
こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。
今回は血液検査のChE(コリンエステラーゼ)について解説していくね。
健康診断や病院の血液検査で「ChE」という項目を見ても、何を調べているのか分からない人も多いと思うんだ。
簡単に言うとChEは肝機能を確認する検査のひとつなんだけど、ASTやALTとは数値が変化する仕組みが少し違うんだよ。
ここでは
- ChEがどんな検査なのか
- 基準値
- 高い・低いときに考えられること
- ASTやALTとの違い
まで順番に解説していくね。
血液検査のChE(コリンエステラーゼ)とは?

まずはChEが何を調べている検査なのかから見ていくね。
ChEはコリンエステラーゼという酵素のことで、血液検査では主に肝臓で作られて血液中に出てくるコリンエステラーゼを測定しているんだ。

肝臓で作られているなら、肝臓の検査に使えるってこと?

そうなんだ。肝臓がChEを作る力が保っているかを見る手がかりになるんだよ。
肝臓って、体に必要なたくさんの物質を作る働きがあるよね。
ChEもそのひとつだから、肝臓の働きが大きく低下してChEを十分に作れなくなると、血液中のChEも低くなることがあるんだ。
だから簡単にいうと、ChEは肝臓の合成する力を見る検査のひとつと考えると分かりやすいよ。
ChE(コリンエステラーゼ)の基準値

次はChEの基準値を見ていくね。
血液検査の結果を受け取ったときには、自分の数値が基準範囲に入っているか気になるよね。
ただし、ここは少し注意が必要なんだ。

この範囲に入っていれば大丈夫ってこと?

基準範囲はひとつの目安だけど、ChEだけを見て肝臓に問題がないとは判断できないよ。
というのも、ChEは肝臓以外にも栄養状態や体質などの影響を受けたりするんだ。
だから肝臓の状態を見るときはASTやALTなど他の検査も合わせて判断する必要があるよ。
あと、基準値は測定方法や検査施設によって異なる場合があるから注意してね。
ChEが低いときに考えられる原因

それでこのChEの特徴が分かりやすく出るのが、数値が低くなったときなんだ。
主に肝臓で作られているため、肝臓の合成する力が低下するとChEも低くなることがあるよ。
ただChEが低い原因は肝臓だけではないから、代表的なものを分けて見ていくね。
肝臓でChEを作る力が低下している
まず考えられるのが、肝臓そのものの働きが低下している場合だね。
たとえば慢性的な肝障害が進んだ場合や肝硬変などで、正常に働ける肝細胞が減って、ChEを十分に作れなくなることがあるんだ。
その結果として、血液中のChEが低くなることがあるよ。

肝臓が悪くなると数値って高くなるイメージだったけど、ChEは低くなるの?

そこがChEの大切なところなんだ。ASTやALTとは数値が変わる理由が違うんだよ。
この違いについては、あとでAST・ALTと比較しながら詳しく説明するね。
低栄養でもChEは低くなることがある
もうひとつ覚えておきたいのが、ChEが低い=肝臓の病気ではないということだよ。
ChEは栄養状態の影響も受けるから、十分な栄養をとれていない状態などで低下することがあるんだ。
同じように肝臓で作られるものとして、血液検査ではアルブミンという項目もあるよ。
有機リン中毒や生まれつき低い場合もある
少し特殊な例だけど、ChEは有機リン中毒でも低下することが知られているよ。
有機リンは一部の農薬などに使われている物質で、体の中のコリンエステラーゼの働きを強く抑えてしまうんだ。
そのため有機リンへの曝露が疑われる場合には、ChEが検査の手がかりとして使われることがあるよ。
さらに、まれだけど遺伝的に血液中のChEが低い人もいるんだ。
ChEが高いときに考えられる原因

今度は反対に、ChEが高くなる場合を見ていくね。
ChEが高値になる状態としては、たとえば次のようなものが知られているよ。
- 脂肪肝
- 肥満や脂質異常症
- 糖尿病などの代謝異常
- ネフローゼ症候群
- 甲状腺機能亢進症など

ちょっと待って。脂肪肝って肝臓の病気なのに、ChEが高くなることがあるの?

