30代女性の質問
心臓のエコーの検査で新人でもない中堅ぐらいの方が心臓エコーを見てくれたのですが、ちょっと「あれ？」という感じで、エコーを見るのに時間がかかっていました。
そのあとベテランさんらしき人に代わってもらい心臓エコーを見てもらいました。
胸部エコーというのはそんなに作業しにくい、見にくいものなのでしょうか?
エコー検査って実は思っているよりも検査をする人の技術が必要な検査なんだ。
こればかりは年齢じゃなくて経験によるものなるんだよね…。
こんにちは！
臨床検査技師のぴぃすけだよ。
今日はエコー検査についての話になるね。
エコーの検査って結構時間がかかる検査だと思うんだ。
お腹を見たり胸を見たり。
おそらく画面を見ても何がなんだかわからないと思うんだよね。
それで、実は僕たちもやっぱり最初は、あの画面を見ても全くわからない状態からスタートするんだ。
わからない状態から経験を積んで、勉強してやっとエコーって撮れるようになっていくんだよ。
今日はその中から心臓のエコーの検査がどんなことを見ていて、技術や見え方について話をしていくね。
心臓のエコー
心臓のエコーって、どんなことを見ているのかって知ってる？
心臓を見て動きとかを見ているんじゃないの？
確かにそこも重要だね。
心臓っていうのは心筋っていう筋肉でできているから、その動きを確認することで心筋梗塞なんかを見ることもできるんだ。
具体的には、心筋梗塞を見るというよりも、心筋梗塞などによって
『心筋がどの程度動いているか』
を見ているよ。
だけど実はそれだけじゃないんだよね。
他にはどんなことを見ているのかというと…。
心臓っていうのは大きな働きとして、血液を全身に送る役割があるのはみんな知っているよね。
『ギュッ』て拍動して血液を送っている。
だけど心臓の中の血液を全て全身に送ってはいないんだ。
血液っていうのは酸素や栄養素を体全身に送っているよね。
じゃあ逆に全身から心臓に戻ってきた血液っていうのは、酸素や栄養素が不足している血液っていうのはなんとなくイメージできると思うんだ。
ちなみにこれは体循環とか肺循環とかいうものだよ。
詳しくはここで話しているよ。
もしその栄養がない血液を全身に送ってしまっても、意味がなくなってしまうよね。
そうならないために心臓には4つの部屋があって、
- 酸素をもらうために肺に送るための部分
- 全身に送るための部分
こうやって分かれているんだ。
それでその中に弁というものがあって、心臓の血液は逆流しないようになっていたりするんだ。
エコーでは血液の動きを見ることで、その弁の状態なんかも見ることができるんだよ。
なんか難しそうだね。
難しいエコー検査
さっきお姉さんが思ったようにエコー検査ってすごく難しい検査になるんだ。
画面を見たことがある人はわかると思うんだけど、白黒で何が写っているのかよくわからないと思うんだ。
こんな感じだね。
そこに赤や青の色がついたりするけど、それもよくわからないよね。
だけどそのよくわからない画面を見ることで、さっき話したように本当にたくさんのことを見ることができるというわけ。
でもそのためには心臓の構造を知っていなければいけなかったり、病気の仕組みをしらなければいけなかったりするんだ。
もちろんそれだけじゃなくて、心臓を見るためにエコーの機械のプローブというものを操作しなければいけない。
画面を見ながらプローブを操作して適切な位置に当てる必要があるんだ。
でも心臓の場所って、みんな一緒じゃないの？
そうでもないんだ。
心臓の位置って、胸の中心からやや左よりにあると思われがちだよね。
だけどその中でも例えば少し縦になっていたりする人もいれば、横にねてしまっている人もいる。
後は人によっては、右側にあったりする人もいるんだ。
病気じゃなくても少し大きい人もいれば、小さい人もいる。
そんな様々な心臓を体の外側からプローブを当てて確認していかなければいけないんだ。
それって見てわかるの？
外側からだけじゃわからないよ。
確かに痩せている人はこういう傾向の人が多いとかはあるんだけど、絶対にそうとも限らない。
だからプローブを当ててはじめて、その人の心臓がどうなっているかがわかるというわけなんだ。
当ててみて「この人の心臓はこういう場所に、この向きであるな」ということを頭でイメージする。
そしてその頭でイメージした心臓に外側からプローブを当てていくという感じでやっているんだ。
最終的には画面を見て微調整という感じだね。
経験が必要そうだね。
エコー検査に時間がかかる理由
実はここが時間がかかる理由でもあるんだ。
もともとエコーの検査っていうのは、外側から色々な方向からプローブを当てることで満遍なく検査するから時間がかかる検査になるんだ。
それに追加して慣れている人でも、心臓の構造によってはかなり見にくい時もあるんだ。
技術を得るために何度も職員同士で練習をしたりするんだけど、いざ本番になるとイレギュラーなことって起こるよね。
確かに、いつもはできるのにってやつだね。
心臓エコーの場合だと呼吸によっても見え方が変わってくる場合もあるから、わかっている人を検査するとすごい楽だったりするんだよね。
このタイミングは呼吸を止めるタイミングだなって練習台の人の方もわかるからね。
だけど患者さんの場合はそうはいかないから、いつもできていることでもできないこともあるというわけ。
まとめ
今回は心臓エコーについての質問に回答したよ。
・エコーは、もともとちょっと時間のかかる検査
・人によって見えやすい見えにくいというもある
・異常がなくても時間がかかる場合もある
確かにしっかり見るためには、時間が必要。
だからと言って時間をかけていいということもない。
でもエコーってそれだけ難しい検査で、しっかりと見逃しなく見るためには時間がかかるということを知っていてもらえると嬉しいな。
検査の時間って嫌な時間だよね。
僕たちもできる限り早く終わらせる努力を日頃からしているから、検査を嫌にならないでね。
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