
こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。
健康診断の血液検査の結果に「赤血球」ってあるよね。
その結果で多いとか少ないとか書いてあったりすると思うんだ。
今日はそんな赤血球について
- 赤血球の働き
- 少ない理由は何?
- 多くなる理由は?
- 赤血球と一緒に確認したい項目
こんなことを話していくよ。
身近な病気についての話もあるから、ぜひ覚えていってね。
血液ってどのくらい?
赤血球という話をする前に『血液』という部分について少し話をしていくね。

ちなみに人間の血液って、どのくらいあると思う?

う~ん…3Lくらい?

人によっては、そのくらいかもね。
人間の血液量は、だいたい体重の8%と言われているんだ。
1/13と言われていたりするね。
具体的にはこんな感じだね。


あれ?しょう君のが隠れてるけど、なんで?

いや、体重がばれるから…
それはいいとして。
血液って『液』と書いているから、液体のような感じがするよね。
でも実は液体成分と細胞成分がだいたい半分ずつなんだ。
細胞成分には
- 赤血球
- 白血球
- 血小板
というものがあるよ。
その細胞成分の90%を占めているのが赤血球になるんだ。
血液が赤いのはこの理由だね。
赤血球の働き
というので、今日の本題の赤血球の話に入っていくよ。
それでこの赤血球といったら絶対に欠かせないものがあるんだよ。
それが『ヘモグロビン』というものだよ。
ヘモグロビン知らずして、赤血球を語ってはいけない!
というのも赤血球の95%ぐらいがヘモグロビンなんだ。
ちなみにこのヘモグロビンというのは
- 「ヘム」という赤い色素
- 「グロビン」というたんぱく質
この2つからできているんだ。

ヘモグロビンの話をする前に赤血球の基準値を知っておこうか。
赤血球の基準値はこんな感じになっているよ。
施設によってはちょっと違うかもしれないけどおよそこのくらいの数字だよ。
女性は男性より基準値が低いね。
これは女性の場合は毎月の月経で出血しているからなんだ。
赤血球の作られる数
ちなみに赤血球というのは体の中で毎日作られているんだ。
寿命が120日と言われていて『壊れて新しく作られる』というのを繰り返しているんだ。

ちなみに毎日どのくらい作られると思う?

400万が基準って話だから100万くらい?

お姉さん、単位が間違ってるね。
基準値が400万というのは『1μL当たり400万の赤血球がある』ということだよ。
だから仮に血液が5Lの場合だと、5Lは500万μLになるね。
だから500万×400万で20兆個の赤血球が体にあるということだね。
赤血球は骨髄という場所で1日に2,000億個作られているんだ。

2000億ってすごい数字だけど、もうよくわからないね。
想像つかないよね。
沢山あって毎日たくさん作られていると覚えておいてね。
次に重要なヘモグロビンの話をしていくね!
ヘモグロビンの働き
赤血球の中で重要な働きをしているのが、この『ヘモグロビン』というものになるよ。
このヘモグロビンがどんな働きをしているのかというと・・・
簡単に言うと
『酸素の運搬』
というものだよ。
ヘモグロビンは酸素とくっついたり離れたりするんだ。
酸素の多い場所では酸素とくっつく、逆に酸素の少ない場所では酸素と離れるという性質があるんだ。

酸素の多い場所ってどこだと思う?
肺だよね。
だから赤血球は肺で酸素を取り込み体中の組織に酸素を運んでいるよ。
さらに凄いことに、そこでいらなくなった二酸化炭素を受け取ってまた肺まで持ってきてくれるんだ。
これがヘモグロビンの大切な働きだよ。
つまり赤血球の大切な役割ということだね。
赤血球が少ない理由は?
赤血球の働きがわかったところで、次は赤血球の数値を見てわかることを話していくね。
まずは赤血球の数が少ない理由についてだよ。

赤血球が少ないとどうなると思う?

酸素を運んでいるから酸欠になる?
そうだよね。
さっき話したように、赤血球の大切な働きは
「酸素の運搬」
それをやってくれるのものが少なくなってしまうから、体が酸欠の状態になってしまうよね。
でもどうして赤血球って、少なくなってしまうと思う?
これには2つの理由があるんだ。
そもそも作られないか、出血してなくなってしまっているかが理由だね。
ちなみにこうやって赤血球が少なくなってしまうことを『貧血』と言ってるね。
赤血球が作られない
赤血球ってさっきも話したようように寿命があるよね。
毎日たくさん作られて、新しいものと入れ替わっている。
だから新しい赤血球が作られないと、赤血球の数は少なくなってしまうよ。

赤血球が作られないってなんで?
なぜ赤血球が作られないかというと、これにはいくつか理由があるんだ。
その中でも一番多いのは『鉄』が不足している場合だね。
というのもさっきヘモグロビンっていうのは
- 鉄
- タンパク質
この2つからできていると話したよね。
じゃあこの重要な鉄がなければ、どうなると思う?

