【図解付き】尿検査でウロビリノーゲンはなぜプラス?マイナスや2+になる原因は?

検査
ぴぃすけ
ぴぃすけ

こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。

先日お姉さんにこんな質問をされたんだ。

お姉さん
お姉さん

尿検査のウロビリノーゲンってどうして(±)なの?

尿検査って他の検査ってプラスになると異常があるっていうものが多いよね。

だけどこのウロビリノーゲンだけはプラスマイナスで少しでているのが正常なんだ。

これってどうしてだと思う?

実はマイナスの場合は出ない原因があるということなんだ。

今日はそんなウロビリノーゲンについて話をしていくね!

ウロビリノーゲンとは?

最初にウロビリノーゲンってどんなものなのかについて話していくよ。

●ウロビリノーゲンとは?

簡単に言うと赤血球が壊れることによって、できた物質。

それがいろいろな部分を通って尿中にでてくるんだよ。

ウロビリノーゲンはちょっと難しいから図にしてまとめておいたよ。

赤血球が壊れると肝臓でビリルビンになって、それが腸内細菌によってウロビリノーゲンになる。

このウロビリノーゲンの一部は、静脈を通って肝臓に戻る。

それ以外にも腎臓を通って尿中にも排出されるものもある。

こういう経路を通って尿中にウロビリノーゲンが排出されているってことだね!

ちなみに間接とか直接というのはこういう理由だよ!

●間接と直接の違い

間接ビリルビン
→非抱合型ビリルビンとも言って、肝臓で処理される『前』のビリルビン

直接ビリルビン
→抱合型ビリルビンとも言って、肝臓で処理された『後』のビリルビン

尿検査のウロビリノーゲンはマイナスでもダメ

ウロビリノーゲンの基準値は…

●ウロビリノーゲンの基準値

ウロビリノーゲン:(±)

尿検査の項目ってマイナスが基準値のものが多いけど、これはマイナスじゃないから気をつけてね。

これがどうしてなのかというと…

上の図でも書いているようにウロビリノーゲンは、赤血球が壊れてできたビリルビンによるものだからだよ。

お姉さん
お姉さん

赤血球が壊れるって、なんで?

赤血球っていうのは寿命があるから必ず壊れているものなんだ。

ちなみにだいたい寿命は120日前後と言われていて、毎日作られているんだよ!

だからウロビリノーゲンが尿中にでていないということは何かしらの『出ない原因がある』ということなんだよ。

ぴぃすけ
ぴぃすけ

この出ない原因を考えるのが重要ってことだね。

この図を見てほしんだけど…

さっきの図だね。

もしこの経路の中で胆嚢にいくための経路が詰まっちゃったらどうなると思う?

ビリルビンが腸に行かない。

ということは、ウロビリノーゲンが作られない。

結果としてウロビリノーゲンが尿中に排出されてこないよね。

こんな感じで胆嚢へ行く胆管が閉塞などの場合はウロビリノーゲンが陰性になるんだよ。

だから尿中のウロビリノーゲンが陰性になってしまうということ。

ウロビリノーゲンが出ないということは、こうやってどこかに原因があるんだ。

とは言っても、それが全部病気というわけではないから注意だよ。

これも陰性になる

ただ陰性になったからといって、絶対に何か病気があるというものではないんだ。

例えば病院で採尿をしていなくて、家で採ってきた尿を検査したりするとウロビリノーゲンはマイナスになることがあるんだよ。

というのも…

ウロビリノーゲンは体の外に出ると酸化してウロビリンというものになる

この物質になるとウロビリノーゲンはプラスになることはないんだよ。

だからウロビリノーゲンを検査する時には病院で採って早く検査をするよ。

基本的に家で採尿する場合には、それを考えてくれているから安心してね。

腸内細菌の原因も

あとは腸内環境の問題もあったりするよ。

腸内細菌によってビリルビンがウロビリノーゲンになるよね。

だから腸内細菌が死んでしまっていたり、極端に活動が低下していたりするとウロビリノーゲンがうまく作られないんだ。

この場合もウロビリノーゲンはマイナスとなってしまうんだ。

これってその時の体調や食生活でも変わってくるんだ。

一度の検査で判別するというよりは再検査や他の検査の結果をみてしっかり判断していくよ。

陽性の場合に考えること

お姉さん
お姉さん

じゃあウロビリノーゲンは出ていれば大丈夫ってこと?

ぴぃすけ
ぴぃすけ

実はそういうわけでもないのが難しいところなんだよね。

次はウロビリノーゲンが2+とか3+になった場合に考える病気について話していくよ。

●ウロビリノーゲンが増える場合

  • 肝臓の障害でビリルビンが多くなりウロビリノーゲンも多くなる
  • 溶血性貧血などの状態で赤血球が多く壊れるとビリルビンが増えてウロビリノーゲンも多くなる

こうやって、そもそもビリルビンが増えると、尿中のウロビリノーゲンが2+とか3+になっていくんだ。

ちなみ血液中のビリルビンや便中のウロビリノーゲンなどと一緒に考えていくと原因がわかっていくよ。

ウロビリノーゲンの見分け方

見分けるためにはこの6つの項目を考える必要があるんだ。

  • 血液中のビリルビン
  • 血液中のウロビリノーゲン
  • 尿中のビリルビン
  • 尿中のウロビリノーゲン
  • 便中のビリルビン
  • 便中のウロビリノーゲン

ちょっと難しいから、表にまとめておいたよ。

閉塞が原因肝臓に障害溶血の原因

ビリルビン++(直接型)++(直接型)

++(間接型)

++(間接型)
ウロビリノーゲン++++
尿ビリルビン++++
ウロビリノーゲン++++
便ビリルビン
ウロビリノーゲン+++

まとめ

今日はウロビリノーゲンについて話をしてきたよ。

・ウロビリノーゲンの基準値は(±)

・陰性になることも異常

・病気以外の原因でも陰性になることがある

・陽性が強い時には肝臓の障害かもしくは赤血球が多く壊れている

・どこに何がでているかでおおよその鑑別ができる

なんてことがわかったね。

ちょっと難しい話だったけど、1つずつ理解していってね。

ウロビリノーゲンは一度の検査では病気を判別することができないことも話をしたと思うんだ。

だから再検査をしたり、他の検査の結果を確認して病気なのかどうかを判断していくことが大切になるんだ。

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