
こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。
今日は血液検査の項目の中でMCHCについて解説していくね。
MCHCは、この値だけで何かを見るというよりもMCVとMCHという値と組み合わせて使うんだよ。
その3つで
「貧血の原因を探るための検査項目」
になっているよ。
ここではその中のMCHCについて解説していくよ。
血液検査の項目に実はあったりするんだけど、詳しく知らない人も多いんじゃないかな。
そこで今日はMCHCについて
- MCHCって何?
- 高いときに考えること
- 低いときに考えること
- MCV・MCHとの関係と貧血
こういったことを話していくね。
MCHCとは?
MCHCは略さずに書くとmean-corpuscular-hemoglobin-concentration。
日本語にすると
平均赤血球ヘモグロビン濃度
と呼ばれているよ。
ヘモグロビンっていうのは、赤血球の中にあって酸素を運ぶ大切な役割をしているものだね。
ちなみにMCHは「赤血球1個あたりのヘモグロビン量」になるよ。

量と濃度って意味同じじゃないの?

確かに2つのコップがあって、同じコップなら量によって濃度も決まるね。
実は同じ赤血球でも大きさがちょっと違ったりするんだ。

こんな感じで、大きいコーヒーカップだと100倍くらい砂糖が入っていないと同じ濃度にならないよね。
だから量だけじゃなくて濃度というのも重要ってことだね。
MCHCは「赤血球の中でヘモグロビンがどれくらいの濃さで詰まっているか」を示している
MCHCの基準値
そうしたら次は基準値だね。
MCHCの基準値はこんな感じだよ。
もしかしたらg/dLと書かれている時もあるかもしれないけど、意味は一緒だよ。
この範囲内なら赤血球の中にちょうどよい濃度でヘモグロビンが入っているってことだね。
濃度だから…
- 基準値より低い:薄い状態
- 基準値より高い:濃い状態
これを意味しているってことだね。
赤血球の濃さをみるMCHC
次はこのMCHCをどうやって測定しているかという部分だね。
実はこれって実際に測定をしているわけじゃなくて、他の検査項目の値から計算して出しているんだ。
計算方法はこれだよ。
MCHC=ヘモグロビン値(g/dL ÷ヘマトクリット値(%)×100

ヘモグロビンはさっき説明があったけど、ヘマトクリットって何?
こんな疑問が出てくるよ。
ヘマトクリットっていうのは
血液中にある赤血球の割合
と考えてもらえるといいかな。
赤血球は、ヘモグロビンをたっぷり詰め込んだ袋のようなもの。
赤血球が小さすぎたり、中身のヘモグロビンが不足していると、袋の中身はスカスカになってしまう。
逆に赤血球の大きさは普通でも、中に入っているヘモグロビンが少なければ薄い状態になるよね。
その「濃さ」を数値で表したのがMCHCになるよ。
貧血とMCHCの関係性
最初にも話したようにMCHCはMCHとMCVと併せて、貧血のタイプを区別する時に役立つんだ。
まとめるとこんな感じだね。
MCH | MCV | MCHC | 疑われる貧血の種類 |
---|---|---|---|
基準値より低い | 基準値より小さい | 基準値より低い | 鉄欠乏性貧血、慢性的な出血による貧血など |
おおよそ基準値内 | おおよそ基準値内 | おおよそ基準値内 | 再生不良性貧血、溶血性貧血など |
基準値より高い | 基準値より大きい | おおよそ基準値内 | 溶血性貧血、巨赤芽球性貧血など |

すべてが基準値内でも貧血になるんだ。

貧血はヘモグロビンの値が関係しているからね。
この3つの項目はあくまでも『貧血の原因』を追究する検査だよ。
ヘモグロビンが低い状態で1つだけ見ても「おそらくこれかな?」という予測はたてられても、判断することは出来ない。
血液検査だけじゃないけど、いろいろな検査を複合してみるって重要なことなんだ。
まとめ
今日は貧血の原因を追究する項目の1つのMCHCについて解説したよ。
・MCHCとは平均赤血球ヘモグロビン濃度
・赤血球の中でヘモグロビンがどれくらい濃いかを示す
・基準値:32〜36%(g/dL)
・MCHC=ヘモグロビン値(g/dL ÷ヘマトクリット値(%)×100
・低い場合には鉄欠乏性貧血、慢性的な出血による貧血など
・MCHとMCVと併せて診ることが重要
こんな話だったね。
- MCH
- MCV
- MCHC
ちょっと分かりにくい検査項目。
でも貧血って多くの人が経験をしたことがあると思うんだ。
それがなぜ起こっているのかの原因が分からないと治療をすることも出来ない。
だからぜひ自分でも覚えてね。
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ここではMCH、MCV、MCHCの概要をまとめて解説しているよ。

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