材料がないから作れないってことね。
そうだよね。
ちなみにこうやって鉄が原因で起こる貧血のことを鉄欠乏性貧血というよ。
貧血について詳しくはここで話しているよ。

出血で赤血球が減る
出血も赤血球が減る原因の1つだね。

これはすぐに分かりそうだね!

実はそうでもないんだよね。
おそらく出血っていうと、怪我をして血が外に出ているのをイメージすると思うんだ。
だけど実はそれだけじゃなくて、体の中で出血をしている場合もあるんだ。
それって外側からじゃわからないよね。
だから赤血球の値が低いという場合には、別の検査をして体の中で出血を調べる場合もあるんだ。
赤血球が多い理由は?
じゃあ次は逆に多い時の話をしていくね。

でも酸素って体に必要だから、多い分には問題ないんじゃないの?

かなりいい質問だね。
お姉さんと同じように、こう思う人も少なくないと思うんだ。
だけど実は多すぎるのも問題なんだよ。
というのも血液っていうのは細胞成分と液体成分が半分ずつという話を最初にしたよね。
その細胞成分の90%が赤血球。
ちょっと例えてみると、すごくわかりやすいと思うんだ。

水に小麦粉をたくさん溶かすとどうなっていく?

ドロドロになるかな。
これが多すぎてもダメな理由だね。
血液もこれと同じで、赤血球が多すぎると血液がドロドロした状態になってしまうんだ。
じゃあもしそのドロドロの血液が体の中を流れたとしたら、どうなると思う?
もしかしたら血管を詰まらせてしまうかもしれないね。

こうやって赤血球が多過ぎるのも、体にとってダメなことなんだ。
赤血球が多くなる理由は?
多過ぎるのもダメということはわかった。
だけど『どうして多くなるのか』というのが重要なことだよね。
なぜ赤血球が多くなってしまうかというと、これは単純に作りすぎてしまうということだね。
これの原因は、赤血球というのは骨髄という部分で作られているんだけど、
- 骨髄の異常でたくさん作ってしまうか、
- もしくは別の部分の異常で、「たくさん作れー!」っていう指令が出されているか
このどっちかなんだ。
ちなみにこの指令はホルモンが関係しているよ。

ちなみにこうやって赤血球が多い状態を多血症と言ったりするんだ。
あとこれは増えるとは違うんだけど、赤血球の割合が高くなるといこともあるよ。
1Lの水に塩が5gとかなら、特にしょっぱくならないけど、
100mlの水に塩を5g入れたら、かなりしょっぱくなるよね。
下痢や異常な汗で水分が失われたりすると、細胞の割合…
赤血球の割合が増える場合もあるんだ。
この場合は水分をしっかり摂ることで、数値が改善することもあるから気をつけてみてね。
赤血球の数だけで判断してはいけない
こうやって赤血球だけでも、体のいろいろなことがわかるね。
ただ…

じゃあ私は赤血球がちょっと少ないから貧血ってことだね。
こんな感じで、それだけの数値で判断してはいけないんだ。
赤血球に限らずなんだけど、検査の値は他の数値も総合して判断していくんだ。
たまたまその時だけ数値が低いとかもありえない話じゃない。
例えば貧血を調べるにしても赤血球だけで判断できないこともあるよ。
ヘモグロビンやヘマトクリットなども総合して判断するんだ。
お医者さんは色々な検査を比較して、診断をしているんだよ。
まとめ
今日はかなり身近な『赤血球』というものについて話をしてきたよ。
今日の話をまとめておくね。
・血液の中には細胞成分と液体成分が半分ずつある
・細胞成分の90%を占めるのが赤血球
・赤血球(ヘモグロビン)の働きは酸素の運搬
・赤血球が少ない場合は貧血が疑われる
・赤血球が多過ぎるのも多血症と言って問題になる
こんな感じだったね。
健康診断では必ず赤血球の検査をするよね。
だから目にする機会が多い項目の1つだと思うんだ。
他の数値と比較しながら、自分の結果を見直してみてね。
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