
こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。
健康診断や病院の血液検査で、「TP」という項目を見たことはあるかな?
TPは「Total Protein」の略で、日本語では総蛋白と呼ばれている検査なんだ。
名前の通り血液中に含まれているたんぱく質を調べていて、栄養状態だけでなく肝臓や腎臓の状態、免疫に関係するたんぱく質の変化などを考える手がかりになるよ。
ただし、「TPが低い=たんぱく質を食べていない」「TPが高い=たんぱく質を食べすぎている」という単純な検査ではないんだ。
今回はTPについて
- 何を測っている検査なのか
- 基準値
- 高くなる原因・低くなる原因
- 結果を見るときのポイント
こういったところを分かりやすく解説していくね。
TP(総蛋白)とは?

まずはTPが何を測っている検査なのかから見ていこう。
簡単にいうと、血液中に含まれているさまざまなたんぱく質をまとめて測った値がTPなんだ。
TPは血液中のたんぱく質の合計
「たんぱく質」と聞くと、肉や魚、卵などの食べ物をイメージする人も多いよね。
もちろん食事からとるたんぱく質も大切なんだけど、体の中ではそれを材料として、さまざまなたんぱく質が作られているんだ。
血液中にも多くの種類のたんぱく質があって、TPではそれらをまとめて測っているよ。

じゃあTPを見れば、食事でたんぱく質が足りているか分かるってこと?

栄養状態を考える手がかりにはなるけど、それだけではないんだ。
肝臓で作る量や腎臓などから失われる量、体の水分量などでもTPは変化するんだよ。
主な成分はアルブミンとグロブリン
血液中のたんぱく質は、大きく分けるとアルブミンとグロブリンに分けて考えることができるよ。
- アルブミン:血液中に多く存在し、水分を血管内に保ったり、さまざまな物質を運んだりする
- グロブリン:免疫に関係する免疫グロブリンなど、いろいろなたんぱく質が含まれる
つまりTPは、これらを一つずつ測っているのではなく、血液中のたんぱく質全体がどのくらいあるかを見ている検査なんだ。
TP(総蛋白)の基準値と見方

次は血液検査の結果を見るときに気になる基準値についてだね。
TPは一般的に「g/dL」という単位で表示されるよ。
TPの基準値
TPの基準範囲は、一例として6.5~8.1g/dL程度だよ。
高い・低いだけでは原因は分からない
ここで大切なのが、TPはたくさんのたんぱく質をまとめた数値だということなんだ。
例えばTPが低かったとしても、何のたんぱく質が減っているのかまではTPだけでは分からないよ。
逆にTPが高い場合も、体内のたんぱく質そのものが増えている場合だけではなく、脱水によって血液が濃くなり、相対的に高く見えることもあるんだ。
TPは「高いか低いか」だけで病気を判断する検査ではない
これを覚えておくと、検査結果を理解しやすくなるよ。
TP(総蛋白)が低くなる原因

TPが低くなるということは、血液中にあるたんぱく質の合計が少なくなっているということだね。
その理由はいくつかあって、「食事からたんぱく質を取っていない」だけで考えないことが大切なんだ。
たんぱく質を作れない・材料が足りない
血液中の主要なたんぱく質であるアルブミンは、主に肝臓で作られているんだ。
そのため、肝臓の働きが大きく低下してアルブミンを十分に作れなくなると、TPも低くなることがあるよ。
また栄養不足や、消化管から栄養を十分に吸収できない状態などでも血液中のたんぱく質が低くなることがあるんだ。
体の外へ失われる・血液が薄まる
作る量だけではなく、たんぱく質が体の外へ失われてもTPは低くなるよ。
例えば腎臓には、血液をろ過して尿を作りながら、必要なたんぱく質はできるだけ血液中に残す働きがあるんだ。
だけど腎臓の病気などによって多くのたんぱく質が尿へ漏れるようになると、血液中のたんぱく質が減ることがあるよ。
ほかにも消化管からたんぱく質が失われたり、体内の水分が増えて血液が薄まることで、TPが低く見えたりすることもあるんだ。

TPが低かったら、たんぱく質をたくさん食べればいいわけじゃないんだね。

その通り。
作れないのか、失っているのか、それとも別の理由なのかを考える必要があるんだ。
TP(総蛋白)が高くなる原因

逆にTPが基準値より高くなる場合もあるよ。
この場合も「たんぱく質を食べすぎたから高くなった」と考えるのではなく、体の中で何が起きているかを考える必要があるんだ。
脱水で血液が濃くなっている
TPが高くなる原因として分かりやすいのが脱水だね。
脱水になると体内の水分が減るよね。
すると血液中の水分も少なくなって、同じ量のたんぱく質があっても相対的に濃くなって、TPが高く測定されることがあるんだ。

