
こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。
今日は人間の臓器の中の1つ。
『肝臓』
について話をしていくね。
肝臓ってどんな働きをしているか知ってる?

お酒に関わるイメージ。
お姉さんのように、肝臓はアルコールを分解してくれる臓器って考えている人も多いかもしれないね。
でも実は肝臓って他にもたくさんの機能があるんだ。
今回はそんな肝臓について詳しく解説していくね。
肝臓の働き
最初は肝臓の働きから見ていくよ。
おそらく肝臓の働きでパッと思いつくのは、さっきのアルコールの分解だと思うんだ。
お酒が好きな人は肝臓の数値も気にしているね。
やっぱりお酒を飲むことは、肝臓にダメージがあるんだ。
そんな肝臓の働きは大きくわけると
- 解毒
- 代謝、貯蓄
- 胆汁生成、分泌
この3つになるよ。
解毒
これは、さっきまで話していた機能だね。
体にとって毒になるものが、入ってきたときにそれを無害なものに変える働きのことだね。

毒がアルコールってこと?

そういうことだね。
ちなみにアルコールは肝臓の機能で、まずはアセトアルデヒドという物質に分解されるよ。
このアセトアルデヒドが体にとっては有害な物質なんだ。
だからそれをさらに無害な物質まで、分解してくれるのが肝臓なんだ。
すごい頼りになるよね。
代謝・貯蓄
次は代謝と貯蓄だよ。
僕たちはエネルギーを食べ物から補給しているよね。
だけどその食べたものって、そのままではエネルギーとして使えないんだ。
だからそれをまずそれを
自分のエネルギーとして使える形にする
これが代謝という役目になるよ。
だけど人間って生きている限りエネルギーを使うよね。
でも常に食事を食べていなくても生きていくことが出来るよね。

だから貯蓄ってことか!
そういうことだよね。
代謝で作られたエネルギーを全部使うわけじゃなくて、余っているものは貯蓄する。
これも肝臓の働きの1つになるんだ。
胆汁の生成と分泌
あとは胆汁っていうものの生成と分泌だね。

ちなみに胆汁って何か分かる?

名前からすると胆嚢(たんのう)に関係するもの?
胆汁は消化するのに必要なものだね。
肝臓の下側には胆嚢って臓器があるんだ。
この臓器の中に、肝臓で作られた胆汁があるんだ。
胆嚢があるのに、なんで肝臓で胆汁を作るのかって不思議だよね。
というのもこの胆嚢では、胆汁は作ることができないんだ。
だから肝臓は胆嚢のために、胆汁を作ってそこに分泌してあげているんだよ。
肝臓って僕たちにも胆嚢にも優しいんだね。
肝臓の血液検査の結果
肝臓の働きはわかったね。
次はこの肝臓の状態を見るための血液結果について解説していくよ。
ここがかなり気になるところだと思うんだ。
ただ実は血液データと言っても、かなり数があるんだ。
だから今回はその中から一般的に行われている項目に絞って話をしていくね。
今回話しをする項目は、この5つになるよ。
- AST(GOT)
- ALT(GPT)
- γ-GTP
- ビリルビン
- LD
他にもALPやコリンエステラーゼ、アルブミンやコレステロールも見たりするよ。
今回は健康診断でもよく見る上の5つを詳しく、1つずつ解説していくね。
ASTとALT
まず最初はASTとALTから。
ちなみにASTとALTは
- AST:GOT
- ALT:GPT
こうやって書かれていることもあるけど、同じものだから迷わないようにね。

この2つって一緒に見ることが多いんだけど、理由は分かる?

肝臓を見るからじゃないの?
もちろん2つとも肝臓に異常があったときに数値が上がるんだ。
だけどこの2つの数値を見ることで
- 肝臓に異常があるのか
- それ以外に異常があるのか
これを確認することができるからなんだ。
というのもALTは主に肝臓にあって、ASTは肝臓以外の臓器にもあるからなんだ。

どっちも高ければ肝臓の異常でASTだけなら、それ以外ってこと?

そうそう。そんな感じ。
肝臓にはASTもALTも多く含まれている。
だけど心臓や骨格筋にはASTだけが多く含まれているんだ。
だからこういう結果になるってことだよ。
ちなみにもっと詳しい解説はここでしているよ。

γ-GTPについて
次はγ-GTPについて話をしていくね。
結果によってはγ-GTってなっているところもあるけど、同じものだよ。
おそらく気になるのトップは、このγ-GTPじゃないかな。

これってお酒で上がるって言われてるやつ?

