
こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。
今日は静脈瘤の原因と受診について詳しく話をしていくよ。
『静脈瘤で皮膚科を受診した』
検査をしていて話を聞くと、最初に皮膚科に行く人って結構多いんだ。
それで静脈瘤の検査を出来る病院を紹介してもらう。
でも、それなら最初から静脈瘤の検査が出来る病院に行きたいよね。
じゃあ『どこに受診すればいいのか?』という話だね。
これを知るためには静脈瘤って何が原因で起こっているのかを理解すると、すごくわかりやすいんだ。
そんな静脈瘤について解説していくね。
ちなみにどうして皮膚科を受診しようと思うのかについても、あとで詳しく話すよ。
静脈の役割
じゃあ最初に静脈瘤という話に入る前に、すごく重要な『静脈』というものについて話をしていくよ。
血管には2種類あるんだけど、みんな知っているかな?
血管には動脈と静脈という2種類の血管があるよね。
こんな感じで覚えてくれれば大丈夫だよ!
これがわかったら、ちょっと考えて欲しい部分が人間の足がどこにあるかということ。

下でしょ?

そうだね。
横になっている時では心臓とだいたい同じ高さだけど、立っている時でも座っている時でも基本的に下にあるよね。
水を想像して欲しいんだけど、水って蛇口をひねると下に落ちていくよね。

水はどうして下に落ちるの?

えっ、重力があるんだから当たり前でしょ?

じゃあどうして足の静脈は下から上に血液を戻すことができるの?
多分不思議に思った人も、多いんじゃないかな。
意識して考えてみないと、気づかない部分だけど不思議だよね。
静脈瘤を考えるのに、この静脈を血液が戻る仕組みがすごく重要になるんだ!
足の静脈からどうして血液が心臓に戻る?
その不思議に気づいたところで、どうして足の静脈は心臓に血液を戻せるのかという話に入っていくよ。

これどうしてだと思う?

血液って巡っているものだから、それの力で戻してるってこと?
いい部分に気づいたね。
要するに
『動脈の力によって押し上げている』
ってことだよね!
確かにこれも正解なんだけど実はこれだけじゃ力が足りないんだ。
実は足の静脈から血液を戻すのには3つの力と1つの支えによって行われているんだ。
それがこの4つだね!
詳しく話していくと難しくなっちゃうから、重力に負けないようにいろいろな働きがあるということを覚えてくれればいいよ。
全部重要になるんだけど、この中でも静脈瘤を知るために重要になのが
『弁の支え』
になるんだ。
静脈の弁って何?
いきなり弁って言われてもよくわからないよね。
弁っていうのは、片方の方向からは開くけど逆からは開かない仕組みだよ。
ちなみにこんな感じだね。

足の静脈の血液の流れる方向の下から上には弁が開いて流れる。
だけど逆方向の上から下にはいかないように弁が閉じてくれるってことだね。

じゃあこの弁がもし壊れてしまったらどうなると思う?

血液が逆流しそう。
お姉さんが言っているように、血液が逆流して下に流れていっちゃうよね。
実はこれが静脈瘤の原因となっているんだよ。
静脈瘤の原因は弁が壊れること
『静脈瘤の原因は静脈弁が壊れることによる血液の逆流』
これはここまでの話で分かったことだね。
でも静脈瘤って血管がぼこぼこして目立つようになるんだ。
ただ逆流しているだけなのに、なんで見た目まで変わるか不思議じゃない?
実は、逆流することによって血管が変化していってしまうんだ。
だから次はこの弁が壊れてから、血管がどうやって変化していくのかについて話をしていくね。
まず大前提として、
人間の体っていうのは何かあってもその状況に体を対応させていくことが多い
例えば筋肉をたくさん使う人はどんどん筋肉が大きく強くなるよね。
ちょっとぽっちゃりした人はお腹の皮が少し伸びるよね。
こうやって体は自分の体の状況に合わせて対応させていっているよね。
よくダイエット番組とかで皮が余っちゃっているというのも、ちょっとぽっちゃりした体型に皮膚が対応したってことだよね。
これを血管で考えてみるよ。
もし足の静脈の血流が逆流した場合はどんどん下に血液が溜まっていってしまうよね。
この溜まった血液の行き場所を作らないとダメだよね。

この行き場ってどうなると思う?

血管が太くなるってこと?
その通りだね。
だから静脈弁が壊れると、血管が太く目立つわけだね。
もう少し詳しく話をすると…
足の静脈っていうのは
- 皮膚側にある表在静脈
- 深いところにある深部静脈
この2つに大きくは分かれているんだ。
静脈瘤っていうのは基本的に表在静脈にできるもの。
表在静脈は普通はあまり太くないものになるんだ。
表在静脈は人によって様々だけどだいたい2mmくらいの人が多いかな。
だから何も異常がない状態では、外側からは見えない。
でも静脈瘤になると10mmを超える人も出てくるんだよ。
元の5倍の太さということだね。
ただ静脈瘤が進行してくると太くなるだけでは対応しきれなくなってくるんだ。

じゃあどうなるの?もしかして破裂しちゃうの?

『瘤』って言葉を聞くと結構心配になるよね。
だけど基本的に足の静脈瘤に関しては破裂するってことはほとんどないかな。

えっ、じゃあ血液はどこに行っちゃうの?
太さで対応しきれなかったら、次は長さで対応していくことになるんだ。
足の長さは変わらないのに、そんなことできるのか不思議に思うよね。
これは山を登るのをイメージしてほしいんだけど…
直線的に登るのと、くねくね曲がった道を登るのどっちの方が距離が長い?
くねくねした道だよね。

あっ!
これで気づいた人も多いかな。
太くなった血管はくねくね曲がって距離を伸ばして多くの血液をためられるようにしていくんだ。
ちなみにこれを蛇行するとかいうよ。
厳密には太くなるのと蛇行は一緒に起きていくけどね。
こうやって静脈瘤っていうものは起こっていくんだ。
治療の方法は?
静脈瘤がどうやってできるかについてはわかってくれたかな。
じゃあ一緒に治療や予防法について少し話をしていくね。

静脈瘤にはどんな治療があると思う?

