
こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。
今日は甲状腺エコーについて解説をしていくよ。
甲状腺って首の前側にある臓器で、体のエネルギーをコントロールする場所なんだ。
そんな甲状腺について検査をする、
- 甲状腺エコー検査でどんなことが分かるのか
- どんな人が受けた方がいいのか
- どんな病気が分かるのか?
こういった内容をまとめていくね。
それじゃあさっそく、「甲状腺エコー検査ってどんな検査なのか」から話していこうか。
甲状腺エコー検査とは?
甲状腺エコー検査っていうのは、その名前の通り「甲状腺」っていう臓器を超音波で見る検査だね。

そもそも甲状腺って、よく聞くけど何やっているの?

ホルモン関係が役割だね。
甲状腺は「甲状腺ホルモン」っていう体の代謝をコントロールするホルモンを作ってるんだ。
このホルモンは
- 新陳代謝の促進
- 成長や発達の促進
- 体温や心拍の調整
こういった感じの働きをしているよ。

じゃあ、体の異常があるときにこの検査ってやるの?

そういう時もあるけど、どちらかというと触診で異常がありそうな時が多いかな。
ちなみに甲状腺について、詳しく知りたい人はここでまとめているよ。

なぜ甲状腺エコーを受けるの?
甲状腺エコーは
- 首が腫れてる気がする
- しこりがあるかもしれない
ってときに受けることが多いんだ。
もちろんそれだけじゃなくて、血液検査でホルモンの値がおかしいときには、原因究明のために甲状腺のエコーをしたりするよ。
後は甲状腺の病気は遺伝することもあるから、家族に甲状腺の病気がある人がいるときも調べることがあるよ。
甲状腺の腫れやしこりを調べるため
甲状腺が全体的に大きくなってるとか、一部だけポコッとふくらんでるときは、エコーで詳しく見るんだ。
外見的には分からなくても、中に小さなしこりが隠れてることもあるよ。
こういった異常をエコーなら数ミリの小さなしこりでも見つけられることがあるんだよ。
ホルモンの異常があるとき
後は血液検査で「甲状腺ホルモン」や「TSH」っていう数値に異常が出たときにも検査をするよ。
数値に異常があるということは、どこかの臓器に異常がある場合が多いよね。
だからその原因を探すためにエコーを使うんだ。
病気で言えば、バセドウ病のときは血流がすごく増えてるのが見えるし、橋本病だと甲状腺の中がボコボコに見えることがあるよ。
健康診断のときに見つかるケースも
他にも最近では人間ドックや健康診断で、首のエコーを一緒に受ける人も多いよね。
これは甲状腺ではなくて、頸動脈って言って首の太い血管を見る検査になるんだ。
でもこの検査中に甲状腺もちょっと見えたりするから、そこで偶然しこりが見つかることもあるんだよ。
小さいうちに見つけられたら、経過を見たり治療のタイミングを決めたりしやすいんだ。
甲状腺エコーでわかること
次は、この甲状腺エコーで何が分かるかをまとめていくよ。
大きく分けると
- 甲状腺の大きさや形の異常
- しこりの有無
- 血流の状態
- 周囲のリンパや副甲状腺の状態
こうやって甲状腺もそうだけど周囲の状況をしっかり診ることが出来るんだ。
もう少し詳しく解説していくね。
甲状腺の大きさや形の異常
まずは甲状腺の「大きさ」と「形」だね。
甲状腺は形として蝶のように左右が対象になっている臓器なんだ。
その全体が腫れていたり、左右のバランスが違っていたりするときは、ホルモンの異常や炎症が関係していることがあるんだ。
大きくなるだけじゃなくて、小さくなっている場合には、機能が低下していることもあるよ。
しこり(結節)の有無と性状
エコーでは、体の内部の状況を見ることが出来るから、しこりがあるかどうかをくわしく調べることができるよ。
さらにこのしこり自体の中身が
- 液体っぽいのか
- 固いのか
- 境目がはっきりしてるか
などを見て、良性か悪性の可能性を判断する目安にしてるんだよ。

