
こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。
今日は微生物の検査についての話になるよ。
ちょっとウイルスの話もなってきちゃうんだけどね。
細かくいうと、ウイルスは微生物ではないんだ。
でも日常で行われる検査ではウイルスを検査することも多いから一緒に話をしていくよ。
微生物っていうのは目には見えない生物なんだけど病気の原因になったりするんだ。
よく聞く言葉だと『細菌』の方が分かりやすいかな。
そんな目に見えない微生物(細菌)をどうやって検査していくかを話していくね。
微生物検査ってどんな検査
微生物検査っていうのは…
微生物(細菌)によって感染を受けた臓器の分泌液や血液とかから、病気の原因となっている微生物を見つけ出す検査のことだよ。
こういうのを感染症にかかるっていうね。

感染症って、そういことなのね。

うん。いわゆる風邪って言われるのはウイルスで、感染症が微生物って感じだよ。
感染症にかかってしまうと、熱が出てしまったり痛みなどの自覚症状が起こるんだ。
風邪と同じような症状が出てくるってことだね。
こんな時には血液中の白血球や血沈、炎症反応などで診断ができるんだ。

でもどうしてわざわざ細菌を検査するの?
これは病気や症状によっては、どの微生物が原因なのかがわからないと、治療が難しい場合があるんだ。
こんなときには、この微生物検査が重要な役割をするんだ。
ちなみに微生物によっては通常の染色ではなく特殊な染色をしたり、1週間ほど培養しないと、発見できないものもあるんだ。
異常があったらどうするの?
病気の原因となる微生物がわかったら、抗生物質による治療が行われていくんだ。

だから細菌検査をするんだね。

そうだね。細菌の種類によって抗生物質を変える必要がある場合もあるからね。

でも細菌検査をしないで抗生物質を処方されたこともあるけどなんで?
こういったことも多いと思うんだ。
これには2つの理由があるんだ。
- 時間がかかる
- 症状からある程度、原因の細菌を推測できる
こういった理由だね。
細菌検査は時間がかかるものもある。
検査をするとなると数日かかるのが、この細菌検査なんだ。
だから待っている間に症状が悪化したら問題だよね。
それで典型的な症状の場合には「この菌だよな」という予測が立つから、それに合わせて抗生物質を処方するということだね。
抗生物質の治療は自分の判断で中断してしまうと、治らないばかりじゃなく抗生物質の効かない耐性菌というものをつくる原因となってしまうんだ。
だからお医者さんの指示にきちんと従って治療を行なってね。
抗生物質については、ここでもっと詳しく解説しているよ。

細菌の検査方法はどういったものがあるの?
次は微生物(細菌)の検査方法にはどんな方法があるかをまとめていくよ。
- 顕微鏡検査
- 培養検査
- 同定検査・感受性検査
- 迅速検査
こんな感じだね。
一応流れとしては、
顕微鏡で「大まかな分類」
↓
培養して「菌を増やす」
↓
同定・感受性検査で「菌の名前と効く薬を特定」
こういった流れでやることが多いかな。
迅速検査はちょっと別だから後で話をするね。
●顕微鏡検査
検体を直接スライドガラスというものの上において顕微鏡で観察する検査だね。
例えば皮膚科だったら皮膚や爪なんかを確認することで水虫なんかを確認したりするね。
●培養検査
これは検体を培地に塗って培養と言って増やしてから検査をするんだ。
培地を一晩適切な温度や湿度の場所に置いておくと、微生物が増殖して培地上に集落(コロニー)というものを作るんだ。
微生物が集落を作るまでに早いものだと1〜3日なんだけど、遅いものは8週間くらいかかるものもあるんだ。
●同定検査・感受性検査
育てた微生物を使って、その微生物がいったいなんなのかを決めるのが同定検査というものだよ
そうやって微生物が分かったら、今度はどんな抗生物質が効くのかを調べるのが(薬剤)感受性検査っていうよ。
●迅速検査
おそらく検査の中で身近なのが、この迅速検査だね。

これってインフルエンザとか確認するやつ?

そうそう。
最初にも言ったようにウイルスは微生物じゃないけど、この迅速検査で微生物もそうだし、ウイルスも確認できるよ。
確認するのはこんな感じだよ。
- インフルエンザウイルス
- ノロウイルス
- ロタ・アデノウイルス
- RSウイルス
- クロストリジウム・ディフィシル毒素/抗原・A群溶血レンサ球菌抗原
- 尿中肺炎球菌莢膜抗原
- 尿中レジオネラ抗原
- クラミジアトラコマティス抗原
- マイコプラズマ抗体価

なんか難しいね。
培養検査は早くても1日かかってしまうけど、すぐに原因菌を調べる検査があるんだ。
それがこの迅速検査というものなんだ。
細菌培養検査と比べて簡単で、所要時間も1時間以内にできるものもあるよ。
まとめ
今日は微生物の検査について話をしたよ。
・検査をやる理由はどの微生物が原因なのかがわからないと、治療が難しい場合があるから
・微生物が分かったら抗生物質が処方される
・ただ時間がかかったり症状から予測が出来るから検査せずに処方されることもある
・顕微鏡→培養→同定・感受性という流れで検査が行われる
・迅速検査では微生物だけでなくウイルスも検査する
こういった内容だったね。
おそらくやったことのある検査で考えるとインフルエンザとかのウイルスの検査の方が多いかな。
培養検査だと少し時間がかかるんだけど、これをやることで治療計画とかも出すことができるから、とても重要な検査になるよ。
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病院でやっている検査で日常的に行われているものをまとめたよ。

コメント
健康系のウェブサイトを運営しており、ネットで調べものをしている時に拝見しました。
内容がとても分かりやすく、また、かわいいサイトですね。
とても勉強になります。