
こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。
今回は胎児心エコーの検査について解説していくね。
通常の胎児エコーでは、お腹の中の赤ちゃんの大きさなどをメインに心臓はあくまでも簡単に確認しているよ。
だけどこの胎児心エコーでは、胎児の心臓をメインに確認する検査になるんだ。
ここでは、胎児心エコーでどういったことが分かるのかを解説していくね。
胎児心エコーとは?

胎児心エコーは、お腹の中にいる赤ちゃんの心臓を詳しく見る超音波検査のことなんだよ。

いつもの妊婦検診では心臓って見ないの?

見ないわけではないけど、あくまでもスクリーニングとしてざっくり見ている感じだよ。
胎児心エコーでは、特に「心臓」に注目して調べるってことだね。
見る内容としては、
- 心臓の部屋がきちんと分かれているか
- 血液が流れる道に異常がないか
- 心臓の弁がちゃんと動いているか
- 心臓から出る太い血管の位置はどうか
など詳しく確認していくよ。
赤ちゃんの心臓の「形」「動き」「血液の流れ」を詳しく見る検査ってことだね。
心臓は、全身に血液を送るとても大切な臓器だよね。
赤ちゃんの心臓も、お腹の中にいるときから一生懸命動いているんだ。
その心臓に生まれつきの異常がないかを、できるだけ早い段階で確認するために行われるのが胎児心エコーなんだよ。
というのも、妊娠中に心臓の病気が疑われた場合には、出産する病院を調整したり、生まれた後に必要な検査や治療の準備をしたりしやすくなるんだ。

心臓に病気がある場合だけやるってこと?検査をすると、心配になるね…。

必ず赤ちゃんに病気があるというわけではないよ。
「念のために詳しく見ておこう」という目的で行われることもあるから、必要以上に不安になりすぎないようにね。
胎児心エコーで分かること

次は、もう少し詳しく胎児心エコーで、どういったことが分かるのかを話していくね。
さっきも話したように
- 心臓の形
- 血液の流れ
- 弁の動き
- 太い血管の位置
ここら辺が重要なポイントになるよ。
心臓の部屋がきちんと分かれているか
まず形としては、心臓には、
- 右心房
- 右心室
- 左心房
- 左心室
という4つの部屋があるんだ。
胎児心エコーでは、この4つの部屋がきちんと見えるか、大きさのバランスに大きな違いがないかを確認していくよ。
たとえば、心臓の左右どちらかが小さく見えたり、部屋の間にある壁に穴が疑われたりする場合は、さらに詳しく見ていくことがあるよ。
血液の通り道に異常がないか
次は血液の流れだね。
心臓は、血液を全身に送り出すポンプのような働きをしているよね。
でも、ただ血液を押し出しているだけじゃなくて、血液が通る道や流れる向きがきちんと決まっているんだ。
胎児心エコーでは、血液が心臓の中を正しい方向に流れているか、途中で流れにくくなっている場所がないかを確認するよ。
検査では、血液の流れを色で見られる機能を使うこともあるんだ。

いつも白黒だけど、青とか赤に見えるやつ?

そうそう。あの色によって、血液がどの方向へ流れているのかが分かるんだよ。
もし血液の流れが通常と違って見える場合は、心臓の構造や血管のつながり方に異常がないかを詳しく調べていくんだ。
心臓の弁がきちんと動いているか
心臓には、血液が逆流しないようにするための「弁」があるんだよ。
その弁は血液を通すときには開いて、逆流しないように閉じているんだ。
胎児心エコーでは、この弁がきちんと開いたり閉じたりしているかを確認するよ。
- 弁がしっかり閉じない:血液が逆流してしまう
- 弁がしっかり開かない:血液が流れにくくなってしまう
こういった感じで、心臓に負担がかかっていないかを詳しく見る必要があるんだ。
これは弁の動きだけじゃなくて、構造的に問題がある場合もあるよ。
弁の異常は、生まれた後の心臓の働きに関係するから、胎児期から確認しておくことが大切なんだよ。
心臓から出る太い血管の位置に異常がないか
心臓からは、
- 大動脈
- 肺動脈
という太い血管が出ているんだよ。
大動脈は全身に血液を送る血管で、肺動脈は肺へ血液を送る血管になるよ。
胎児心エコーでは、これらの太い血管が正しい場所から出ているか、血管の向きや太さに異常がないか、そこに流れに異常がないかを確認するよ。
太い血管のつながり方が通常と違うと、生まれた後に血液の流れに大きく影響することがあるんだ。

心臓自体だけじゃなくて、血管も大切なんだね。

そうだね。そこまで正常で血液の流れ正しくなるからね。
胎児心エコーで見つかる可能性がある病気

次は具体的な病気について少し話をしていくね。
ちなみに、このような生まれつきの心臓の病気を「先天性心疾患」と呼ぶんだ。
先天性心疾患にはいろいろな種類があるけど、ここでは比較的よく知られているものを、いくつか紹介していくね。
心室中隔欠損症
心室中隔欠損症は、心臓の部屋である右心室と左心室の間の壁に穴があいている状態だね。
穴の大きさや場所によって、自然に閉じることもあれば、治療が必要になることもあるよ。
赤ちゃんの状態によって経過が変わるから、見つかった場合は詳しい評価が大切だよ。
心房中隔欠損症
心房中隔欠損症は、心臓の上の部屋である右心房と左心房の間の壁に穴がある病気なんだよ。
小さいものはすぐに症状が出にくいこともあるけど、血液の流れ方によっては心臓に負担がかかることがあるんだ。

これって上で話していた卵円孔とは違うの?

