実は直接測っているわけじゃないんだ。
このMCVって小さすぎるから直接測定をしているわけじゃないんだ。
じゃあどうやって値を出しているかというと…
他の血液検査の項目から計算して算出しているんだ。
計算方法はこうなっているよ。
MCV=[ヘマトクリット値(%)÷赤血球数(106/㎣)]×10
MCVが何を表しているかと基準値がわかったね。
そうしたら次はどうして赤血球の大きさを知ることが必要なのかを話していくね。
赤血球の大きさ?
MCVはわざわざ計算をやってまで値を出しているといのがわかったね。
じゃあなんでここまでして赤血球の大きさを知る必要があるかの話をしていくね。
最初にも少し言っちゃったんだけど、この検査は貧血の原因を追求する検査なんだ。
ここでは話をしないけど、MCVの他にも後2つMCHとMCHCというものもあって、その3つで原因を追求しているんだ。
ちなみにこの記事で全部の内容を簡単にまとめて話しているよ。

じゃあ話をMCVに戻すね。
まず知っておいて欲しいのが赤血球の大きさが貧血とどういう関係があるかということだね。
貧血と赤血球の大きさの関係

貧血っていうのは、文字の通り「体に血が足りない状態」のことだね。
この貧血っていうのは赤血球の中にはヘモグロビンというものがあるんだけど…
一般的に貧血は赤血球の数というよりもヘモグロビンの濃度が基準値を下回った時に貧血と言われているよ。
というので、赤血球の中にヘモグロビンがあるのはわかったね。
じゃあそのヘモグロビンの器になっている、赤血球自体に異常が出てしまった場合は中にあるヘモグロビンはどうなると思う?

なんか異常がありそう。
人間の体って何か異常がなければ、いつも通り同じように体の中の細胞を作ってくれる。
だけど大きさが異常ということは…。
お姉さんが言っているように、何かしらの異常があると赤血球の大きさも異常になってしまっているんだ。
その結果として貧血になってしまっている場合があるということ。
大きい・小さい
MCVが大きい小さいでこんな感じに分かれているよ。
こんな感じで呼ばれているんだ。
ちなみに基準値内でも貧血が起こることもあるからね。
この時は『正球性貧血』と呼ばれているよ。
MCV・MCH・MCHCでわかること
最後に貧血の原因を追求する3つの項目でわかることをまとめておいたよ。
MCH | MCV | MCHC | 疑われる貧血の種類 |
---|---|---|---|
基準値より低い | 基準値より小さい | 基準値より低い | 鉄欠乏性貧血、慢性的な出血による貧血など |
おおよそ基準値内 | おおよそ基準値内 | おおよそ基準値内 | 再生不良性貧血、溶血性貧血など |
基準値より高い | 基準値より大きい | おおよそ基準値内 | 溶血性貧血、巨赤芽球性貧血など |
こんな感じでMCV1つだけで診断をつけるのではなくて、色々な検査項目で原因を追求していくんだ。
まとめ
今日はMCVというものについて話をしてきたよ。
ちょっと難しい部分もあったと思うから、今日の話をまとめておくね!
・MCVとは平均赤血球容積
・赤血球の大きさを確認する検査項目
・計算から算出する
[ヘマトクリット値(%)÷赤血球数(10^6/㎣)]×10
・基準値:84〜99fL
・大きい場合は大球性、小さい場合は小球性という
・MCV、MCH、MCHCの3つで貧血の原因を追求する
こんな感じだね。
貧血ってちゃんと原因があって、その原因を取り除いてあげれば楽になることもあるんだ。
しょう君も以前はかなり貧血がひどかったらしいんだけど、今ではかなり楽になったみたい。
そうやって理由を追求して、それにあった対処をする。
そういうことが重要になってくるね!
ということで今日はMCVについての話をしたよ。
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MCV・MCH・MCHCの概要をまとめた記事だよ。

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