
こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。
今回は血液検査で調べるFe、フェリチン、TIBC、UIBCについてまとめて解説していくね。
貧血などを調べたときに、検査結果にこれらの項目が並んでいるのを見たことがある人もいるかもしれないね。

全部、鉄に関係する検査なんだよね?何が違うの?

同じ鉄でも、それぞれ見ている部分が違うんだよ。
この違いが分かると、4つの検査が一気につながって見えてくるよ。
それぞれ何を調べているのか、そして検査結果をどう組み合わせて考えるのかを順番に見ていくね。
血液検査のFe・フェリチン・TIBC・UIBCとは?

まずは4つの検査が何を見ているのか、整理していくよ。
これは全部「鉄」に関係しているんだけど、同じものを測っているわけではないんだ。
ちなみに鉄は血液の中を、そのまま単独で移動しているわけではないよ。
主にトランスフェリンというタンパク質と結合して運ばれているんだ。

なんか鉄といっても、いろいろあるんだね。

そうだね。僕も勉強した時に「どれがどれだっけ?」って迷ったんだよね。
簡単にまとめると、血液中を流れているFeだけではなく「今運ばれている鉄」「蓄えている鉄」「鉄を運ぶための余裕」をそれぞれ見ていると考えてね。
そうしたら1つずつ、もうちょっと詳しく解説していくね。
Fe(血清鉄)って何?

まずは、検査結果で「Fe」と書かれている項目から見ていくよ。
Feは鉄の元素記号で、血液検査では一般的に血清鉄のことを指しているよ。
血液中では、鉄の多くがトランスフェリンというタンパク質に結合した状態で運ばれているんだ。

じゃあFeを調べれば、体の中の鉄が足りているか分かるってこと?

鉄の状態を知る大切な検査ではあるけど、Feだけですべてを判断するのは難しいんだ。
Feが低くなるとき
Feが低くなる代表的な状態のひとつが鉄欠乏だね。

これはイメージ通りだね。
体の中で使える鉄が少なくなってくると、血液中を運ばれている鉄も少なくなっていく。
ただ、ここで覚えておいてほしいのが、Feが低いからといって必ず鉄欠乏とは限らないということ。
たとえば慢性的な炎症がある場合にも、血液中のFeが低くなることがあるんだ。
Feが高くなるとき
反対にFeが高くなる場合には、体の中の鉄が多くなっている状態などが考えられるよ。
ただ、これもFeだけを見て「体に鉄がたまりすぎている」と判断するわけではないんだ。
フェリチンやTIBC、トランスフェリン飽和度なども合わせて、鉄が体の中でどんな状態になっているのかを確認していくよ。
というのも、食事や採血する時間などによって変動することがあるから、他の鉄関連検査と合わせて見ることが大切なんだよ。
フェリチンは体に蓄えている鉄を知る手がかり

次はフェリチンだね。
フェリチンは鉄を蓄える働きを持つタンパク質で、血液中のフェリチンを測ることで体に蓄えられている鉄の量を知る手がかりになるんだ。
分かりやすく言うと、フェリチンはよく「鉄の貯金」に例えられるよ。

Feが今、財布に入っているお金で、フェリチンは銀行に預けているお金みたいな感じ?

イメージとしてはそんな感じだね。
だから鉄不足を考えるときには、フェリチンがとても重要になるんだ。
鉄不足ではFeより先にフェリチンが減る
鉄不足というと「Feが下がる」と考えやすいんだけど、実はその前から体の中では変化が始まっていることがあるんだ。
というのも、鉄が不足し始めると、体はまず蓄えていた鉄を使って補おうとする。
だから鉄欠乏の初期では、血液中のFeやヘモグロビンの値が保たれていても、貯蔵鉄を反映するフェリチンが先に低下することがあるんだ。
つまり、ヘモグロビンが正常だから鉄不足ではないとは限らないってことだね。
フェリチンは炎症でも上がる
ただフェリチンにも注意点があるよ。
フェリチンは鉄の貯蔵量を知るためにとても役立つんだけど、炎症や感染などによって上昇することがあるんだ。

フェリチンが正常=鉄の貯金もしっかり残っているってことじゃないってこと?

そうだね。炎症がある場合には、単純には判断できないね。
鉄が不足していて本来ならフェリチンが低くなりそうな状況でも、炎症による上昇が重なって正常範囲や高値に見える場合があるから気を付けてね。
TIBCとUIBCって何?
次は名前だけ見ると一気に難しそうな、TIBCとUIBCだね。
この2つは、鉄を運ぶトランスフェリンの座席として考えるとかなり分かりやすいよ。
トランスフェリンを鉄を運ぶ乗り物だと考えてみよう。
その乗り物には「鉄がすでに乗っている席」と「まだ鉄が乗っていない空席」があるとするよ。
TIBCは鉄を結合できる全体の容量

TIBCはTotal Iron Binding Capacityの略で、日本語では「総鉄結合能」と呼ばれているよ。
簡単に言うと、血液中で鉄を結合して運べる全体の容量を見ているんだ。
鉄が不足すると、体は少ない鉄をできるだけ受け取れるようにトランスフェリンを増やす方向に働く。
だから一般的な鉄欠乏ではTIBCが高くなる傾向があるよ。
UIBCはまだ鉄を結合できる空き容量

