
こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。
血液検査の「コルチゾール」ってストレスと関係があると聞いたことがある人も多いんだ。
でもコルチゾールはストレスへの対応にも関わるけれど、それだけではなく、血糖や血圧、炎症を調整するために欠かせないホルモンなんだ。
今回はコルチゾールについて
- どこで作られるのか
- ACTHとの関係
- 時間帯による変化
- 高値と低値の見方
こういった内容を順番に解説するね。
コルチゾールは副腎で作られるホルモン

最初は、そもそも「コルチゾールって何?」という部分だね。
コルチゾールは、左右の腎臓の上にある副腎という小さな臓器で作られるホルモンだよ。
もうちょっと詳しく言うと、副腎の外側にある副腎皮質から分泌される「ステロイドホルモン」の1つなんだ。
ステロイドホルモンとは、コレステロールを材料に作られ、体のさまざまな細胞へ合図を送る物質のこと。

ステロイドっていうと、筋肉で聞くよね。

そうだね。でも筋肉を増やす目的で使われる薬だけを指す言葉ではないんだよ。
脳から副腎へ届くACTHの指令
それでコルチゾールの分泌は、副腎だけで勝手に決まるわけではないんだ。
脳の視床下部がCRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)を出し、その合図を受けた下垂体がACTHを血液中へ送り出すんだ。
ACTHは副腎皮質刺激ホルモンのことで、名前の通り副腎皮質に「コルチゾールを作って出して」と伝える役目があるよ。
それでこの視床下部、下垂体、副腎を結ぶ指令系をHPA軸と呼ぶんだ。
HPA軸とは3つの臓器が連携してホルモン量を調節する仕組みのことだよ。

ホルモンって1か所だけじゃなくて、いろいろ組み合わさっているんだね。

そうそう。いくつもの指令が上手く組み合わさって調整されているんだ。
それで血液中のコルチゾールが増えると、脳側へ「もう十分だよ」という信号が戻って、CRHとACTHが抑えられるんだ。
これを負のフィードバックといい、増えすぎや減りすぎを防ぐ自動調節と考えると分かりやすいね。
血糖・血圧・炎症反応などを支える
それでコルチゾールの働きとしては、空腹時や病気のときにも脳や筋肉が使えるエネルギーを確保できるよう、血糖を保つ方向に働くよ。
あと血管が適切に反応できるよう支えて、血圧の維持にも関わるんだ。
さらに免疫や炎症反応を抑える作用もあるよ。
この作用を利用した薬が、プレドニゾロンなどの糖質コルチコイド薬なんだ。
必要な治療に使われる一方、量や期間によって体内の指令系にも影響するため、自己判断で中止してはいけないよ。

ストレスだけじゃなく、毎日の体の働きを支えるホルモンなんだね。
朝に高く夜に低い日内変動

コルチゾールの値は1日の中で一定ではないよ。
一般的な睡眠と生活のリズムでは、目覚めるころに高くなり、日中に少しずつ下がって、夜間に最も低くなるんだ。
このように時間帯に合わせて繰り返す変化を「日内変動」というよ。
体内時計とHPA軸が連動し、活動を始める朝と休む夜で必要な量を調節しているんだね。
採血した時刻と生活リズムが重要
だから朝の値と夜の値はもともと違うため、採血結果は採血時刻に対応した基準範囲で見る必要があるよ。
朝に採った値を夜の目安と比べたり、その反対をしたりすると、正しい判断ができないんだ。

これって夜勤の人とかって、どうなるの?

そこも重要だね。夜勤や時差のある移動、睡眠不足などで睡眠と起床の時刻がずれている場合は、通常のリズムと一致しないこともあるよ。
だから採血した時刻だけでなく、普段の就寝・起床時刻や勤務状況を伝えることが役立つんだ。
実はコルチゾールの増加を調べるときに深夜の唾液を使ったり、低下を疑うときに朝の血液を調べたりするんだ。
これは、この日内変動を検査に利用しているからだよ。
ストレスや体調でも一時的に変わる

そういえば、よく聞くストレスとの関係はどうなの?

