
こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。
今回は完全左脚ブロックについて解説をしていくよ。
この完全左脚ブロックの波形として特徴的なのは『ノッチ』というものだよ。
このノッチがなぜ出るのかも含めて
- 完全左脚ブロックとは?
- 波形が出る理由
こういった内容で解説をしていくね。
完全左客ブロックとは
まずは完全左脚ブロックがどんな状態なのかを解説していくね。
ちなみに完全左脚ブロックの英語は、分かるかな?
略語とか英語って働いていると頻繁に出るから、覚えておいてね。
完全左脚ブロックの略語は『CLBBB』になるよ。
これを略さずにいうと
complete-left-bundle-branch-block
ちなみに完全右脚ブロックはleftとrightが違うだけだから、2つともしっかり覚えてね。
CLBBBの状態
このCLBBBって、どんな状態になっているのかというと。

重要なのは刺激伝導系なんだけど覚えているかな。
心電図の話をするときは、毎回出しているから分かっている人は飛ばしてね。

これが刺激伝導系だね。
CLBBBは、この中の左脚が完全にブロックされている状態のことを言うよ。
ちなみに左脚は画像のように2本あるよね。
これは前枝と後枝というものに分かれているよ。
これのどっちか1つがブロックされていることをヘミブロックと言うんだ。
ちなみに…
こんな状態になっているよ。
CLBBBは、この前枝と後枝の大本となる部分がブロックされている状態だよ。
CLBBBの波形の解説
次はブロックされることによって、どんな波形が見られるかを話していくね。
CLBBBでは、基本的にはQRSは0.20秒以上のwideQRSとなるよ。
あとはV6でノッチという、特徴的な波形を認めることができるんだ。
こんな波形だね。

どうしてこういう波形ができるかを、ブロックされている伝導と波形のでき方から見ていくよ。
CLBBBでノッチが出る理由
まず最初の陽性波についてだね。

中隔部分の興奮は基本的に左室側から右室側に伝わる。
だけど左脚がブロックされているから右側から始まるね。
そのためV6でみると、陽性の波が出てくるということだね。

その次は陰性波が見られる。
これは左室側がブロックされていて刺激が伝わらないうちに、右室側には伝導が伝わっていく。
でもこれって本来大きな陰性波が出るはずなんだ。
この後に左室側にも刺激が伝わっていく。
だからこれって一部を見ている状態になるよ。

左脚がブロックされているから左室側に通常の伝導が伝わることはできないよね。
だけど心筋には隣の心筋を刺激するという機能がある。
この機能によって、右室側から順に左室側に刺激が伝わるよ。
だから上で話した
- 右室側の刺激による陰性波
- 左室側に伝わる刺激による陽性波
この2つが重なって、こんな形の波形になりわけだね。
この部分を『ノッチ』と言っています。
ちなみにこんな感じでQRSがwideになっているものが完全左脚ブロックだよ。
同じ形になっていてもQRS幅が0.10〜0.12秒の間に入っているものを不完全左脚ブロックと呼んでいるよ。
まとめ
ということで今回はCLBBBについて解説をしたよ。
まとめておくね。
・左脚というのは前枝と後枝があって片方がブロックされている状態をヘミブロックと言っている
・CLBBBではwideQRSとV6でノッチを認める
・ノッチの見える理由としては通常の伝導波形と心筋特有の刺激による波形が重なるため
・QRSの幅によって完全と不完全がある
という感じだったね。
左脚ブロックになっている場合は、もしかしたら何か疾患が隠れている場合もあるんだ。
例えば虚血性の疾患や肥大型心筋症などだね。
その左脚ブロックが新たに出てきたのか、それとも以前からずっと続いているものか。
そういう患者さんの背景も、しっかり考えることが重要になるよ。
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基本波形については、ここでまとめてあるよ。

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