血液検査のBUN(尿素窒素)とは?基準値と高値・低値の原因、クレアチニンとの違いを解説

血液検査
ぴぃすけ
ぴぃすけ

こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。

今回は血液検査のBUN(尿素窒素)について解説していくね。

健康診断や病院で血液検査をすると、BUNという項目を見かけることがあるよね。

これは腎臓の検査として使われるんだけど、BUNが高いからといって、必ず腎臓そのものに問題があるとは限らないんだ。

実は、脱水や食事などでも数値が変わることがあるよ。

ここでは

  • BUNが何を測っている検査なのか
  • 数値が高い・低い原因
  • 腎臓の検査のクレアチニンとの違い

こういった内容を分かりやすく解説していくね。

BUN(尿素窒素)とは?

まずは「BUNって何を測っているの?」というところから見ていこう。

BUNはBlood Urea Nitrogenの略で、日本語では「血中尿素窒素」と呼ばれているよ。

名前だけでは少し分かりにくいけど、体の中でたんぱく質が使われたあとにできる老廃物と関係している検査なんだ。

BUNはたんぱく質からできる老廃物

僕たちは肉や魚、卵、大豆製品など、いろいろな食品からたんぱく質を摂っているよね。

このたんぱく質は体の中でアミノ酸に分解されて、筋肉や臓器など体を作るために利用されるよ。

それでアミノ酸がさらに分解される過程で、窒素を含んだ物質が生じるんだ。

ただこれは、そのままでは体にとって扱いにくいため、主に肝臓で尿素という形に変えられるよ。

お姉さん
お姉さん

じゃあBUNは、その尿素の量を測っているってこと?

ぴぃすけ
ぴぃすけ

もう少し正確にいうと、血液中にある尿素の「窒素の部分」を測っているんだよ。

たんぱく質
↓
アミノ酸に分解されて体で利用される
↓
分解の過程で出た窒素を含む物質から肝臓で尿素が作られる
↓
血液で腎臓へ運ばれる
↓
尿として体の外へ排出される

簡単に言うと、BUNはたんぱく質が使われたあとにできる老廃物と関係した数値なんだ。

BUNで腎臓の状態を見る理由

腎臓に運ばれることは分かったけど、どうしてこれが腎臓の検査として使えるか分かるかな?

お姉さん
お姉さん

運ばれたあとに…。
えっと、どういうことだ?

ぴぃすけ
ぴぃすけ

ポイントになるのが、作られた尿素が最終的にどうやって体の外へ出ていくかなんだ。

尿素は血液によって腎臓まで運ばれて、腎臓を通して尿の中へ排出されていくよ。

だけど仮に腎臓の働きが低下して十分に排出できなくなると、尿素が血液中にたまりやすくなるんだ。

その結果、BUNが高くなることがあるよ。

と考えると分かりやすいね。

BUNの基準値はどのくらい?

BUNが何なのか分かったところで、次に気になるのが「どのくらいなら正常なの?」というところだよね。

BUNの共用基準範囲としては、8~22mg/dLがひとつの目安になるよ。

BUN(血中尿素窒素)の基準範囲:8~22mg/dL

ただし、検査の基準範囲は医療機関や検査施設によって少し違うことがあるから注意してね。

自分の検査結果を見るときには、まず結果用紙に書かれている基準範囲を確認してね。

お姉さん
お姉さん

これって基準値を少しでも超えていたら、腎臓が悪いってこと?