そういった場合には、増えることがあるよ。
- 発熱
- けが
- 手術
- 強い痛み
- 低血糖
- 激しい運動など
体に負担がかかる状況ではコルチゾールが増えることがあるよ。
不安や緊張も影響する可能性があるから、採血そのものへの緊張を含めて結果の背景を考えるんだ。
この他にも妊娠や女性ホルモンを含む薬では、血液中でコルチゾールを運ぶたんぱく質が増えて、総コルチゾールが高く見える場合もあるよ。
だからといって、検査前に薬を勝手に止めず、処方薬、市販薬、サプリメントを医師へ伝えてね。
コルチゾールが高いときに考えること

そうしたら次はコルチゾール高値の場合に考えることだね。
この理由としては、以下の3つになるよ。
- 体が必要に応じて一時的に増やしている場合
- 体内での産生が持続的に過剰になっている場合
- 薬の影響がある場合
ただ一度の高値だけでは、そのどれかを区別できないんだ。
採血時刻や体調を確認し、症状と複数の検査を組み合わせて考えるよ。
体内で過剰に作られる場合
それでコルチゾールが慢性的に過剰な状態をクッシング症候群というんだ。
これは下垂体からACTHが多く出る、副腎が自律的にコルチゾールを作る、まれに別の場所からACTHが作られるなど、いくつかの仕組みがあるんだ。
クッシング症候群の症状としては、
- 体重増加
- 顔や体幹への脂肪のつき方の変化
- 皮膚が薄く傷つきやすい
- 筋力低下
- 高血圧
- 血糖上昇など
こういったことが出たりするけど、症状だけで診断はできないんだ。

そんな時にコルチゾールを測るってことだね。

そうそう!しっかり理解できているね。
疑われる場合は、深夜唾液中コルチゾール、24時間蓄尿で調べる遊離コルチゾール、デキサメタゾンという薬で正常な抑制が起こるかを見る検査などが使われるよ。
こうやって単純な随時採血だけで過剰を確定するわけではないんだ。
コルチゾールが低いときに考えること

そうしたら次は逆にコルチゾールが不足する状態だね。
これを副腎不全というよ。
強いだるさ、食欲低下、体重減少、低血圧、吐き気、低血糖などが現れることがあるけれど、これらは別の病気でも起こる症状。
だからその場合にもコルチゾールが診断の手掛かりになるよ。
副腎と脳側のどちらに原因があるか
副腎そのものが十分に働かない原発性副腎不全では、コルチゾールが低いため脳側は指令を強め、ACTHが高くなる傾向があるよ。
反対に下垂体や視床下部からの指令が不足する続発性・三次性副腎不全では、
コルチゾールとACTHの両方が低い、またはACTHが不適切に正常範囲
こういった値に見えることがあるんだ。
ちなみに糖質コルチコイド薬という薬を長く使ったあとに急に中止すると、抑えられていたHPA軸がすぐには回復せず、コルチゾールが不足する危険があるよ。
だから減量や中止は必ず医師の計画に従って行うことが大切だよ。
ACTH負荷試験などを組み合わせる

なかなか検査が難しそうだね。

そうだね。その項目だけじゃなくて、負荷試験なんてものもあるんだよ。
副腎不全が疑われるときは、朝のコルチゾールとACTHを確認し、必要に応じて合成ACTHを投与してコルチゾールが十分に増えるかを見るACTH負荷試験を行うよ。
これは副腎に刺激を与えたときの反応を調べる検査なんだ。
その時には、コルチゾールのほかにも
- ナトリウム
- カリウム
- 血糖
- 症状
- 血圧
- 薬歴
こういったことも判断材料になるよ。
さらに病気の場所や原因を調べるために、追加のホルモン検査や画像検査が必要になることもあるんだ。
ただコルチゾールが基準範囲を外れても、その1回の結果だけでクッシング症候群や副腎不全と決まるわけではないよ。
いつ、どのような状態で採取したかを確かめ、ACTHや目的に合った追加検査で確認することが大切なんだ。
まとめ

今回はコルチゾールの働きと血液検査の見方を整理したよ。
・コルチゾールは副腎皮質で作られ、ACTHの指令で調節される
・血糖や血圧の維持、炎症反応の調整などに関わる
・通常は朝に高く夜に低いため、採取時刻が重要
・高値と低値には病気だけでなく、体調や薬も影響する
・1回の値だけでなく、ACTHや追加検査と合わせて判断する
コルチゾールは体内時計と連動して変化するホルモンだから、数字には採血したときの状況が映り込んでいるんだ。
結果が気になるときは、採血時刻、睡眠、体調、使用中の薬を整理して、確認することが大切だよ。
参考文献
この記事は以下の医学資料を参考に、一般向けに分かりやすく解説しています。



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