
こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。
今日は『胃』についてまとめていくよ。
僕たちが生きていくのに欠かせない食事。
だけど食べたものって、そのままでは体でエネルギーとして使えないよね。
そんな食べ物を吸収しやすいようにしてくれるのが胃になるよ。
そんな胃について
- 胃の構造
- どうやって食べ物を処理しているか
- 胃酸とは何か?
- 胃の検査について
- 主な異常や病気
こういった感じで胃について詳しく解説をしていくよ。
胃の構造

まずは胃の構造から解説していくね。
胃は、食道と小腸のあいだにある袋みたいな臓器になるよ。
見た目はちょっとふくらんだJの字に似ていて、食べ物をまず受け止める場所になるんだ。
単純に胃と言っても実はエリアに分かれていて大きく分けると
- 噴門
- 胃底部
- 胃体部
- 幽門
っていうエリアがあって、それぞれに役割があるんだよ。
噴門は食道から入ってきた食べ物の入口。
胃底部と胃体部は食べ物をためたり、混ぜたりするメインの場所。
幽門は小腸に送り出す出口みたいなところになるよ。
胃の壁
胃の壁もけっこう複雑に出来ているんだ。
外側から
- 漿膜
- 筋層
- 粘膜
の3つの層に分かれているんだよ。
筋層は縦・輪・斜の3つの向きの筋肉があって、これがギュッギュッと動いて食べ物をかき混ぜてくれるよ。
一番内側の粘膜には、胃酸から胃を守るための粘液を出す細胞や、消化に関わる物質を作る細胞がたくさんあるんだよ。
もしこの粘膜が弱くなると胃が荒れたり、炎症が起きたりするんだ。
どんな働きがあるの?
次は胃の働きについて話をしていくね。
胃のいちばん大きな仕事は、みんながイメージしている通りだね。
食べ物をいったん受け止めて、消化しやすい状態に変えてあげることになるんだよ。

でも食べ物って腸でも消化するんじゃないの?

あとでも詳しく話をするけど、胃は準備、腸は本番って感じだね。
食べ物ってそのままだと大きすぎて、小腸が吸収できないんだよね。
この胃が消化のための働きとして大きくは
- ためる
- 混ぜる
- 殺菌する
という3つになるんだ。
●ためる
まずためるっていう役割だね。
一気に食べ物を食べても小腸にどばっと流れないように調整してくれるんだよ。
これがないと、腸がびっくりしちゃうんだよ。
●混ぜる
次に混ぜるっていう働き。
胃の筋肉がギュッギュッと動いて、食べ物を細かくして、胃酸や消化酵素とまんべんなく混ぜていくんだ。
これで食べ物がどろどろになって、小腸が処理しやすい形になるんだ。
●殺菌する
それから殺菌するって役割もめちゃくちゃ大切なんだ。
外から入ってくる細菌を、強い胃酸でやっつけてくれるんだよ。
これがないと、腸まで菌が行っちゃって大変なんだよね。
一応この他には、内因子っていうビタミンB12を吸収するための物質も作ってるんだ。
これがないと赤血球がうまく作れなくなっちゃうから、地味だけどすごく大切なんだよ。
胃酸って何からできているの

そういえば胃って胃酸で消化しているのは知ってるけど、あれってなんなの?

胃を知るためには、すごく重要な部分だね。
胃酸というのは、名前のとおり「酸」なんだけど、その正体のほとんどが塩酸なんだよ。
胃の中の「壁細胞」っていう細胞があって、そこで塩酸が作られるんだ。
さらにちょっと難しいけど、水と塩(ナトリウムとかのイオン)から、水素イオンと塩化物イオンを出して、それが胃の中で結びつくことで強力な塩酸になる仕組みなんだよ。
塩酸って聞くと「そんなのが体の中にあって大丈夫なの?」って思うよね。
でも胃の中では胃の粘膜を覆う『胃粘液』が保護して、安全に使えるようにコントロールされているんだよ。
胃と腸の消化の違い
さっきお姉さんが言っていた胃と腸の違いを話していくね。
この2つってどっちも消化をしているんだけど、実はやっていることが全然ちがうんだ。
簡単に言うと、
- 胃:下ごしらえ
- 腸:本番の調理
って感じなんだよ。
まず胃はね、強い酸とペプシンを使ってタンパク質を少し分解するんだ。
でもまだこの時には、完全には消化できないんだ。
あくまで食べ物を細かくしてどろどろにする、いわば準備段階なんだよ。
そんなどろどろにしたものを小腸では、本格的な分解と吸収を担当しているんだ。
すい臓から来る消化酵素や、胆のうから出る胆汁なんかを使って、脂肪・糖質・タンパク質を全部しっかり細かくしていくんだよ。
そこから小腸の粘膜には「絨毛」っていう細かいヒダがたくさんあって、そこから栄養を吸収するんだよ。
胃では栄養をほとんど吸収できないから、ここが大きな違いなんだ。

