
こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。
今回は血液検査の「葉酸」について解説していくね。
葉酸というと、妊娠中に必要な栄養素として聞いたことがある人も多いかもしれないね。
でも実は葉酸は、赤血球を正常に作るために大切で、貧血を調べるときに血液検査で測定されることがあるんだ。
ここでは
- 葉酸がどんなものなのか
- 低いとどうなるのか
- ビタミンB12との関係
- 検査結果を見るときのポイント
こういった内容を分かりやすく解説していくね。
血液検査の葉酸とは?

まずは、そもそも葉酸とは何なのかから見ていくよ。
葉酸はビタミンB群のひとつで、ビタミンB9とも呼ばれている水溶性のビタミンなんだ。
体の中ではDNAを作ったり、細胞が新しく分裂したりするときに必要になるよ。
だから、細胞をどんどん作る必要がある場所では特に重要なんだ。
血液を作っている骨髄もそのひとつだね。

葉酸って妊婦さんがとるものだと思っていたけど、血液を作るのにも必要なんだね。

そうなんだ。
正常な赤血球を作るためにも必要だから、貧血の原因を調べるときにも重要だよ。
血液検査では、血液中にどのくらい葉酸があるのかを測ることで、葉酸が不足していないかを確認するよ。
葉酸の基準値は検査方法や検査施設などによって違う場合があるよ。
だから自分の結果を確認するときは、検査結果に記載されている基準範囲を確認してね。
葉酸が低いとどうなる?

そうしたら次は、血液検査で葉酸が低かった場合に、体の中で何が起こるのかを見ていくね。
葉酸が不足するとDNAを正常に作りにくくなって、細胞分裂がうまく進まなくなることがあるんだ。
特に影響を受けやすいのが、どんどん新しく作られている赤血球だよ。
その結果、正常な赤血球を作れなくなり、巨赤芽球性貧血というタイプの貧血につながることがあるんだ。
貧血になると、例えばこんな症状がみられることがあるよ。
- 疲れやすい
- 体がだるい
- 息切れ
- 動悸
- 頭痛
- 集中しにくい
ただし、こうした症状は葉酸不足だけで起こるものではないよ。
症状だけを見て「葉酸が足りない」と判断することはできないから、血液検査などと合わせて考えることが大切なんだ。
葉酸不足で起こる巨赤芽球性貧血
ここで、さっき出てきた巨赤芽球性貧血についてもう少し分かりやすく説明するね。
赤血球は骨髄の中で、細胞分裂を繰り返しながら作られていくんだ。
そのときに必要になるもののひとつが葉酸だよ。
こういった変化で、通常よりも大きな赤血球がみられるようになることがあるんだ。

赤血球の大きさまで血液検査で分かるの?

分かるよ。そのときに参考になる項目のひとつがMCVなんだ。
MCVは、簡単に言うと「赤血球1個あたりの平均的な大きさ」を表す検査項目だよ。
葉酸不足による巨赤芽球性貧血では、このMCVが高くなることがあるんだ。
ただ、MCVが高いからといって葉酸不足と決まるわけではないから注意してね。
葉酸が低くなる原因

次は葉酸が低くなる原因について解説していくよ。
これは、食事から十分にとれていないことも原因のひとつだけど、それだけではないんだ。
葉酸が低くなる理由には、大きく分けて
- 摂取不足
- 吸収の問題
- 必要量の増加
などがあるよ。
食事から十分に葉酸をとれていない
まず分かりやすいのが、食事からとる葉酸の量が少ない場合だね。
葉酸は、例えばこんな食べ物に含まれているよ。
- ほうれん草などの葉物野菜
- ブロッコリー
- 枝豆
- レバー
食事量そのものが少なかったり、食生活が偏っていたりすると、葉酸を十分にとれなくなる場合があるんだ。
あと、アルコールを多く飲む状態が続くことも、葉酸が不足しやすくなる要因のひとつとされているよ。
食べていても吸収できないことがある
次は、葉酸を含む食品を食べていても、体にうまく取り込めない場合だね。
食べ物に含まれる葉酸は、消化管から吸収されて体の中に取り込まれるよ。
だから、消化管の病気などによって栄養を吸収しにくくなっていると、食事から葉酸をとっていても不足につながることがあるんだ。

じゃあ、ちゃんと野菜を食べているから絶対大丈夫とは言えないんだね。

そうなんだ。食べている量だけじゃなく、きちんと吸収できているかも関係するってことだね。
必要になる葉酸の量が増えることもある
そしてもうひとつが、体が必要とする葉酸の量が増えている場合だよ。
代表的なのが妊娠中だね。
妊娠中は、お母さんの体だけでなく赤ちゃんの成長のためにも細胞分裂が活発に行われるから、葉酸の必要量が増えるんだ。
だからいつもと同じ量を摂取していたとしても、足りなくなる場合があるよ。
こうやって葉酸が低いときは、単純に「食べていない」という理由だけではなくて、
入ってくる量・吸収・体が必要としている量
をまとめて考える必要があるってことだね。
葉酸とビタミンB12の関係

それで葉酸の検査を考えるうえで、もうひとつ知っておいてほしいのがビタミンB12なんだ。
葉酸とビタミンB12は違うビタミンだけど、どちらも正常な赤血球を作るために大切なものだよ。
だから貧血の原因を調べるときには、葉酸だけではなくビタミンB12も一緒に調べることがあるんだ。
葉酸不足とビタミンB12の貧血
葉酸不足とビタミンB12不足には、似ているところがあるんだ。
どちらが不足した場合でもDNAを正常に作ることに影響して、上で話した巨赤芽球性貧血につながることがあるよ。
血液検査では、どちらの場合もMCVが高くなることがあるんだ。

それならMCVが高かったときに、どっちが不足しているかは分からないってこと?

