
こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。
かさぶたってつい剥がしたくならない?
「もう取ってもいいかな?」
「まだ早いかな?」って、
あの葛藤がちょっと楽しかったりするよね。
でも実は、かさぶたを剥がすのは良くないんだ。
今日は、
- かさぶたがどうやってできているのか
- 体の中でどんなことが起きているのか
- そしてなぜ剥がさない方がいいのか
こういった内容をまとめていくね。
かさぶたってどうやってできるの?
まずはどうしてかさぶたが出来るかってところだね。
ケガをすると血が出るよね。
この血って液体に見えるけど、中にはいろいろな成分が入っているんだ。
その成分の中が、出血をすると止血するように働き始めるんだ。

でも体の中では固まらないけど、どうして?

血液には固まる働きと、それを溶かす作用があるからだね。
体の中では、血を固めない物質が常に出ているし、血液がずっと流れ続けているから固まらないんだよ。
血小板の働き
出血をしたときには、まず登場するのが血小板なんだ。
これは血液の中を流れている小さな細胞で、傷ついた場所に集まってベタッとくっつくんだよ。
このとき血小板同士が反応して、粘り気のあるかたまりを作る。
これを一次止血というよ。
フィブリンの役割
でもそれだけでは血はまた流れ出てしまう。
そこで登場するのが血液中のフィブリノーゲンというたんぱく質。
これが酵素の働きで「フィブリン」という細い糸のようなものに変化し、血小板のかたまりの上に網のような膜を作る。
この状態を二次止血というよ。
このフィブリンの膜が時間とともに乾いて固くなったものが、僕たちが見ているかさぶただね。
つまり、かさぶたは単なる乾いた血ではなく、血小板とフィブリンが協力してできた防護壁なんだ。
かさぶたの下では何が起きているの?
ちなみに表面が固まっていても、かさぶたの下では、まだ治療の真っ最中なんだ。
血が止まったあと、傷の中ではマクロファージという免疫細胞が壊れた細胞やバイ菌を掃除してくれる。
そのあと、線維芽細胞という細胞がコラーゲンを作って新しい皮膚の土台をつくる。
さらに上皮細胞(皮膚の表面を作る細胞)がかさぶたの下から伸びていき、新しい皮膚を再生していくんだ。
つまり、かさぶたの下は修復作業中の現場ってことだね。

なんか人間の体ってすごいね。

そうそう。しっかりと傷を治すために順番に体が対応してくれるんだ。
だからそこを無理に剥がしてしまうと、せっかく再生しかけた細胞が壊れてしまって、また最初からやり直しになってしまうんだ。
かさぶたを剥がすとどうなるの?
かさぶたが出来たとしても、その下は修復中ってことだよね。
でも…
かさぶたってつい気になって剥がしたくなるよね。
特に治りかけの時ってかゆくなったりして、それではがれてしまうこともある。
でもこれって、体にはかなりの負担なんだ。
ちなみに、なぜ痒くなってしまうかはここで解説しているよ。

かさぶたを剥がしてしまうと、こんな感じで悪い影響があるんだ。
- 再び出血してしまう
表面が乾いていても、奥はまだ治っていない。
剥がすと血管が再び開いて出血することがある。 - 治りが遅くなる
新しい皮膚の細胞が壊れてしまうから、
再生のスピードが落ちてしまう。 - 傷跡が残りやすくなる
同じ場所を何度も傷つけると、皮膚の再生がうまくいかず、色素沈着や瘢痕(はんこん)が残ることがある。 - 感染のリスクが上がる
かさぶたは細菌の侵入を防ぐバリアでもある。
剥がすことでその防壁がなくなり、化膿する危険が高まる。
だから、気になるけどかさぶたは剝がさないようにね。
乾かすより湿らせて治す時代へ
最後は、このかさぶたが出来た方がいいのかって話だね。

血を止めるんだから出来た方がいいんじゃないの?

もちろん血を止める働きは重要だけど、乾燥させるかってところだね。
昔は「かさぶたを作って乾かす方がいい」と言われていたんだ。
でも今は少し考え方が変わってきているんだよ。
医学の世界では『湿潤療法』という、乾かさずに治す方法が主流になっているんだ。
イギリスの実験では、湿った状態で治した方が、乾いた環境よりも約40%も皮膚の再生が早かったと報告もあるんだ。
湿った環境では皮膚の細胞が動きやすく、再生がスムーズに進むんだ。
だから最近は、
「絆創膏を貼って乾かさないで治す」
という方法がすすめられているよ。
市販のモイストタイプの絆創膏(キズパワーパッドなど)は、傷の湿度を一定に保ちながら、外部からの菌も防いでくれる。
こういったやつだね。
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まとめ
今回はかさぶたについてまとめたよ。
・かさぶたは血小板とフィブリンの働きでできる
・下では免疫細胞や上皮細胞が修復作業中
・剥がすと再生が止まり、跡や感染の原因になる
・今は乾かすより湿らせて治すのが主流
かさぶたは、体が傷を修復している途中のサイン。
焦らず、剥がさず、自然に治るのを待ってあげようね。
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