40代女性からの質問

よく食品に『機能性表示食品』という表示があるのですが、あれってどういったものなのですか?
薬やトクホとの違いを知りたいです。

こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。
今回は機能性表示食品について「これって何?」という質問があったから、回答をしていくね。
内容としては、
- そもそも機能性表示食品とは?
- 医薬品やトクホとの違い
- 効果はあるのか?
こういった点で解説をしていくね。
お店とか商品がおいてあることも多いから、ぜひ参考にしてみてね。
機能性表示食品とは?
機能性表示食品ってね、簡単に言うと
「この食品には◯◯をサポートする働きがあるよ」
って企業が自分で科学的な根拠を集めて表示している食品なんだよ。

なんか名前の通りだね。

そうそう。『機能』を『表示』している『食品』ってことだからね。
これは後でも話すけど、他にもトクホ(特定保健用食品)というものがあるけど、実はあれとは違うものになるんだ。
トクホは国の審査を受ける必要があるけど、機能性表示食品は特に審査は必要ないんだよ。

えっ、じゃあ効果がなくてもいいってこと?

そういうわけじゃないから安心して。
審査ではないけど、企業が責任を持ってデータをそろえて届け出を出すことで販売できる仕組みになっているんだよ。
だから、お店で
- お腹の調子を整える
- 脂肪の吸収を抑える」
こんなパッケージを見かけたら、それは企業が科学的な根拠を基にそう説明している食品ってことなんだ。
制度自体は2015年から始まった比較的新しいもので、トクホよりも手軽に商品が出せる分、市場にも種類がめちゃくちゃ多いんだよ。
それでさっきお姉さんが疑問に感じた部分が、難しいところだけど…
「国が効果を保証しているわけじゃない」
というところがポイントなんだ。
あくまで企業が自分で責任を持って表示しているっていう仕組みなんだよ。
どんな届出を出すの?

この届出って、どんなものなの?

そこの部分も、簡単に説明するね。
基本的に機能性表示食品として販売するには、企業が消費者庁に対して
「この食品にはこんな機能があるよ」
と根拠をまとめた届出を提出しないといけないんだよ。
内容としては、例えば
- 人で実施した試験の結果
- 過去の研究をまとめたシステマティックレビュー
っていう科学的な根拠が中心になるね。
それに加えて、
- 安全性に問題がないか
- どのくらい摂取すれば機能が期待できるのか
- 消費者が誤解しないような表示になっているか
みたいなことも細かく提出する必要があるんだよ。
ただ、こういったデータは国が審査したり評価したりするわけじゃなくて、「企業が責任を持つ」っていうスタイルになっているんだ。
だから同じ機能をうたっていても、商品ごとに根拠の質が違うこともあるんだよ。
医薬品やトクホとの違い
ここまでで薬との違いは、なんとなくわかってくれたと思うんだ。
でもお店の商品の中で『トクホ』って言うのを見たこともある人も多いよね。

お茶とかコーラとかにあるやつだね!

そうそう。実はあれも全く別物なんだよ。
そんな医薬品とトクホ(特定保健用食品)との違いを簡単に表でまとめたよ。
| 分類 | 国の審査 | 目的 | 根拠の厳しさ | 表示できる内容 |
|---|---|---|---|---|
| 医薬品 | あり (非常に厳しい) |
病気を治す・改善する | 最高レベル (大規模臨床試験など) |
治療効果を表示できる (例:血圧を下げる) |
| トクホ | あり (個別審査) |
健康の維持・改善 | 高い (試験データの提出が必須) |
特定の保健効果を表示できる |
| 機能性表示食品 | なし (届出のみ) |
健康のサポート | 商品により差が大きい (企業が責任を持って提示) |
科学的根拠に基づく「機能」を表示できる |
医薬品は、効果や安全性を国がしっかり審査して「この病気に効きますよ」ってお墨付きを与えるものなんだね。
手に入れるには、医師の処方箋が必要だったりするし、治療目的で使われるものだね。
次にトクホ(特定保健用食品)は、食品だけど国が個別に審査して許可を出す仕組みになっているんだ。
効果を示すためのデータもかなり厳しくて、試験も大規模に行われることが多いんだよ。
それに対して機能性表示食品は、国が審査しているわけじゃなくて、企業が自分のデータをもとに届出だけする制度なんだ。
効果はあるの?

なんかここまで聞くと、機能性表示食品って効果があるの?って思っちゃうね…

ここが一番気になるポイントだよね。
結論から言うと、
効果が期待できる根拠はあるけど、「誰にでも必ず効く」とか「医薬品並みに効く」ってわけではない。
なんてちょっと曖昧な回答になっちゃうんだよね。
企業が提出する根拠には、人を対象にした試験や複数の論文をまとめたデータが使われているから、確かに一定の信頼性はあるんだ。
だけど、研究で得られた効果って『統計的にみると有意差があった」という感じであったりもするから、「誰でも劇的に変化する」っていうわけじゃないんだ。
個人差も大きくて、生活習慣や体質によっては効果を感じにくい人もいると言われているよ。
つまり「効果の可能性は示されているけど、約束されているわけではない」というのが正しい理解だね。

「効果がある可能性はあるけど、条件によって差が出る」くらいに思っておくのがいいってことだね。

そうそう。完全にそれに頼るというよりも、補助的に考えるくらいってことだね。
機能性表示食品でよく見る機能の例
ちなみに市販の機能性表示食品でよく見かけるのは、例えばこんな働きなんだよ。
- 脂肪の吸収を抑える
- 食後の血糖値の上昇をゆるやかにする
- お腹の調子を整える(ビフィズス菌など)
- 目のピント調節をサポートする(ルテインなど)
- 睡眠の質を改善する(GABAなど)
- 記憶力の維持に役立つ(イチョウ葉など)
こういう表示は、企業が科学的根拠に基づいて届出をしているから書ける内容なんだよ。
まとめ
今回は機能性表示食品について、解説をしてきたよ。
・機能性表示食品は、企業が科学的根拠を示して「機能」を表示する食品
・国の審査はなく、企業が責任を持って消費者庁へ届出を行う仕組み
・医薬品・トクホとは審査の厳しさや目的が全く違う
・効果は期待できる根拠はあるが、「誰にでも必ず効く」ものではない
・根拠の質や感じ方には個人差があるから、補助的に使うイメージで捉える
こういった内容だったね。
審査自体はないけど、企業がしっかりとデータを揃えてくれているものが機能性表示食品というものだったね。
これだけ飲めば・食べればOKというものじゃないけど、うまく生活に取り入れると役に立つことも多いから、気になったらぜひチェックしてみてね。
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