同じ量の薄めるカルピスを多い水で薄めるか少ない水で薄めるかで味が違う感じだね。

まさにそんな感じだね(笑
だから採血したときの体の水分状態も結果に関係するんだよ。
グロブリンなどのたんぱく質が増えている
もう一つは、血液中のたんぱく質そのものが増えている場合だね。
例えば感染症や慢性的な炎症、自己免疫疾患などでは、免疫に関係するグロブリンが増えてTPが高くなることがあるよ。
また、多発性骨髄腫など一部の血液の病気では、特定の免疫グロブリンが多く作られることでTPが高くなる場合もあるんだ。
TPを見るときに一緒に確認したい検査

TPは血液中のたんぱく質をまとめた数値だから、TPだけでは「何が増えたのか」「何が減ったのか」までは分からないんだ。
そこで、ほかの血液検査と組み合わせて原因を考えていくよ。
アルブミン(ALB)とA/G比
特に一緒に確認することが多いのがアルブミン(ALB)だね。
TPは血液中のたんぱく質全体だけど、ALBはその中のアルブミンだけを測っているよ。
さらに検査結果にはA/G比という項目が載っていることもあるんだ。
Aはアルブミン、Gはグロブリンのことで、この2つのバランスを見ている数値だよ。
こうして分けて見ることで、TPだけを見るよりも原因を考えやすくなるんだ。
肝機能や腎機能なども合わせて見る
TPが低い場合には、アルブミンだけでなくAST・ALTなどの肝臓に関係する検査。
BUN、クレアチニンなどの腎機能、尿蛋白などを一緒に確認することもあるよ。
TPが高い場合も、炎症に関係する検査や血球の検査、必要に応じて血液中のたんぱく質をさらに詳しく分けて調べる蛋白分画や蛋白電気泳動などが行われることがあるんだ。
こうやって、TPは原因を一つに決める検査ではなく、ほかの検査につなげて体の状態を考えるための手がかりになるんだ。
TPが高い・低いと言われたらどうすればいい?

健康診断などでTPに「H(高い)」や「L(低い)」が付いていると、病気なのか心配になるよね。
でもTPは、1回基準範囲から外れただけで原因や病気が決まる検査ではないんだ。
まず確認したいのは、
- どのくらい基準範囲から外れているのか
- 以前の結果と比べて変化しているのか
こういった部分だね。

あと脱水も関係するって言ってたしね。

そうそう。だからTPだけを見て「この病気だ」と自己判断するのではなく、ほかの検査結果や症状と合わせて考えることが大切なんだ。
あと特に低値だったときに、「たんぱく質が足りないなら肉やプロテインを増やせばいい」と考えてしまいそうだよね。
でも、肝臓で十分に作れていない場合や、腎臓などから失われている場合には、単純に食事だけで解決する問題ではないんだ。
逆に高値だからといって、食事からたんぱく質を取りすぎたと決めつけることもできないよ。

じゃあ数値が外れていたら、どうすればいいの?

まずは一緒に測っているALBや肝機能、腎機能などの結果も確認してみてね。
大きく外れていたり、繰り返し異常が続いたり、ほかの検査にも異常がある場合は医療機関で相談することが大切だよ。
まとめ

今回は血液検査のTP(総蛋白)についてまとめてきたよ。
・TPは血液中に含まれるたんぱく質の合計を測る検査
・主な成分としてアルブミンとグロブリンがある
・TP低値では栄養不足だけでなく、肝臓で作れない、腎臓などから失われるといった原因も考える
・TP高値では脱水やグロブリンなどの増加が関係することがある
・TPだけでは原因まで分からないため、ALBやA/G比、肝機能、腎機能などと合わせて見る
・基準範囲から外れても1回のTPだけで病気を判断しない
TPという名前だけを見ると、「体の中にたんぱく質がどのくらいあるかを見るだけの検査」と思いやすいよね。
でも実際には、作る・失う・増える・血液が濃くなるといったいろいろな理由で数値が変化するんだ。
だからTPが高かったり低かったりしても、食事だけの問題と決めつけず、ほかの検査結果と一緒に見ることが大切だよ。
まずは「TPは血液中のたんぱく質全体を見る検査」と覚えておいてね。



コメント