原因が弁が壊れることだったから、その弁を治す?
実は弁を治すことって出来ないんだ。
だから静脈瘤の治療は、静脈瘤になってしまった血管をなくすというのが治療になるんだ。
でっ、この話をするとおそらくこの心配が出てくると思うんだ。
「静脈がなくなっちゃって大丈夫なの?」
さっき少し話したんだけど静脈にも2つの種類の静脈があるという話をしたよね。
表在静脈と深部静脈だったよね。
このうち静脈瘤になるのは表在静脈のほうだったね。
この表在静脈と深部静脈を比較したときに、だいたい血液を心臓に戻す役割が
- 表在静脈が20%
- 深部静脈が80%
このくらいと言われているんだ。
仮に表在静脈がなくなったとしても、深部静脈がそれを補ってくれるというわけ。
だから静脈瘤の治療は血管をなくす治療になるんだね。
レーザー治療とストリッピング
なんだけど実はこのなくす治療にも幾つかの治療があって、だいたいこの2つの治療になるかな。
- レーザー治療
- ストリッピング
治療についてはすこし難しいから、詳しくは治療をするときにお医者さんに聞いて欲しいんだけど。
レーザー治療は血管内にレーザーが出る機械を入れて、その血管をレーザーで焼いてしまうという治療。
ストリッピングは血管自体を体からとってしまうという治療。
レーザー治療は日帰りで出来たりもするけど、ストリッピングの場合は基本的に入院になるかな。
これはどっちを選択するかはその人の状態なんかによるから、しっかり検査を受けてお医者さんに確認してみてね。
予防や悪化を防ぐために
弁は基本的に治ることはないんだけど、悪化を防ぐためにできることもあるんだ。
確かにちょっと逆流はある、だけど静脈瘤というものではない。
そんな時にはきつめのストッキングを履くといいんだ。
よく女性の商品だとむくみ改善にメディキュットみたいのが売っているよね。

どうしてあれを履くといいの?
静脈の血液がどうして心臓に戻るかを思い出して欲しいんだけど、その1つに筋肉によるものがあったよね。
これっていうのは筋肉に力を入れることで、外側から血管を押して血液を押し上げるっていうことなんだ。
だから筋肉の代わりにストッキングなんかで圧力をかけてあげるというわけ。
ちなみにこういうやつがそうだね。
ただこれは静脈瘤の治療ではないから気を付けてね。
血流がしっかり流れていないことがむくみの原因だから、それを補っているということなんだ。
ちなみに病院では、静脈瘤まではいかないけど軽度の逆流がある場合には、こういった圧の強い靴下が処方されることがあるよ。
だいたい普通に売られているものの一番強いのが、病院で処方される一番弱い奴くらいかな。
ただ強ければいいわけでもなくて、履いていて辛くなっちゃったら、それは逆効果だからね。
足のむくみがある場合には、市販のやつを一度試してみてもいいかもね。
原因や治療から考える受診場所
最後に足の血管が気になりだしたら、どこに受診をすればいいかということについて話をしていくね。

今日の話を聞いてどこに行けばいいと思った?

えっと、原因が血管だからそれを扱っているところ?
病院によってはあるかどうかわからないけど、血管科という場所になるかな。
初めて聞いたという人も多いんじゃないかな。
他にも血管クリニックという場所や静脈瘤を専門に扱うクリニックなんかもあるよ。

そういえば最初に皮膚科に行く人もいるという話はどうして?
これは静脈瘤の症状が関係しているんだ。
実は静脈瘤の症状として、かゆみというものがあるんだ。
だからそのかゆみがひどくなってくると
「あれ?なんか皮膚の病気かな」
という感じで皮膚科に行っちゃう場合があるんだ。
あとは実は静脈瘤の外見的なものとして、足に色がついてしまうというものもあるんだ。
血液がすごくたまると血管から成分が漏れ出して行ってしまう。
それの成分が原因で足が黒くなってしまうことがあるんだ。
人によるけど結構症状の度合いとしてひどいものになるね。
そうなると皮膚の状態が気になるようになってくる。
だから外見的に見て皮膚科に行ってしまうという場合も結構多かったりするんだよね。

でも皮膚科に行っても治らないよね。

そうだね。原因は皮膚じゃなくて血管だからね。
だからそういう場合には、お医者さんがしっかり診てくれて血管科を紹介してくれるかな。
わからない場合には近くの病院の総合科に行って、紹介してもらうっていうのもあるから相談してみてね!
まとめ
今日は静脈瘤についてたくさんのことを話してきたね。
内容をまとめておくね!
・静脈は血液を心臓に戻す役割
・足の静脈が心臓に血液を戻すためには3つの力と1つの支えがある
・静脈瘤は弁が壊れることが原因で起きる
・弁が壊れると静脈が血液を溜められるように変化するのが静脈瘤
・治療には主にレーザー治療とストリッピングがある
・ストッキングにより悪化をを防ぐこともできる
・受診するのは血管科
こんな感じだったね。
静脈瘤って痛みなどの症状がほとんどないからちょっとほっときがちなんだよね。
だけど早期で発見することで、治療の選択が出来たりするから気になる人はお医者さん行って相談してみてね!
今日の話がみんなの参考になれば嬉しいな!
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