別のものになるよ。卵円孔はもともとあるものだけど、心房中隔欠損はあってはいけない場所に穴がある状態なんだ。
ただこれは胎児期では分かりにくい場合もあるから、生まれた後の検査で確認されることもあるよ。
ファロー四徴症
ファロー四徴症は、心臓の形や血液の流れに関わる異常がいくつか組み合わさった病気なんだ。
具体的には
- 心室中隔欠損
- 肺動脈狭窄
- 大動脈騎乗
- 右室肥大
この4つの状態が合併している状態だね。
これが原因で肺へ向かう血液の流れが少なくなりやすくて、生まれた後にチアノーゼといって唇や皮膚が青紫色っぽく見えることがあるんだ。
出生後の治療が必要になることが多いため、妊娠中に分かると出産後の準備がしやすくなるんだ。
完全大血管転位症
完全大血管転位症は、心臓から出る大動脈と肺動脈の位置が通常と入れ替わっている状態だね。
血液の流れがうまく全身に酸素を届けにくい状態になるから、生まれた後すぐに専門的な治療が必要になることが多いんだ。

胎児心エコーで太い血管を見るってのは、こういう状態を確認するためなんだね。

そうだね。胎児期に発見できれば、早く治療方針を立てることも出来るからね。
単心室症
単心室症は、本来2つある心室のうち、片方が十分に育たず、1つの心室が中心になって働く状態だよ。
これは心臓の作りが大きく通常と違うため、生まれた後に段階的な治療が必要になることがあるよ。
左心低形成症候群
左心低形成症候群は、心臓の左側の部屋や血管が十分に発達していない状態なんだ。
左心室は全身に血液を送る大切な部分だから、この部分が小さいと生まれた後の血液循環に大きく関わってくるよ。
出生後すぐに専門的な管理が必要になることが多いので、胎児期に見つける意味が大きい状態のひとつだよ。
房室中隔欠損症
房室中隔欠損症は、心房と心室の間の壁や弁の作りに異常がある病気なんだよ。

あれ?これってさっきも出てなかった?

さっきまでの話は心房中隔、心室中隔の話だね。
房室は心臓の真ん中あたりの構造に関わっている部分だよ。
だからここに異常があると血液の流れや弁の働きに影響が出ることがあるんだ。
染色体の病気と関係して見つかることもあるため、必要に応じて他の検査と合わせて確認されることもあるね。

本当にろいろな病気を見つけることができるんだね。

そうだね。でもやっぱり難しい部分もあるというのも知ってほしいんだよね…。
胎児心エコーで分からないこともある

確かに胎児心エコーは、赤ちゃんの心臓を詳しく見るための大切な検査。
でも、すべての異常が必ず分かるわけではないということだね。
ここは少し大事なポイントで、
検査で分かることはたくさんあるけど、
- 赤ちゃんの向きや動き
- 妊娠週数
- 羊水の量
- お母さんのお腹の状態
こういったことによって、心臓が見えにくいこともあるんだ。
たとえば、赤ちゃんが背中を向けていたり、手足が心臓の前に重なっていたりすると、見たい部分がうまく見えないことがあるんだ。
あとは、心臓の小さな穴や軽い弁の異常などは、妊娠中には分かりにくく、生まれた後の検査で初めて分かることもあるよ。
特に心房中隔欠損症のように、胎児期の血液の流れと生まれた後の血液の流れが関係する病気では、出生後に判断されることもあるんだ。
それから、お腹の中の赤ちゃんは、生まれた後とは血液の流れ方が少し違うんだよ。

違うって、どういうこと?

胎児は肺で呼吸していないから胎児特有の通り道があったりするんだ。
だから、生まれた後に肺呼吸が始まって血液の流れが変わってから、はっきりしてくる異常もあるんだよ。
ちなみに胎児の循環については、ここで詳しく解説しているよ。

だから胎児心エコーは、赤ちゃんの心臓の状態を知るためにとても役立つ検査だけど、
「妊娠中に分かる範囲で詳しく確認する検査」
と考えてもらうといいかな。
まとめ
今回は胎児心エコー検査について、まとめてきたよ。
・胎児心エコーは特に胎児の心臓を注目して調べる検査
・胎児の心臓の形、動き、血液の流れ、太い血管について確認する
・生まれつきの心臓の病気を先天性心疾患という
・先天性心疾患を確認するのが胎児心エコーの目的
・胎児の状態などによっては、すべての異常が必ず分かるわけではない
・検査をする=病気があるというわけではない
胎児心エコーは、すべての妊婦さんが必ず受ける検査というより、赤ちゃんの心臓をより詳しく確認した方がよいと判断されたときにすすめられることが多いんだよ。
もちろん病院や地域、妊婦健診の方針によって違いはあるけど、「念のため詳しく見ておこう」という目的で行われることもあるよ。
だから胎児心エコーをすすめられたからといって、『赤ちゃんに心臓の病気がある』というわけじゃないという部分は覚えておいてね。
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