ぴぃすけ
ぴぃすけ

そうとは限らないよ。BUNは腎臓以外の影響でも変わるから、BUNだけで病気を判断する検査ではないよ。

BUNが高くなる原因

そうしたら次は、BUNが高くなる原因を見ていこう。

腎臓の検査だから「BUNが高い=腎臓が悪い」と考えたくなるけど、実際にはいろいろな理由で高くなるんだ。

大きく考えると、

  • 腎臓から尿素を排出しにくくなる
  • 体の水分が少なくなる
  • 体内で作られる尿素が増える

こういった状態でBUNが高くなることがあるよ。

腎機能が低下するとBUNが上がる

まずは腎臓そのものの働きが低下している場合だね。

尿素は腎臓から尿として排出されるから、腎機能が低下すると血液中に尿素が残りやすくなるよね。

だから、

  • 腎機能障害
  • 腎不全

こういったときにはBUNが高くなることがあるよ。

あと、腎臓で尿が作られていても、その先にある尿の通り道が詰まってしまうと十分に排出できなくなることがある。

たとえば尿管などが閉塞して尿を出しにくくなっている場合でも、BUNが高くなることがあるよ。

BUN高値では、「尿素をしっかり体の外へ出せているか」がひとつのポイントになるんだ。

脱水でもBUNは高くなる

あとBUNを見るときに、ぜひ知っておいてほしいのが脱水なんだ。

たとえば、

  • 暑い日にたくさん汗をかいた
  • 水分をあまり取れていなかった
  • 下痢が続いた
  • 嘔吐が続いた

こういった状態では体内の水分が減って、BUNが高くなることがあるよ。

お姉さん
お姉さん

腎臓に病気がなくても、脱水だけで高くなることがあるんだね。

ぴぃすけ
ぴぃすけ

そうだね。だからBUNだけを見て「腎臓が悪い」と決めることはできないんだ。

脱水では腎臓へ流れる血液量が減ったり、尿素が血液中に残りやすくなったりすることでBUNが上昇することがあるんだ。

血液検査を受けたときの体調も、数値を見るうえでは大切ということだね。

食事や体の状態でも高くなることがある

BUNはたんぱく質の代謝と関係する検査だから、食事の影響を受けることもあるよ。

たんぱく質を多く摂ると、体の中で処理されるたんぱく質も増えるよね。

その結果、作られる尿素が増えてBUNが高くなることがあるんだ。

他にも、消化管出血でもBUNが高くなることがあるよ。

お姉さん
お姉さん

出血なのに、なんでたんぱく質の話と関係するの?

ぴぃすけ
ぴぃすけ

血液の中にもたんぱく質が含まれているからだね。胃や腸で出血した血液が消化・吸収されると、尿素が増えてBUNが高くなることがあるよ。

BUNが高くなる主な原因

  • 腎機能の低下
  • 尿の通り道の閉塞
  • 脱水
  • 高たんぱく食
  • 消化管出血など

こんな感じで、BUNは腎臓だけではなく食事やその日の体調などでも変化する数値なんだ。

BUNが低くなる原因

BUNは高くなるだけではなく、基準値より低くなることもあるよ。

お姉さん
お姉さん

でもここまでの話だと低いのは、あまり問題じゃない感じ?

ぴぃすけ
ぴぃすけ

確かに高値ほど注目されることは多くないけど、「低ければ何でもOK」というわけではないよ。

どういったときにBUNが低くなるのかを簡単に見ていくね。

たんぱく質の摂取量が少ない

BUNはたんぱく質の代謝によって作られる尿素と関係していたよね。

そのため、食事から摂るたんぱく質が少ない場合には、作られる尿素も少なくなってBUNが低くなることがあるよ。

栄養状態が悪く、十分なたんぱく質を摂れていない場合などでも低値になることがあるんだ。

肝臓の機能や水分量も関係する

もうひとつ覚えておきたいのが肝臓だね。

最初に説明したように、尿素は主に肝臓で作られているよ。

そのため、肝臓の機能が大きく低下して尿素を十分に作れなくなると、BUNが低くなることがあるんだ。

また、体の中の水分量が多くなって血液が薄まるような状態でも、BUNが低くなることがあるよ。

BUNが低くなる原因には、たんぱく質の摂取不足、栄養状態、重い肝機能低下、水分量の増加などがあるよ。

低値の場合も、BUNだけを見るのではなく他の検査や体の状態と合わせて考えることが大切だよ。

BUNとクレアチニンは何が違う?