なるほどね。胃は消化の準備と殺菌、小腸は消化の本番と吸収っていう役割分担になっているんだね

そうそう!
胃を調べる検査
次は胃を調べる検査について話をしていくね。
胃を詳しく調べるときには、いくつか方法があるんだけど、その中でもいちばん有名なのが胃カメラになるよ。
●胃カメラ
口や鼻から細いカメラを入れて、胃の中を直接見ることができる検査だね。
この検査では、炎症とかポリープとか潰瘍なんかもハッキリわかるんだよ。
必要ならその場で組織を少し取って調べることもできるから、胃の精密検査としては重要なんだ。
●バリウム検査
次に「バリウム検査」っていう方法もあるんだよ。
白いドロッとしたバリウムっていう液体を飲んで、X線で胃の形や動きを見るやつだね。
カメラより細かい部分は見えにくいけど、胃の形の異常や腫瘍の影を見つけるのに向いているんだ。
●ピロリ菌検査
それから「ピロリ菌の検査」というのもあるね。
ピロリ菌は胃炎や潰瘍、さらには胃がんのリスクにも関わるから、
早めに調べておくと安心なんだ。
ピロリ菌を調べる検査方法はいろいろあって、呼気検査(息を吹くやつ)、血液、便、胃カメラでの検査などがあるんだよ。
●血液検査
あとは、血液検査で貧血や炎症の出方をチェックして、間接的に胃の状態を推測することもあるんだよ。
胃そのものを映すわけじゃないけど、ヒントにはなるんだ。
こんな感じで胃を調べる方法はいくつかあるんだけど、症状や目的によって使い分けるんだよ。
主な胃の異常と病気
最後に胃の異常について話をしていくね。
今回は代表例として
- 胃炎
- 胃潰瘍、十二指腸潰瘍
- 逆流性食道炎
- 胃ポリープ
- 胃がん
について話をしていくね。
胃は、ストレスとか食生活とか菌の影響でいろんなトラブルが起きやすい場所なんだ。
●胃炎
まず代表的なのが「胃炎」だね。
急に起こる急性胃炎は、ストレスとかお酒の飲み過ぎ、薬なんかで一気に胃が荒れるタイプ。
逆に「慢性胃炎」は長い時間をかけてじわじわ炎症が続くもので、その原因でよくあるのがピロリ菌なんだよ。

だからピロリ菌を検査するのって大切なんだね。

そうだね。異常が起こる原因を1つずつ調べるのが大切ってことだね。
●胃潰瘍、十二指腸潰瘍
次に「胃潰瘍」や「十二指腸潰瘍」も有名だよね。
これは胃酸が強すぎたり、ピロリ菌がいたりして、胃の粘膜が深くえぐれるように傷ついてしまう状態なんだよ。
ひどいと出血したり、黒い便が出たりすることもあるから注意が必要なんだ。
●逆流性食道炎
あとは「逆流性食道炎」も忘れちゃいけないね。
胃酸が食道に逆流して、胸やけとか喉の違和感が出る病気なんだ。
食べ過ぎや肥満、姿勢なんかも関係していて、意外と身近だよね。
●胃ポリープ
他にも「胃ポリープ」っていうできものができることもあるんだ。
多くは良性で問題ないけど、種類によっては経過観察が必要なものもあるから、検査で見つかったら医師と相談しながら様子を見る必要があるよ。
●胃がん
そして一番気をつけたいのが「胃がん」になるね。
日本では比較的多い病気で、特にピロリ菌と関係が深いんだ。
早期に見つかれば治療しやすいから、定期的な検査がほんとに大事なんだよ。
こんなふうに胃の病気はいろいろあるけど、どれも早めに気づければ対処しやすいと言われているよ。
まとめ
今回は胃についてまとめてきたよ。
胃ってね、食べ物をためたり混ぜたりして、小腸が処理しやすい形に整える大事な場所
胃酸や酵素で消化の準備をしたり、細菌をやっつけたり多機能
検査は胃カメラがいちばん詳しく見えて、バリウムやピロリ菌検査も状況によって使い分ける
胃炎、潰瘍、逆流性食道炎、胃ポリープ、胃がんなど、胃の病気は身近だから早めのチェックが大切
胃のことを知っておくと、ちょっとした不調の意味がわかりやすくなるんだよ。
気になる症状があったら無理しないで早めに相談してね。



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