40代女性の質問

採血でいつもは血液を試験管に1本分採取してそれを、何本かの液剤に入ったものに移して検査しているようでしたが、今回は血液を採る量がいつもよりも多かったです。
検査内容が同じならなぜ多く採る必要が有ったのかがよくわかりませんでした。

おそらく今回と前回の採血の方法によるものだと思うんだ。
採血で採る血液量と一緒に話をしていくね。

こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。
今日は採血の質問について回答していくよ。
本数の違いや採血のやり方によって、どういった違いがあるかを解説していくよ。
採血の容器
まず採血で血液を入れる容器について話をしていくよ。
ちなみにあの容器のことをスピッツっていうんだ。
ここからはスピッツで話を進めていくよ。
採血をする時にスピッツが何本もあると思うんだ。
おそらく一般的な検査では、1〜2本くらいが多いかな。

どうしてこんなに本数が必要か知ってる?

うーん。
何か違いがあるんだとは思うけど…。
このスピッツの中をよくみると、粉末が入っていたり液体が入っていたりするんだ。
これがなんなのかというと、血液を固まらなくする薬なんだよ。
転んだ時とかに血が出ても固まってすぐに血は出てこなくなるよね。
あれと一緒で採血した血液も何もしなければすぐに固まってしまうんだ。
だけど、それじゃあ検査できないんだよね。
だから薬を入れて血液を固まらなくするんだ。
この薬を血が固まらくするというので『抗凝固剤』っていうよ。

でも固まらくするなら、1つだけでいいんじゃないの?
鋭い人は、こう思うよね。
でも抗凝固剤って、1種類じゃなくてたくさんの種類があるんだ。
抗凝固剤
というのも採血って、その血液を採ること目的なわけじゃないよね。
採った血液で検査することが目的だよね。
その検査のために抗凝固剤の種類によっては影響がでてしまう項目があるんだ。
だからスピッツを分けて、その中の薬を分けることで
- この薬でできる項目はこれ
- あっちの薬ならこの項目
逆に抗凝固剤を入れないで検査をする項目もあるよ。
だから複数のスピッツで分けて採血をして検査をしているんだ。
前回と今回の採血の違い
それじゃあ今回の話だね。
前回は試験管に1本分採血をして、それを何本かのスピッツに分けていた。
だけど今回は直接何本もスピッツに血液を採ったってことだよね。
おそらくこれは採血手技の違いだと思うよ。
以前は採血といえば、こういうシリンジに1回に必要量を採って、スピッツに分けていたんだ。

だけど今は直接スピッツの中に血液をいれることができる真空採血という方法が主流になっているよ。

こういったやり方の違いだと思うよ。
ちなみにたくさん本数採っているとすごい量を採っているように思うよね。

見ていると「そんなに採って大丈夫?」って思う。
これ確かにそう思うかもしれないけど、実はそんなに量って採っていないんだ。
あのスピッツの中に入る血液の量って一番大きいやつでも8mlくらいかな。
小さいやつだと2mlとかかな。
だから全部合わせても20mlも採れば、かなり多い方なんだよ。
大さじ1杯が15mlだから採血で採る血液量って、すごい少ないことがわかるよね。
人間の血液の量は体重の1/8と言われているから、ここから考えても少ないのが分かるね。

検査内容が同じということだから、おそらく多く採っているというよりも
『多く採っているように見える』
ということなのかなと僕は思うよ。
まとめ
今回の質問に関して解説したよ。
・スピッツには抗凝固剤が入っているものがある
・検査項目によって抗凝固剤の種類が違う
・そのため複数本に採血をする必要がある
・ただし量は、かなり少ない
・手技によって1本にまとめて採って分ける方法と1本ずつ分けて採る方法がある
・今回は、この手技の違いだと思われる
こういった内容だったよ。
分からないと「こんなに採って大丈夫なの…?」って心配になるよね。
今回の内容で「あっ、大丈夫なんだ!」って安心してもらえると嬉しいな!
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