そうなんだ。ここはChEを理解するときに少しややこしいところだね。
肝硬変のように肝臓の合成する力が大きく低下した状態ではChEは低くなりやすい。
一方で、脂肪肝や肥満、糖尿病などではChEが高くなることがあるんだ。
こういった状態では、インスリンが効きにくくなる「インスリン抵抗性」や脂質代謝の変化が起こりやすいんだ。
そうすると脂肪組織から肝臓へ流れ込む脂肪酸が増えたりして、肝臓の代謝も変化。
結果としてChEを作る量が増えることが関係していると考えられているんだ。
だから、肝臓の病気だからといってChEが必ず低くなるわけではなくて、脂肪肝のような状態では逆に高くなることもあるんだよ。
つまり、ChEは「高いからOK」とか「低いほど肝臓が悪い」と判断できる検査ではないってことなんだ。
高値だった場合にも、他の検査値や体の状態と合わせて原因を考えていく必要があるよ。
ChEとAST・ALTは何が違う?

ここまで読んでASTやALTを知っている人だと
「同じ肝臓の検査なのに、どうしてAST・ALTは高いと問題で、ChEは低くなることがあるの?」
と思った人もいるよね。

私がさっき疑問に思ったところだね。

そうだね。これは血液中を変化する仕組みが関係しているんだ。
この違いを知っておくと、肝機能検査がかなり分かりやすくなるよ。
AST・ALTは肝細胞のダメージを見る手がかり
ASTやALTは、もともと細胞の中に存在している酵素なんだ。
特にALTは肝臓に多く、肝細胞が傷つくと細胞の中にあったALTなどが血液中へ出てきて数値が高くなるよ。
そのためAST・ALTは、肝細胞にダメージが起きていないかを見る手がかりとして使われるんだ。
ChEは肝臓が作る力を見る手がかり
だけどChEは考え方が違うよ。
ChEは肝臓で作られて血液中に出てくるものだから、肝臓の合成する力が低下すると血液中のChEも低くなることがあるんだ。

AST・ALTは壊れたときに出てくるから上がって、ChEは作れなくなるから下がるってイメージ?

そうそう。大まかにはそう考えると違いが分かりやすいよ。
もちろん実際の肝臓の状態はもっと複雑だけど、まずはこの違いを知っておくと血液検査を理解しやすいよ。
ChEだけで肝臓の状態は判断できない

最後に、検査結果を見るうえで一番大切なところを話しておくね。
ChEは肝臓の状態を知るために役立つ検査だけど、ChEだけで病気を診断することはできないんだ。

ChEが低かったら「肝硬変かも」って考えるのは早いってことだね。

その通りだよ。低値になる原因はひとつじゃないからね。
肝臓の状態を確認するときには、ChEだけではなく、たとえば次のような検査を合わせて見ていくよ。
- AST・ALT
- γ-GTP
- ALP
- ビリルビン
- アルブミン
- 血小板
必要に応じて腹部エコーなどの画像検査や、その他の検査結果も合わせて判断していくんだ。
他にも、ChEは栄養状態や腎臓の病気、代謝の状態、遺伝的な体質などでも変化することがあるよ。
だから健康診断などでChEに異常があった場合には、数値だけを見て自己判断せず、必要に応じて医療機関で相談してね。
まとめ

今回は血液検査のChE(コリンエステラーゼ)についてまとめてきたよ。
・ChEは主に肝臓で作られる酵素
・肝臓の「作る力」を知る手がかりになる検査
・肝硬変などで肝臓の合成する力が低下するとChEも低くなることがある
・低栄養、有機リン中毒、遺伝的な体質などでも低値になることがある
・脂肪肝、肥満、糖尿病、ネフローゼ症候群などでは高値になることがある
・ASTやALTとは数値が変化する仕組みが違う
・ChEだけで病気を判断することはできない
ChEは「肝機能検査」の中に入っていることが多いけど、ASTやALTと同じように考えると少し分かりにくい検査なんだ。
ASTやALTは肝細胞へのダメージを見る手がかりで、ChEは肝臓が物質を作る力を見る手がかり。
この違いを知っておくと、なぜ肝臓の病気なのにChEが低くなることがあるのかも理解しやすくなるよ。
ただしChEは肝臓以外の影響でも変化するから、検査結果を見るときには他の項目も合わせて確認してね。
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