そうそう。だから気にしている人も多いよね。
じゃあお酒を飲むと、どうしてγ-GTPの数値が上がるのかを少し話していくね。
基本的にγ-GTPというものは、血液中にはほとんどないものなんだ。
なんだけど何かしらの理由があって、血液中に出てきちゃうわけだよね。
その理由っていうのに
『お酒』っていうのが関係しているんだ。
肝臓では解毒という機能があったよね。
解毒のところでも話したように、肝臓の機能によってアルコールが分解されるね。
そうすると『アセトアルデヒド』という物質に分解される。
このアセトアルデヒドっていうのが、体にとって毒となる物質というのも話をしたね。
そのアセトアルデヒドは、そこからもまた肝臓で分解される。
体にとって無毒な酢酸と水になるんだ。

お酒を飲めば飲むだけ肝臓が頑張ってくれているんだね。

それがまさにγ-GTPの上がる理由だね。
アルコールを飲むだけでこれだけ肝臓が頑張ってくれている。
でもその分、傷ついちゃうんだ。
だけど肝臓って実は、臓器の中で唯一自分で自分を治す機能を持っているんだ。
だから一時アルコールを飲んで、肝臓が傷ついたとしても自分で修復してくれる。
でも例えば毎日晩酌をするような場合は、どんどん傷ついてしまうんだ。
そうすると肝臓の中にあるγ-GTPが血液中に出てきてしまう。
これが上がる理由だね。
だから慢性的に飲酒を続けている人は、γ-GTPの数値が高くなるってことなんだ。
より詳しい話はここでしているよ。

ビリルビン
次はビリルビンの話をしていくね。
このビリルビンは赤血球が壊れることで出来る物質になるよ。

赤血球なのに肝臓に関係があるの?

ここら辺はちょっと難しいから図でまとめたよ。

なんとなくわかってくれたかな。
ビリルビンが高いってことは、肝臓で処理しきれなくなったビリルビンが血液中に出てきちゃうからなんだ。
ただ図でも書いてあったように、ビリルビンには直接と間接があるんだ。
この数値を見ることで、どこで何が起きているのかが推測できるんだ。
これは表にしてまとめておくね。
閉塞が原因 | 肝臓に障害 | 溶血が原因 | |
---|---|---|---|
直接ビリルビン | 増える | 増える | |
間接ビリルビン | 増える | 増える |
ビリルビンについて詳しくは、ここで解説しているよ。

LD
これは乳酸脱水素酵素というものになるんだ。
これが上がる理由もγ-GTPと一緒だよ。
肝臓の細胞の中に含まれている。
だから肝臓が傷ついてしまうと、LDも上昇してしまうってことなんだ。
でもこのLDってちょっと曲者なんだよね。

実は他のいろいろな臓器にも含まれているんだ。

じゃあ測定する必要ないんじゃないの?
これはアイソザイムって言って型みたいなものがあるから、もしLDが高い場合にはアイソザイムを測定することがあるんだ。
これでどこの臓器の異常かを判断していくってことだね。
詳しく話した方が分かりやすいと思うからLDについても別でまとめておいたよ。

肝臓の数値を改善する
肝臓ではいろいろな機能があって、さらにその機能があるから検査出来る項目もいっぱいあることが分かったね。
そうしたら気になるのがここだよね。
その高くなってしまった数値を改善するために何ができるのか。
これは2つしか方法はないよ。
- 肝臓の負担を減らして傷をつけない
- 今ある傷を治してあげる
なんでも一緒だね。
壊してしまったら直す。
そして大切にして壊さない。
ここまで話してきて、血液検査に異常が出るというのは肝臓に何か異常があるということだね。
だから数値を改善するには、原因を失くしてあげるしかないんだ。
いろいろな情報をみると
- 禁酒をしましょう!
- いやいやサプリを飲みましょう!
- もっといいのは運動をすることです!
みたいに言っているところが本当に多いんだよね。
もちろん全部間違ってはいないよ。
だけど必要なことは
『肝臓の負担を減らす』
何か1つじゃなくて、やっぱり負担を減らすために全部やった方がいいってことだね。
いろいろ話してきたけど、肝臓は生活するために本当に重要な働きをしてくれている。
悪い生活習慣をしているということは、それだけ肝臓に悪いことをしているということ。
だからそのためにやることは
- 肝臓の手助けをしてあげる
- 肝臓にとって悪いことはあまりしない
運動して、お酒飲まないで、サプリ飲んで、規則正しい生活をする。

当たり前だけど難しいね。

でもやっぱり健康維持には欠かせないことなんだ。
いきなり完璧にやろうとするのは難しい。
だから全部をちょっとずつやれば僕はいいと思うんだ。
もしお酒が好きなら、お酒の量をちょっと減らしてサプリを飲む。

しじみの味噌汁飲んだりする人もいるけど、あれはなんで?

しじみには、オルニチンが含まれているからだね。
ちなみに味噌汁が大変なら、こういったサプリで手軽に摂れるよ。
ちなみに良さそうだけど、あまりよくないのが毎日少量を飲むってことなんだ。
というより毎日飲むと、必然的に飲む量って多くなるんだ。
これはアルコールって依存的な部分もあるし、判断力を鈍らせることもある。
だから週に数日はお酒を飲まない日を作る。
体のために、これだけはやってね。
まとめ
今回は肝臓について詳しく解説してきたよ。
・肝臓の機能は解毒、代謝、貯蓄、胆汁生成、分泌
・血液検査の色々な項目で検査出来る
・値を改善するには肝臓の負担を減らす
・休肝日を作ることが大切
こういった内容だったね。
肝臓は僕たちのために頑張ってくれている。
だけどその肝臓を傷つけているのも、また僕たちなんだよね。
肝臓のためにいきなりすごいことをやろうとしても挫折してしまう。
だからちょっとずつやっていって欲しいな。
まずは休肝日!
そうやっていくことで、ちょっとずつ肝臓をいたわっていったあげてね。
今日は重要な肝臓の話でした。
●関連記事




コメント