
こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。
採血も終わったし、あとは結果を待つだけ!
そう思っていたのに、なぜかもう一度採血を頼まれた。
血液はちゃんと採れているはずなのに、検査ができなかった…。
あまりあることじゃないけど、なぜこんなことが起こるか知ってるかな?
今日は
「採血でちゃんと血液が採れているのに採り直しをする理由」
について話していくよ。
採った血液で検査ができない?

この前採血採れたとおもったんだけど、そのあとにもう一度採血やらせてもらってもいいですかって言われちゃった。

そうだったんだ。なんか採血で変わったことあった?

私ちょっと血管細いから2回採血してやっと採れたんだよね。

もしかして採血するのに結構時間かかってたとかある?

そういえば結構かかってたかも。
血液で採れなくて複数回採血をされた経験をしたことがある人もいると思うんだ。
でもしっかり採れたのに、なぜかもう1回採血をすることを頼まれる。
これって不思議だよね。
実は採血で血液が採れたと思っても、検査ができない理由がいくつかあるんだ。
これって起こってほしくないんだけど、稀に起こってしまうことがあるんだよね。
なんでこんなことが起きるかというと、採血したときには、「これで大丈夫!」と思っても、
検査をする時に血液を確認すると「うーん…」という場合があったりするんだ。
それでその場合には、検査をする側が採血をした人に
「検査ができないのでもう一度採血してください」
って伝えることがあるんだ。
これが1度採血が終わったのに、また採血をお願いされる理由だよ。
そんなにたくさん起こるわけじゃないけど、やっぱり起きてしまうんだよね。
採り直しにはこんな理由がある
どうして検査ができないかっていうと
- 溶血
- 量が足りない
- 凝固
ここら辺が多い理由になるよ。
1つずつみていくよ。
溶血について
まずは溶血から。
溶血っていうのは
赤血球がなんらかの理由で壊れてしまうこと
をいうんだ。
この壊れる原因って、一番多いのは採血のやり方の問題なんだよね。
採血で血を入れる容器があると思うんだけど、あれを「スピッツ」っていうよ。
中に薬が入っているものがあって、しっかり血液全体に薬が混ざるようにスピッツを振らないといけないんだよね。
だけどその時にガンガン振ったりすると溶血してしまう可能性があるんだ。
この他に、やり方というよりは採血の器具で細すぎる針を使うと溶血するときもあるんだ。
細い針の方が痛くなさそうなのに
「なんでわざわざ太い針を使うのかな」
とか疑問に思ったことない?
これは溶血を防ぐためなんだ。
こんな感じで溶血を起こしてしまうと、検査ができないときがあるんだ。
量が足りない
あとは単純に量が足りない時。
普通はスピッツに決まった量が入るから少ないとかないんだけど…
採血がやりにくい人では量が採れなくて検査ギリギリ量だけを採血する時もあるんだ。
採血する人も確認をして「このぐらいで大丈夫かな」と検査に回したりする時もあるんだけど、やっぱりどうしても足りない時もあるんだ。
こういう時も検査をするためにもう一度採血をお願いする時もあるよ。
凝固とは
そしてもう一つが凝固。

凝固って何か分かる?

血が固まること?
そうだね。
血液が固まってしまうことを凝固っていうよ。
液体なのに固まるって不思議だよね。
でもこれってちょっと考えればわかることなんだ。
ちょっと凝固については難しいから詳しく見ていくよ。
固まっていたってどういうこと
採血した時や怪我した時に血がずっと止まらないってないよね。
こうやって傷ができても人間の体って、血液を固めて傷を塞ぐという機能があるんだ。
でも検査をする前に血液が固まってしまうと検査ができないんだ。
血液は固まってしまうのに固まった血液では検査ができない…
どうするのかというと、実はさっきもちょっと話したんだけど、
スピッツの中には薬が入っている
その薬っていうのが血液を固まらせない薬になるよ。
でもそれでも固まってしまうことがあるんだ。
それって病気?
その理由というのが
- 採血するのに時間がかかってしまった
- 採血した後にしっかりと薬と血液を混ぜなかった
この2つが主な原因になるんだ。
だから基本的には自然なもので、病気とは無関係なことが多いんだ。
血液は体から外に出ると自然と固まり始めるから、採血に時間がかかればかかるほど固まるのはわかるよね。
だから薬がある。
でもこの薬と血液をしっかり混ぜないと、やっぱり効果がないのもわかるよね。
逆に混ぜすぎると溶血してしまうからよくないけど、混ぜないと固まってしまう。
なんでもほどほどが一番ってことだね。
ただ採血に問題がなくて、しっかり混ぜることもしていても人によっては血液が固まってしまうことがあるんだ。
これはもしかしたら血液が固まりやすい病気かも知れないんだ。
痛くて嫌かもしれないけど、こういうことを知るために採血って本当に重要な検査なんだ。
まとめ
今日は採血で1回採れても、もう一度採血をお願いされる理由について話をしたよ。
・採血する人が大丈夫だと思っても、検査をするときに確認をすると検査が出来ない血液の状態の場合がある
・この時には再度採血をする必要がある
・理由としては溶血、量が足りない、凝固が主な理由になる
採血の時のやり方もそうだけど、人によっては採血がやりにくい人っていうのもいて、それが原因になっていることもあるんだ。
採血って痛い検査だから「もう一度」と言われると本当に嫌だよね…。
でもこういうこともあるというのをわかってくれたら嬉しいな。
●関連記事
採血で採った血液で、どんなことを検査しているのかはここでまとめたよ。




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