
こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。
みんなは血液検査にある『T-bil』という項目を見たことがあるかな?
一般的に検査されている項目だから、見たことある人も多いと思うんだ。
でも何の検査項目かわからないという人もいるんじゃないのかな?
ここでは血液検査の項目のT-bilについて
- T-bilとは何か?
- ビリルビンが高くなる理由
- 間接ビリルビンと直接ビリルビンについて
こういった内容を解説していくよ。
T-bilとは?
最初は『T-bil』とは、なんなのかっていう部分だね。
これは『total-bilirubin』で
総ビリルビン
のことを言っているんだよ。

ビリルビンなのに、なんで『総』ってつくの?

いいところに気づいたね。
実はビリルビンというのは、2つの名前があるんだ。
それが…
- 間接型ビリルビン
- 直接型ビリルビン
この2つだよ。
これの違いについては、後で詳しく話していくね。
その前にビリルビンとはどういうものかを話していくね。
ビリルビンとは?
ビリルビンというのは、赤血球が壊れる時に作られるものになるよ。

赤血球って壊れるって知ってた?

知らなかった。
赤血球も1つの細胞だから、寿命があるんだ。
ただ毎日作られるから値は、だいたい一定になるんだけどね。
ちなみに赤血球の寿命は120日と言われているよ。
毎日作られて、毎日壊れる。
それでこの壊れた時にビリルビンが作られるってことだね。
この作られたビリルビンは、肝臓に運ばれて胆汁中に捨てられるんだ。
そういえば胆汁の色って知ってる?
胆汁の色って黄色をしているんだけど、このビリルビンによるものなんだよ。
間接型と直接型の違い
その赤血球から作られたビリルビンには、2つの名前があるという話はしたね。
間接型と直接型だったね。
この違いを話していくよ。
さっきの話で、ビリルビンは作られると肝臓に運ばれることはわかったよね。
この肝臓に運ばれて処理されたビリルビンのことを直接ビリルビンと呼ぶよ。
肝臓で処理されていないものを間接ビリルビンと呼ぶよ。
イメージとしてこんな感じだよ。

この間接と直接を合わせて総ビリルビンと呼ぶんだよ。
基本的に総ビリルビンは血液中に、わずかしか存在してないんだよ。
ビリルビンは、とても体に悪いから10を超えると神経的な症状が出たりするんだ。
ちなみにビリルビンが2から4くらいに、少し上がる場合はほとんどが肝障害か溶血だよ。
ビリルビンの高くなる原因
画像で見たように、基本的にビリルビンは処理されて排出されるんだ。
だから体の中には溜まらないようになっているよ。
だけどなんらかの原因で溜まってしまうと、高くなってしまう。
この時には間接ビリルビンが高いか、直接ビリルビンが高いかで原因が分かったりするよ。
間接ビリルビンが高い場合
間接ビリルビンは、肝臓で処理される前のビリルビンのことだったよね。
これは赤血球が壊れたときに作られるものだから、赤血球が正常よりも多く壊れたときに高くなるんだ。
だから間接ビリルビンが高いときには…
- 溶血性貧血
- 溶血性黄疸
こういった病気が疑われるよ。
溶血性貧血っていうのは、なんらかの原因により赤血球が正常時よりも多く壊れてしまう病気だよ。
薬物によるもの、自己免疫によるもの、あとは異なる血液型の輸血をされた場合に起こることがあるんだ。
溶血性黄疸は溶血性貧血によっておきる黄疸のことをいうよ。
ちなみに黄疸とは血液中のビリルビンが増加して、目の結膜や皮膚が黄色くなる状態のことなんだ。
直接ビリルビンが高い場合
直接ビリルビンは通常は、胆汁と一緒に十二指腸を通って体の外へ排出されるよ。
だけどこの過程でなんらかの病気があると外に出るはずの直接ビリルビンが外に出ない。
だから体の中に残ってしまって、高くなってしまうんだね。
考えられることとしては…
作られた直接ビリルビンが胆汁中に排泄されない
これが原因になっていることが多いよ。
通り道(胆管)がふさがってしまったりすることが原因だね。
ちなみに胆管が詰まることで起こっているから、これが原因で起こる黄疸のことを閉塞性黄疸というよ。
まとめるとこんな感じだね。
閉塞が原因 | 肝臓に障害 | 溶血が原因 | |
---|---|---|---|
直接ビリルビン | 増える | 増える | |
間接ビリルビン | 増える | 増える |
まとめ
今回は血液検査のT-bilについて解説したよ。
・T-bilは総ビリルビンのこと
・間接ビリルビンと直接ビリルビンを合わせた値
・ビリルビンは赤血球が壊れた時に作られる
・間接ビリルビンは肝臓で処理される前のビリルビン
・直接ビリルビンは肝臓で処理された後のビリルビン
・2つの値を見ることで、どこに障害があるかを推測できる
こういった内容だったね。
ビリルビンは肝臓の機能と、かなり密接に関係していることがわかったね。
肝臓の検査項目には、他にもASTやALT、γ-GT(P)という検査もあるよ。
こうやってたくさんの検査項目があって、
- どの数値が高い
- どの数値は変わらない
こういうことを考えて、何の病気なのかを考えていくんだ。
今日はビリルビンという話をしたけど、それだけではなく他の検査項目も確認してみてね。
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