そうだね。MCVでは巨赤芽球性貧血であることは分かるけど、原因までは決められないんだ。
だから葉酸やビタミンB12などを一緒に確認することが大切なんだよ。
葉酸だけを自己判断で補うのは注意
ただここで、ひとつ注意してほしいことがあるよ。
血液検査を見て「葉酸が低いかもしれない」と思ったときに、自己判断で大量の葉酸サプリメントを飲み始めることだね。
というのも、葉酸とビタミンB12はどちらも血液を作る働きに関係しているからなんだ。
葉酸が低かった場合には、なぜ低くなっているのかを確認することが大切だよ。
葉酸の検査結果の見方

最後は、実際に血液検査の結果を受け取ったときに、葉酸の数値をどう見ればいいのかを整理していくね。
大切なのは、葉酸の数字だけを見てすべてを判断しないことなんだ。
低い場合と高い場合、あと一緒に確認したい項目について解説していくよ。
葉酸が低い場合
葉酸が基準値より低い場合には、葉酸が不足している可能性を考えるよ。
ただ、葉酸が低いという結果だけでは「なぜ低くなったのか」までは分からないよね。
原因を考えるときには、例えば
- 普段の食事内容
- 消化管からの吸収
- 飲酒
- 妊娠などによる必要量の増加
- ほかの血液検査の結果
こういった情報を合わせて考えていくんだ。
ちなみに一般的に血液検査で調べられる血清葉酸は、最近食べたものの影響を受けやすいという特徴があるよ。

これってその時の葉酸の結果だけで普段からずっと不足しているとは言い切れないってこと?

そうだね。だから検査値だけではなく、食事やほかの検査結果も一緒に考えることが大切だよ。
葉酸が高い場合
反対に、葉酸が高い場合についても見ておこう。
葉酸の値は、食事だけではなく葉酸を含むサプリメントなどによって高くなることもあるんだ。
でも、葉酸は「高ければ高いほど健康」という検査ではないよ。
人によっては、かゆみなどの症状がでたりすることもあるんだ。
特にサプリメントを利用している場合には、どのくらいの葉酸をとっているのかも結果を見るときの大切な情報になるよ。
葉酸が高かったからといって、自分だけで良い悪いを判断するのではなく、必要に応じて食事やサプリメントの内容も含めて確認してね。
他の項目も一緒に判断
ここまでの話をまとめると、葉酸の検査は葉酸だけを見るのではなく、ほかの項目と組み合わせて考えることが大切ということが分かるね。
例えば、こんな項目や情報を一緒に確認していくよ。
例えば「MCVが高くて葉酸が低い」という結果なら葉酸不足を考える材料になるね。
ただそれだけで原因をすべて決められるわけではないから注意してね。
「葉酸は1つの数値だけではなく、他の検査結果や体の状態と合わせて見る」
これが検査結果を見るときに一番覚えておいてほしいポイントだね。
まとめ

今回は血液検査の葉酸についてまとめてきたよ。
・葉酸はビタミンB群のひとつで、細胞分裂や正常な赤血球を作るために必要
・葉酸不足では巨赤芽球性貧血につながることがある
・葉酸が低くなる原因は食事だけではなく、吸収や必要量の増加なども関係する
・葉酸不足とビタミンB12不足は似た血液検査所見になることがある
・葉酸だけを自己判断で大量に補うのは注意が必要
・葉酸の値だけでなく、Hb、MCV、ビタミンB12などと合わせて考える
葉酸というと妊娠中の栄養素というイメージが強いかもしれないけど、正常な血液を作るためにも大切なビタミンなんだ。
それで血液検査で葉酸が低かったとしても、その原因が食生活だというわけじゃなかったね。
食事だけでなく、吸収の問題や体が必要とする量なんかも関係していたよね。
検査結果を見るときは葉酸の数字だけに注目せず、他の項目と合わせて確認してみてね。
参考文献
この記事は、以下の公的資料・臨床検査情報を参考に、一般向けに分かりやすく解説しています。
- NIH Office of Dietary Supplements. Folate – Health Professional Fact Sheet.
- NIH Office of Dietary Supplements. Vitamin B12 – Health Professional Fact Sheet.
- LSIメディエンス WEB総合検査案内「葉酸」
- SRL総合検査案内「葉酸」
- BML検査案内「葉酸」
●関連記事




コメント