次は腎臓の検査として行うクレアチニンとの違いを解説していくね。

血液検査を見ると、BUNの近くにクレアチニン(Cr)という検査が書かれていることが多いんだ。

これは、どちらも腎機能を見るときによく使われる検査だけど、同じものを測っているわけではないんだ。

一番分かりやすい違いは、老廃物が何から作られるかだよ。

BUNはたんぱく質、クレアチニンは筋肉と関係

BUNは、ここまで解説してきたようにたんぱく質の代謝と関係しているよ。

たんぱく質が体の中で使われたあとに尿素が作られて、その尿素に含まれる窒素を測ったものがBUNだったね。

一方でクレアチニンは、主に筋肉でエネルギーを使う過程で生じる老廃物なんだ。

お姉さん
お姉さん

どっちも最終的には腎臓から出ていくけど、作られる場所が違うんだね。

ぴぃすけ
ぴぃすけ

そうだね。BUNはたんぱく質、クレアチニンは筋肉と関係していると覚えると分かりやすいよ。

BUN:たんぱく質の代謝から生じる尿素と関係

クレアチニン:主に筋肉で生じる老廃物と関係

クレアチニンも血液によって腎臓へ運ばれ、尿として排出されるから腎機能を調べるときに使われるよ。

ただ注意としては、クレアチニンは筋肉量の影響を受けるから、同じ腎機能でも筋肉量によって数値に違いが出ることがあるよ。

だから腎臓の状態を調べるときには、

  • BUNだけ
  • クレアチニンだけ

こういった感じで何かだけではなく、いくつかの検査を合わせて確認していくんだ。

BUNが高かったらどうすればいい?

最後は、健康診断や血液検査でBUNに「H」が付いていた場合に、どう見ればいいのかを話していくね。

まず覚えておいてほしいのは、BUNだけを見て腎臓の状態を判断しないということなんだ。

腎臓について確認するときには、特に次の検査を一緒に見てほしいんだ。

  • クレアチニン
  • eGFR
  • 尿検査
  • 過去のBUNとの変化

クレアチニンは、さっき話したように腎臓から排出される老廃物で、腎機能を見るためによく使われる検査だよ。

そして、そのクレアチニンや年齢・性別などを使って腎臓のろ過能力を推算したものがeGFRなんだ。

eGFRを見ることで、腎臓がどのくらい血液をろ過する能力を持っているのかを確認する目安になるよ。

お姉さん
お姉さん

血液検査だけじゃなくて、尿検査も見るの?

ぴぃすけ
ぴぃすけ

そうだよ。尿蛋白や尿潜血など、尿検査から分かることもあるから、腎臓を見るときには大切な情報になるんだ。

そしてもうひとつ大切なのが、過去の検査結果と比べることだね。

以前から同じくらいの値なのか、それとも今回急にBUNが上がったのかでは、検査結果の受け止め方も変わってくるよ。

BUNが高かったら、BUNだけではなく「クレアチニン」「eGFR」「尿検査」「過去の結果」を一緒に確認してみよう。

さらにBUNは脱水や食事の影響も受けるから、

  • 検査前に水分が十分取れていたか
  • 下痢や嘔吐はなかったか
  • 普段よりたんぱく質を多く摂っていなかったか

なども参考になるよ。

「BUNが高いから腎臓病だ」とひとつの数値だけで判断するのではなく、ほかの検査と合わせて全体を見ることが大切なんだよ。

BUNの異常が続いている、クレアチニンやeGFR、尿検査にも異常がある、検査結果について気になることがある場合は医療機関で相談してね。

まとめ

今回は血液検査のBUN(尿素窒素)についてまとめてきたよ。

・BUNは血液中の尿素に含まれる窒素を測る検査

・尿素はたんぱく質の代謝と関係している

・尿素は腎臓から尿として排出されるため、BUNは腎機能の評価に使われる

・腎機能低下だけでなく、脱水、高たんぱく食、消化管出血などでも高くなることがある

・低値にはたんぱく質の摂取量、栄養状態、肝機能、水分量などが関係することがある

・BUNだけで腎臓の状態を判断することはできない

・クレアチニン、eGFR、尿検査、過去の結果などと合わせて確認することが大切

BUNは腎臓の検査としてよく使われるけど、腎臓以外の影響も受ける検査なんだ。

特に脱水や食事によって変化することもあるから、少し基準値を外れただけで「腎臓が悪い」と決めつけないようにしてね。

検査結果を見るときはBUNだけではなく、クレアチニンやeGFR、尿検査、これまでの検査結果なども一緒に確認することが大切だよ。

検査結果で気になることがあれば、自分だけで判断せず医療機関で相談してね。


腎臓の検査のeGFRとは?GFRとの違いやCKDの関係をやさしく解説
腎臓の検査項目「eGFR」って知ってる?実は腎臓の健康状態を知る大切な数値なんだ。GFRとの違いや基準値、低いときに考えられる病気まで、わかりやすく解説するよ。
血液検査のクレアチニンとは?基準値と高い・低い原因を臨床検査技師が解説
血液検査のクレアチニンとは何か、基準値や高い・低い原因、腎臓との関係、eGFRとの違いを臨床検査技師が一般向けに分かりやすく解説していくよ。

コメント