尿検査でビリルビンが陽性でわかる病気!プラスになる原因を解説!

検査
ぴぃすけ
ぴぃすけ

こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。

今回は尿検査の項目の中で『ビリルビン』という項目について解説するよ。

この項目って血液検査にもある項目なんだ。

これって肝臓の何かを診るものってのは、なんとなく知っている人もいると思うんだ。

だけどどうして血液にも出て、それが尿中にも出ると思う。

そんなビリルビンについて

  • そもそもビリルビンとは?
  • ビリルビンがプラスになる理由
  • 黄疸について

こんな話をしていくね。

ビリルビンとは?

最初にビリルビンについて解説していくよ。

ビリルビンっていうのは、赤血球が壊されてできるものになるんだ。

このビリルビンは肝臓→胆道→胆のう→腸と言って、ウロビリノーゲンになるんだ。

そのウロビリノーゲンは腎臓にいって、最終的に尿として排出される。

だから尿中にウロビリノーゲンは出るんだけど、基本的にビリルビンは出てこないんだ。

イメージは、こんな感じだね。

ただここで注意して欲しいのは、肝臓から胆のうにビリルビンがいかなかったり、肝臓で上手くビリルビンが処理されない。

こういった時には血中のビリルビン濃度が上昇して、尿として排出されしまうんだ。

ちなみにビリルビンには、

  • 直接ビリルビン
  • 間接ビリルビン

この2種類があるよ。

この違いは直接ビリルビンは肝臓で処理された後のビリルビンのこと。

間接ビリルビンは肝臓で処理される前のビリルビンになるんだよ。

ちなみに血液検査では、この2つを合わせて総ビリルビンと言っているね。

本来は肝臓→胆道(胆管)→胆のう→腸に行く。

腸でウロビリノーゲンとなって、尿中に排出される。

そのためマイナスになるが、ウロビリノーゲンにすることが出来なくなると、血中にビリルビンが増えて尿中にも排出される。

ビリルビンが陽性になる理由

上でも少し話しているけど、次は尿中にビリルビンが出てきてしまう理由だよ。

基本的には尿中にでないということは、さっき話をしたよね。

だけど出てしまうのには、こんな理由があるよ。

  • 胆道の閉塞などでビリルビンが肝臓から流れていかない
  • 肝臓の障害でビリルビンが肝臓に多くなってしまう
ぴぃすけ
ぴぃすけ

ビリルビンが何かの原因でうまく処理が出来ないということだね。

ちなみにここは試験で結構聞かれる問題なんだけど…

尿中に排出されるのは、間接ビリルビン?それとも直接ビリルビン?

どっちだと思う?

お姉さん
お姉さん

流れないということは肝臓で処理できていないから、直接ビリルビン?

お姉さんの言うように、直接ビリルビンだよね。

というのも肝臓から流れていかない時も、肝臓の障害の時も多くなっているのは、直接ビリルビンだからだね。

実は見た目でもわかる

実はビリルビンが尿中に多くなっていくと、尿の見た目でもわかるようになるんだ。

というのもビリルビンを多く含むと、尿がかなり黄色になってくるんだよ。

ただ黄色だけだと他の理由もあったりするんだ。

もう一つ特徴としては、泡立ちやすくなるという特徴もあるんだよ。

見た目で完全に「これだ!」というのは出来ないけど、判断する基準にはなるね。

ちなみにここまでくると検査はできないんだけど…

ビリルビンを多く含む尿を放置すると緑色のビリベルジンというものになるんだよ。

だから放置して「あれなんか色がおかしい」となったら、もしかしたらビリルビンが出ているかもしれないね。

ビリルビンを検査するときには、変化しないうちに検査する必要があるから採尿してすぐに検査する必要があるってことだね。

黄疸の原因

最後は黄疸との関係性について解説していくよ。

ビリルビンが高くなってくると、黄疸っていうものになるんだ。

血液中の「ビリルビン」が増加して、皮膚とか粘膜にくっついてしまう。

ちなみにこれを沈着っていうね。

だからビリルビンが沈着して、黄色く見える状態のことを言うよ。

その黄疸の原因を鑑別するのに血液、尿、便のビリルビンとウロビリノーゲンを比較したりするんだ。

まとめるとこんな感じなるよ。

  閉塞性黄疸肝細胞性黄疸溶血性黄疸

ビリルビン++(直接型)++(直接型)++(間接型)++(間接型)
ウロビリノーゲン++++
尿ビリルビン++++
ウロビリノーゲン++++
便ビリルビン
ウロビリノーゲン+++
お姉さん
お姉さん

1つだけじゃなくて、他と考えるって重要だね。

ぴぃすけ
ぴぃすけ

そうそう。どれか1つだとわからないけど、いくつか組み合わせることで原因を探っていくことが出来るんだ。

まとめ

今日は尿中のビリルビンについて話をしたよ。

まとめると…

・ビリルビンは赤血球が壊れることが出来る

・本来は処理されてウロビリノーゲンになる

・そのため尿中には出てこない。マイナスになる。

・胆道の閉塞、肝臓の障害の時にはビリルビンが陽性になる

・黄疸を調べるために血液、尿、便を併せてみる

ビリルビンというと、血液のイメージが強いけど、尿中にも便中にも出るんだよ。

それを比較することで黄疸の理由がわかるということも話をしたね。

こんな感じで検査って、それだけではなくて色々な検査を診て病気が何かを確認していくよ。


尿検査の試験紙法についてまとめたよ。

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