
こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。
尿検査の項目の中にケトン体という検査項目があるのは見たことある?
実は僕はこのケトン体が一度陽性に出てしまったことがあったんだ。
その時は特に再検査とかも受けないでなんにもしなかったんだけど、あれって〇〇が原因だったんだね。
そんな内容を含めて
- ケトン体とは何?
- ケトン体の基準値
- 陽性で考えること
こういった内容を解説していくね。
ケトン体とは?
まず最初にケトン体っていったいどういうものなのかっていう話からしていくね。
実はケトン体っていうのは『ケトン体』というものがあるわけではないんだ。

どういうこと?

ある3つを総称してケトン体って言うんだよ。
ケトン体っていうのは

次はこのケトン体がどうやって作られているかを話すね。
ケトン体は脂肪をエネルギーとして使った時に作られるものになるよ。
基本的にエネルギーとして使われるのは『糖』だよね。
でもそれがうまくいかない時や使えない時なんかに脂肪をエネルギーとして利用するんだ。
体のエネルギー変換は『糖→脂肪』ということだね。
これを知ると、ダイエットでなんで脂肪が減らないのかがなんとなくわかるね。
ケトン体の基準値は?
このケトン体は健康な人でも、尿中に1日40〜50mg排出されているよ。
ただ尿検査で行っている試験紙法ではこの量では反応しないから、基準値は陰性となっているんだ。
だから何かしらの原因でケトン体が出てきてしまうと異常という判断になるよ。
この理由としては、たくさん作られてしまっているということなんだ。
次はどうしてケトン体が増えてしまったのかを考えていくよ。
なぜケトン体が陽性になる?

ケトン体が陽性になってしまった時に考えることとしては1つだよ。
『ケトン体がたくさん作られてしまっている』
この原因が何かを考えていくんだ。
これはケトン体がどうやってできるかを考えるといいね。
ケトン体はどうやってできるか覚えている?

脂肪をエネルギーとして使った時だよね。
この理由を考えればいいんだ。
どうして脂肪をエネルギーとして使うのか?
これは『糖』をエネルギーとして使えない状態だからだったね。
これがどういう状態かというと
- 糖が体に少ない
- 糖がうまく使えない
この2つが理由になるよ。
糖が体に少ない
まず体に少ないという方から話をしていくね。
これがどういう状態かというと、簡単に言ってしまうと『栄養失調』ということだね。
糖質は食事から摂るから、それが何か理由があって摂れていない場合には糖が少なくなるよね。
だから結果として脂肪を使ってエネルギーを作るようになるんだ。
脂肪を使えればいいじゃん!って思うかもしれないね。
でもケトン体が体に増えすぎるとケトアシドーシスというものになるんだ。
この状態になると吐き気なんかの症状がでてくることがあるよ。
だからこの状態になることは良いこととは言えないよね。
あとはケトン体が体に増えてくると、独特の臭いがでてくるんだ。
だからいつもの尿と違う臭いがしたり口臭がおかしくなる場合があるよ。
糖がうまく使えない
次は糖がうまく使えない時についての話をしていくね。
糖がうまく使えないというのは体の中に糖があるんだけど、その糖をエネルギーに変換できない状態になるね。

糖をエネルギーに変えるためにはインスリンが必要なんだ。
このインスリンが不足していたら糖を使うことはできないんだ。
じゃあどういった時にインスリンが不足するかというと…
病気としては、糖尿病になるよ。
ただ糖尿病の90%は、このインスリンには依存していないものになるんだ。
インスリンに依存型の糖尿病は、このケトン体をしっかり診ていくってことだね。
だからケトン体って、糖尿病の検査の1つでもあるってことだよ。
実は健康でも出ることもある
最後は僕がどうしてケトン体が出てしまっていたの話をするよ。
僕は特に糖質制限をやっていたわけでもないし、糖尿病でもないんだ。
だけどケトン体が陽性になってしまったわけ。

これどうしてだと思う?

うーん、さっきの話から考えると、体から糖が少なくなってしまったということだよね。
ちょっと難しいね。
今回僕のケトン体が上がってしまったのは実はこんな理由があったんだ。
『激しい運動』
ケトン体は脂質をエネルギーに変える時に作られてしまうという話だったよね。
すごい運動をして糖だけじゃエネルギーを作るのに足りなくなった場合は、脂質からもエネルギーを作られるんだ。
ダイエットをして脂肪を減らすということは、間接的にケトン体が作られているということだもんね。

だから激しい運動をすると、結果としてケトン体が尿中にでてくることもあるんだよ。
あとは糖質制限とか極端な食事制限なんかでもケトン体がでてきてしまうんだよ。
僕の場合はちょっと太り気味でランニングを始めた時だったんだ。
健康診断の時に太っていたらかっこ悪いからね。
ただその結果としてケトン体が陽性になっちゃったんだよね。
まとめ
今回は尿検査の中のケトン体というものについて話をしてきたよ。
結構難しかったと思うから、ポイントをまとめておくね。
・ケトン体はアセト酢酸、アセトン、β-ヒドロキシ酪酸の総称
・ケトン体は脂肪をエネルギーに変えた時に作られるため健康な人でも少量でている
・ケトン体が体に多い状態をケトーシス、それによって血液が酸性になることをケトアシドーシスという
・ケトン体が作られるといことは糖をエネルギーにできない状態
・激しい運動や食事制限でも尿中にケトン体が出ることがある
・ケトン体が体に増えると独特の臭いがある
こんな感じかな。
ケトン体は健康な人でも陽性になることがあるけど、糖尿病の場合はかなり重要な検査になるよ。
しかも体に増えてくると自覚症状もあるから何かあったらすぐにお医者さんに相談してね。
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