赤ちゃんにはちみつはいつから?あげてはいけない理由はあれだった!

気になる小話
ぴぃすけ
ぴぃすけ

こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。

のどが痛くて水を飲むのもつらい時に、はちみつが効くって聞いたことがある人も多いよね。

暖かい紅茶に少し溶かして飲んだり、はちみつの飴をなめたりすれば、ひりひり痛いのどがスーッと落ち着くみたい。

この『はちみつ』って赤ちゃんにはあげちゃダメって言われるよね。

大人は食べて大丈夫なのに、不思議だよね。

今日はそんなはちみつについての話だよ。

どうしてだめなのか、何歳から食べられるようになるのか、はちみつと赤ちゃんの関係について話していくよ!

どうして赤ちゃんははちみつを食べられない?

赤ちゃんにはちみつが禁止されている理由は、

っていう細菌にあるんだ。

この細菌はとても強い毒を出すうえに、かたい殻(芽胞:がほう)で身を守っているんだ。

しかもこの芽胞っていうのが、やっかいなんだ。

ボツリヌス菌は芽胞と呼ばれるかたい殻の中に閉じこもって過ごしていることが多い。

そして、この殻がすごく強い。

フライパンで焼いても、鍋で茹でても、芽胞の中の菌は元気に生き残れるって言われてるんだ。

お姉さん
お姉さん

なんかすごい菌だね。

ちなみにこのボツリヌス菌は自然の中にたくさんいる菌なんだ。

毎日食べている野菜や水なんかにも入っている可能性があるよ。

お姉さん
お姉さん

えっ、じゃあ私たちもボツリヌス菌を食べてるってこと?

ぴぃすけ
ぴぃすけ

そうだね。でも大人が多少食べても問題ないから安心して。

もしボツリヌス菌が体に入ってきても、大人なら腸で善玉菌(例えばビフィズス菌)や消化液、胃酸などが戦ってやっつけてくれる。

でも赤ちゃんが食べてしまうと、命の危険にさらされることも…。

腸の中の菌の数も少ないし抵抗力も弱い。だから、ボツリヌス菌がやっつけられずに暴れだしちゃうんだ

はちみつはハチが作り出す蜜だから、自然の中にあるもの。

だから菌が入ってしまうのは、起こってしまうことなんだ。

ボツリヌス菌が体に入ったらどうなる?

もし赤ちゃんがはちみつを食べて、ボツリヌス菌が体に入っちゃったらどうなるかを話していくね。

ボツリヌス菌は、酸素が少なくて栄養がたっぷりある場所が大好きなんだ。

人間の体の中はまさにそんな場所で、しかも赤ちゃんの体なら、やっつけに来る敵も少ない。

そうするとボツリヌス菌は芽胞から出てきて繁殖を始めるんだ。

その時に毒を出すんだけど、その毒がいろいろな症状を引き起こすんだ。

これが毒は神経をマヒさせるとっても強力なもの。

お姉さん
お姉さん

神経って…怖いね。

ぴぃすけ
ぴぃすけ

そうだね。体が動かせるのは神経のおかげだしね。

神経がマヒすると筋肉を動かす命令が届かなくなるから、体が動かせなくなってしまうよ。

具体的には、まずしつこい便秘が現れる。

3~5日続くようなガンコな便秘だよ。

毒によって腸の筋肉がうまく動かせないから便秘になっちゃうんだね。

それによっておなかがすごく張ったり、胃腸炎を起こして急に熱を出したり吐いたりすることもあるよ。

お姉さん
お姉さん

ただの便秘って考えちゃいけないね。

ぴぃすけ
ぴぃすけ

赤ちゃんは、もともと消化器官が未発達だから便秘になりやすいしね。

そこから進行すると全身の筋肉がうまく動かせなくなってくる。

赤ちゃんは自分で手足が持ち上げられなくなったり、首を支えていられなかったりする。

さらにミルクがうまく飲めない、泣き声がいつもより小さいなんてことで気付くお母さんもいるよ。

さらに悪化すると呼吸するための筋肉まで毒にやられてしまって呼吸ができなくなってしまう。

こうした赤ちゃんにあらわれるボツリヌス菌による症状を

と呼ぶんだ。

何歳からはちみつを食べても大丈夫なの?

そうしたら最後は、はちみつをいつからなら食べてもいいのかという部分を話していくね。

結論としては、

  • はちみつは生後12か月未満には絶対に与えない
  • 1歳を過ぎたら基本的には食べて大丈夫

となっているよ。

これは日本(国立感染症研究所)や海外の公的機関でも同じ考え方なんだ。

お姉さん
お姉さん

これって、はちみつをそのままあげるのがダメってこと?

ぴぃすけ
ぴぃすけ

料理に含まれている、はちみつもダメだよ。

加熱や調理をしても芽胞は残ることがあるんだ。

だからそのままの、はちみつだけでなく「はちみつ入り食品」も1歳までは避ける必要があるよ。

基本的には、1歳を過ぎれば、腸の抵抗力が高まり、通常の食事としてはちみつを使っても問題ないとされているんだ。

一応ボツリヌス対策の観点では「少量から少しずつでないと危険」というわけではないんだ。

ただもし心配なら、他の新しい食材と同じように少量から始めて、体調の変化がないか見るくらいで十分と言われているよ。

うっかり1歳未満の赤ちゃんが口にしてしまった場合。

1歳を過ぎていても便秘、元気がない、泣き声が弱い、哺乳がうまくいかないなど気になる症状が出た場合。

こういった場合には、乳児ボツリヌス症は、まれだけれど重症化することがあるから、迷ったら必ず病院で受診してね。

まとめ

今日は赤ちゃんに、はちみつをあげてはいけない理由を解説したよ。

・はちみつにはボツリヌス菌の芽胞が含まれていることがあり、乳児の腸ではこの菌を排除できない

・そのため1歳未満の赤ちゃんには絶対に与えないことが厚生労働省やWHOでも明確に推奨されている

・ボツリヌス菌は加熱しても死滅しにくく、「はちみつ入りのお菓子」や「はちみつを使った飲料」も1歳までは避ける

・1歳を過ぎると腸の働きや免疫が発達し、通常の食事としてはちみつを食べても問題ない

・もし誤って口にしてしまった場合や、便秘、泣き声が弱い、ミルクが飲めないなどの異変があるときは、すぐに病院を受診する

大人にとっては体にいいものだとしても、赤ちゃんにとってはダメなもの。

赤ちゃんのためにも、こういったものもがあるというのを、ちゃんと知っておくことが大切だね。

赤ちゃんにとっては小さな一口でも命にかかわることがある。

1歳になるまでははちみつを避けて、安心できる食材で離乳食を進めていこうね。


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