エコーだけで、そこまで分かるんだね。

もちろん確定するには細胞を調べる検査も必要だけど、状態からでも分かることが多いんだ。
悪性か良性かを確認するために、細い針で細胞をとる「穿刺吸引細胞診」っていう検査を追加することがあるんだよ。
血流の状態(バセドウ病など)
エコーは、こういった形や大きさだけではなくて、血流の流れを見ることもできるんだ。
これは色で血流の状態を見ることが出来るんだ。
例えば甲状腺の病気のバセドウ病のときは血流がすごく活発になって、画面の中で赤や青の色が増えるんだよ。
逆に血の流れが少ないときは、橋本病みたいな炎症や機能低下を疑うこともあるんだ。
周囲のリンパ節や副甲状腺の異常
こうやって甲状腺自体もそうだけど、周りも一緒に見ることができるんだ。
リンパ節が腫れていたり、甲状腺の裏側にある「副甲状腺」に異常がないかもチェックするんだよ。
がんの転移の早期発見にも役立つことがあるんだ。
エコーで見つかる主な病気
少し話をしてきたけど、次は甲状腺エコーで見つかる主な病気についてまとめていくね。
- 甲状腺腫(こうじょうせんしゅ)
- 橋本病(慢性甲状腺炎)
- バセドウ病(甲状腺機能亢進症)
- 甲状腺のう胞・良性腫瘍
- 甲状腺がん
こういった病気をエコーでは発見することが出来るよ。
1つずつ解説していくね。
甲状腺腫(こうじょうせんしゅ)
甲状腺腫というのは、甲状腺全体が大きくなっている状態をいうんだ。
ただこれは病名というよりは、見た目の状態のことだね。
中にはホルモンの異常を伴う場合もあるし、単純に腫れているだけのこともあるんだ。
だから甲状腺が大きくなっているからと言って、必ず病気というわけじゃないから気を付けてね。
橋本病(慢性甲状腺炎)
橋本病は、自分の体の免疫が甲状腺を攻撃しちゃう自己免疫の病気なんだ。
エコーで見ると、甲状腺の中がボコボコした感じで均一じゃなく見えるんだよ。
だんだんホルモンが出にくくなることもあるから、定期的なチェックが大切なんだ。
バセドウ病(甲状腺機能亢進症)
バセドウ病は、甲状腺ホルモンが必要以上に出てしまう病気だよ。
エコーでは血流がすごく多くなって、血流を表示する色で画面がカラフルに見えるんだ。
症状としては
- 脈が速くなる
- 汗をかきやすくなる
- やせやすくなる人
こういった症状が出る人もいるよ。
甲状腺のう胞・良性腫瘍
エコーでしこりなんかは白く見えることが大けど、黒く抜けて見える部分があったりもするんだ。
これは「のう胞」っていう液体の袋のことが多いんだ。
エコーは液体は黒く表示するから、それによるものだね。
これは、ほとんどが良性で心配いらないんだけど、大きさが変わったり、痛みがあるときは経過をみることもあるよ。
甲状腺がん
あとは甲状腺がんもエコーで早期に見つかることがあるんだ。
悪性を疑う特徴としては、
- 形がいびつ
- 境界がぼやけている
- 内部に白い点のような「石灰化」が見える
こういった時には、悪性化もしれないと考えるよ。
ただこれで診断をつけるわけじゃなくて、気になる場合は、細い針で細胞をとって調べる検査(穿刺吸引細胞診)を行うこともあるんだ。

エコー検査でもいろいろ分かるんだね。

体の状態をリアルタイムで見ることが出来るのがエコーの検査だから、本当に大切な検査だよね。
まとめ
今回は甲状腺エコーについて話をしてきたよ。
・甲状腺エコーは首の前にある甲状腺を超音波で見る検査
・しこりや腫れ、血流の変化などを詳しく調べられる
・橋本病やバセドウ病、甲状腺がんなどの早期発見にも役立つ
・首の違和感やホルモン異常があるときは早めの検査が大切
甲状腺は、ホルモンに関係していて体のバランスを保つのに大切な臓器なんだ。
だから気になる場合には、早めにチェックしておくことで、体の変化に気づけることもあるんだ
気になったときは、一度受けてみてね。
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