UIBCはUnsaturated Iron Binding Capacityの略で、日本語では「不飽和鉄結合能」と呼ばれているよ。
これはTIBCのうち、まだ鉄と結合していない空いている部分を表しているんだ。
だから基本的な関係は、
TIBC ≒ Fe + UIBC
と考えると分かりやすいよ。

鉄が少なければ、空いている席が多くなるってことだね。

そうそう。そのイメージが分かると、鉄欠乏の検査結果も理解しやすくなるよ。
Fe・フェリチン・TIBC・UIBCを組み合わせて確認

ここまで4つの検査をそれぞれ見てきたけど、実際には1項目だけではなく組み合わせて確認することが大切なんだ。
同じようにFeが低くても、他の検査結果によって体の中で起きていることが違う場合があるよ。
鉄欠乏パターン
まず分かりやすいのが、体の中の鉄が不足している鉄欠乏だね。
鉄そのものが少なくなるからFeや貯蔵鉄を反映するフェリチンは低くなる。
だけど、鉄を受け取るための余裕が大きくなるから、TIBCやUIBCは高くなるという方向だね。

えっと…。鉄が足りなくて、たくさん運びたいからTIBCが高くなる。でもそもそも鉄がないからUIBCも多くなるって感じ?

おっ!いい感じだね!いっぱい運びたいから座席は多くするけど、そもそも乗ってくる人が少ないって感じだね。
もちろん鉄欠乏の進行度や体の状態によって、すべてが必ず典型的な数値になるわけではないよ。
炎症での鉄のパターン
次は、感染症や慢性的な炎症などがある場合だね。
炎症があると、体は鉄を血液中に出しにくくする方向へ働くことがあるため、Feが低くなることがあるんだ。
でも鉄欠乏とは違い、TIBCは上昇せず、低めになることもあるよ。
さらにフェリチンは炎症によって上昇するため、正常範囲から高値になることもあるんだ。

Feだけ見たら、どっちも鉄不足に見えてしまいそうだね。

そうなんだ。だから他の検査結果と組み合わせて考えることが大切なんだよ。
鉄が多すぎる状態は?
反対に、体の中に鉄が多すぎる状態を調べる場合にも、1つの検査だけで判断するわけではないよ。
鉄が過剰になっている状態では、Feやフェリチンが高くなることがあるんだ。
ただし、さっき話したようにフェリチンは炎症などでも高くなるよね。
だからFeやフェリチンだけではなく、TIBCやこのあと紹介するトランスフェリン飽和度などを組み合わせて確認するんだ。
トランスフェリン飽和度との関係性

ここまでFeとTIBCの意味が分かると、もうひとつ理解しやすくなる指標があるよ。
それがトランスフェリン飽和度で、TSATと呼ばれることもあるんだ。
トランスフェリン飽和度は簡単に言うと、鉄を運べる全体の容量のうち、実際にどのくらい鉄が結合しているかを割合で表したものだよ。
計算では、
トランスフェリン飽和度(%)= Fe ÷ TIBC × 100
という関係になるんだ。
TIBCを「全部の座席」と考えれば、そのうち何%の座席に鉄が乗っているのかを表している数字ってことだね。
鉄欠乏ではFeが少なく、鉄を結合できる容量は大きくなるため、トランスフェリン飽和度は低くなる方向になるよ。
トランスフェリンについては別の記事で詳しく解説しているから、仕組みから知りたい人はそちらも確認してみてね。

鉄の検査の検査の見方

最後に、実際に血液検査の結果を見るときに覚えておいてほしいことをまとめるね。
一番大切なのは、Fe・フェリチン・TIBC・UIBCのどれか1つだけで判断しないことなんだ。
特に貧血を調べる場合には、鉄の検査だけではなく、ヘモグロビンや赤血球の大きさを表すMCVなども合わせて確認するよ。

検査項目ってたくさんあるけど、ちゃんと意味があるんだね。

そうだね。単純に高い低いだけじゃなくて、その原因を考えためにいろいろな項目を総合して考えるよ。
鉄欠乏が見つかった場合には、鉄を補えば終わりではなく、なぜ鉄が不足したのかを考えることも大切。
食事から十分に取れていない場合もあれば、月経などによる出血、消化管からの出血、鉄をうまく吸収できていない状態など、いろいろな原因が考えられるよ。
鉄の検査は、1つの数字から答えを出すというより、いくつかの検査を組み合わせて体の中の鉄の状態を考えていく検査なんだよ。
まとめ

今回は血液検査のFe、フェリチン、TIBC、UIBCについてまとめてきたよ。
・Feは血液中を運ばれている鉄を調べる検査
・フェリチンは体に蓄えられている鉄を知る手がかり
・鉄欠乏ではFeより先にフェリチンが低下することがある
・TIBCは鉄を結合できる全体の容量
・UIBCはまだ鉄を結合できる空いている容量
・鉄欠乏ではFeとフェリチンが低く、TIBCやUIBCは高くなる傾向がある
・トランスフェリン飽和度で、どれくらい鉄が乗っている分かる
・鉄の状態は1つの検査ではなく、複数の検査を組み合わせて確認する
Fe、フェリチン、TIBC、UIBCって、名前だけを見るとそれぞれ別々の難しい検査に見えるよね。
でも「血液中を運ばれている鉄」「鉄の貯金」「鉄を運べる全体の容量」「その空き容量」と考えると、それぞれの関係が見えてくるんだ。
鉄欠乏を調べるときには、FeだけではなくフェリチンやTIBCなどを組み合わせて確認することが大切だよ。



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