
こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。
血液検査の項目にある「AST」「ALT」という項目を気にして見たことがあるかな?
異常がなければ飛ばして見ちゃうという人もいるよね。
でもこの2つをしっかり見ると「こんなことも分かるんだ!」ってこともあるんだよ。
だから今回は…
- ASTとALTとは?
- 肝臓は沈黙の臓器
- 2つの関係性
- 高い時には何が分かる?
こういった内容で話をしていくね。
AST・ALTとは?
最初はこの2つが何を表しているかっていう部分について話していくよ。

ちなみにお姉さんは、この2つって何を見ているか知ってる?

肝臓の数値くらいの感覚かなー。
お姉さんが言っているように、ASTとALTは肝臓の病気を調べる時にみるものだね。
とは言ってもASTに関しては、他の病気でも上がったりするよ。
これは病気の話をするときに、話していくね。
このASTとALTの働きは、人にとって大切なグルタミン酸というアミノ酸を作る酵素になるんだ。
肝臓を見る項目
ちなみに肝臓の検査項目には他にもγ-GT(P)なんかもあるね。
肝臓って血液検査の項目の中でも、いろいろな項目で見ることが出来るんだ。
これは肝臓って予備能っていう機能があって、自覚症状が出にくいからという理由もあるんだ。
ちなみに予備能って何か分かる?

もう1個肝臓があるってこと?

肝臓は1つだけど、あながち間違いじゃないかも。
この予備能っていうのは、肝臓が一定の障害を受けても機能が維持できるようにするものだよ。
肝臓って人が生活をする上で、本当にいろいろな機能があるんだ。
だから予備能で維持できるようにしているわけ。
でもその反面、維持してしまうから肝臓って病気にかかっても無自覚のままが多いんだ。
この理由で
『沈黙の臓器』
とか言われたりするよ。
確かに肝臓は人の体で唯一、再生可能な臓器なんだ。
だけど一度壊れてしまうと、元の状態に戻すのに時間がかかってしまうんだ。
だから自覚症状が出る前に検査を受けて、肝臓の病気を見つけることが大切ってことだね。
というので、ちょっと話がそれちゃったけど…
その中のASTとALTを1つずつ説明していくね。
ASTとは
ASTとは「アスパラギン酸トランスフェラーゼ」という名前だよ。
たまに検査項目のところに「GOT」って書いてあることもあると思うんだ。
ASTとGOTは全く同じものになるよ。
ASTは肝臓だけでなく、心筋や骨格筋、赤血球など、いろいろな臓器にあるんだよ。
最初に「ASTは他の臓器でも上がる」って話をしたよね。
それはこうやっていろいろな臓器にあるからだね。
ALTとは
次にALTの説明をするね。
ALTとは「アラニントランスフェラーゼ」という名前になるよ。
こっちは「GPT」と書かれている時もあるね。
ASTと同じように、ALTとGPTは同じものになるよ。
ALTは主に肝臓に多く存在しているよ。
だからALTに関しては、主に肝臓を状態を見るためのものになるね。
ASTとALTの関係性
じゃあこのASTとALTの関係性について話をしていくよ。
この2つの違いは何を分解するかってこともそうなんだけど…
一番重要なのはどの臓器にあるかということなんだ。
- ALTは主に肝臓
- ASTは肝臓以外の臓器にもある
どうしてこれが重要か分かる?

比較して見ると、どこが原因か分かりそう!

鋭いね!
この2つって臓器の中にあるわけだよね。
だから臓器に何かしらの障害があると、血液中に放出される。
結果として血液検査の際に値が高くなるってことだね。
その際に2つを比較することで、肝臓かそれ以外かを判別できるんだ。
AST・ALTが高い時はどんな時?
ASTとALTの数値の高くなり方としては、2種類あるんだ。
それが…
- ASTとALTどちらも高い
- ASTだけが高い
まずはASTもALTも数値が高くなっている時。
これはASTもALTどちらにも存在している臓器に関係するってことだね。
この時はだいたい肝臓の障害を疑うことが多いよ。
もう1つの方がASTだけが高くなっている時。
この時はASTだけが存在する臓器に障害かあることを疑うよ。
具体的には
- 心筋梗塞
- 筋疾患
- 溶血性貧血
こういった肝臓以外の病気だね。
ちなみにASTは採血時の溶血によって高くなったりするよ。
他にも激しい運動をした時なども高い値が出たりするんだ。

赤血球とか筋肉とかにあるからだね!

おぉ!!今日は鋭すぎてびっくりだよ!
こうやってASTとALTという値だけでも、推測が出来たりするんだ。
まとめ
今日は肝臓の数値としてAST・ALTについて解説をしたよ。
・ALTは肝臓にある酵素
・ASTは肝臓以外に色々な臓器にある酵素
・肝臓に障害があると2つが上がる
・ASTのみが上がった場合は肝臓以外
・肝臓は自覚症状がなかなか出ない沈黙の臓器と呼ばれる
・そのため検査としての項目が多め
こういった内容だったね。
肝臓って自覚症状がなかなか出ない沈黙の臓器。
だからこうやっていろいろな項目で肝臓の状態を確認しているってことだね。
もし健康診断を受けたりしたら、確認してみてね。
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