
こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。
今日はよく耳にする『平衡感覚』について話をしていくよ。
- そもそも平衡感覚ってどういったことを言っているのか
- それを支えている体のしくみ
- 平衡感覚が乱れるって?
- 病院で行う検査
こういった感じで、しっかり平衡感覚についてまとめていくね。
生活する上で重要な平衡感覚。
ぜひ今回その内容を知っていってね。
平衡感覚ってなに?
最初は、そもそも平衡感覚って何かというのを簡単に話していくね。

ふらふらしないようにする機能みたいになんとなくわかるけど、実際説明するとなると難しいかも。

そうだよね。でも「ふらふらしないようにする機能」ってのは、かなり正しいね。
もうちょっと詳しくいうと平衡感覚っていうのは
- 立ったり歩いたりするとき
- 目をつぶってまっすぐ立ったり
- 片足でバランスを取ったりする時
こういった時に体を保つ力のことなんだ。

ちなみに平衡感覚って、どこの働きだと思う?

脳とかじゃないの?
確かに脳がまとめて判断しているね。
でもその情報を伝えるために3つの仕組みが働いているんだ。
平衡感覚を支えている3つの仕組み
次はこの平衡感覚を支えている3つの仕組みについて話をしていくね。
① 耳の奥にある「三半規管」と「前庭」
まず大切なのが、耳の奥にある
- 三半規管
- 前庭
この部分になるよ。
ここは頭の動きや傾きを感じ取るセンサーみたいな役割をしていて、回ったり、上下に動いたりすると反応するんだよ。
② 目から入る情報
次に重要なのが目なんだ。
人間の情報のほとんどが視覚から入る情報を言われているんだ。
だから周りの景色がどう動いているかを見ることで、「自分が動いているのか」「止まっているのか」を判断している。
それを脳が処理して、今の自分の体勢を保っているってことだね。
③ 筋肉や関節の感覚
あとは足の裏や関節、筋肉からも情報が送られているんだ。
今どんな姿勢をしているか、体重がどこにかかっているかを感じ取る。
そうすることでバランスを取っているんだよ。

平衡感覚っていうと三半規管というイメージがある人もいるけど、バランスを取るために他の情報も使っているんだよ。
平衡感覚が悪くなるとどうなる?
次は、この平衡感覚がどうして乱れるのかという部分について話していくね、
さっきも言ったように脳は「耳・目・筋肉」からの情報をまとめて姿勢を決めているよね。
だからどれか一つが乱れると判断ミスが起こるんだ。
なぜ平衡感覚が乱れるの?
例えば1つとして…
耳の奥にある三半規管は「体が動いている」と伝えている。
だけど目は「動いていない」と感じていると、脳は混乱してしまうんだ。

そんなことってあるの?

ぐるぐる回って、急に止まった時なんかがわかりやすいかも。
この時って目で見る景色はもう止まっているのに、体はまだ回っているような感じがすることがあるよね。
これは、目は「止まった」と脳に伝えているのに、耳の奥の三半規管の中のリンパ液が、すぐには止まらないからなんだ。
三半規管は「まだ回っている」という情報を出し続けるから、目と耳の情報がズレて、脳が混乱してしまうんだよ。

確かにあるあるだね。こういうことって病気でもあるの?

あるよ。そうしたら次は、どういった病気が平衡感覚に影響するのかを話していくね。
病気で平衡感覚が乱れることは?
今の例は健康な人でも起こる例だったけど、実は病気でも平衡感覚が乱れることも珍しくないんだ。
特に多いのは、耳の奥や脳、自律神経に関係するトラブルなんだよ。
●耳の奥の病気が原因のこと
平衡感覚に一番深く関わっているのが、耳の奥にある三半規管や前庭だよね。
だからここに異常が起こると、頭の動きを正しく感じ取れなくなってしまうよ。
代表的なのが、良性発作性頭位めまい症やメニエール病なんだ。
急にグルグル回るようなめまいが出たり、体がフラついたりするのが特徴だよ。
●脳の病気が関係することもある
平衡感覚をまとめて判断しているのは脳だから、脳のトラブルでもバランスが崩れることがあるんだ。
たとえば、脳梗塞や脳出血、小脳の異常があると、まっすぐ歩けなくなったり、強いふらつきが出ることがあるよ。
自律神経の乱れによる平衡感覚の異常
実は検査では異常が見つからないのに、フラつきが続くこともあるんだ。
これはストレスや睡眠不足で自律神経が乱れている場合があるよ。
立ち上がったときにクラっとしたり、体が宙に浮いたような感じがするのが特徴なんだ。

「いつもと違う強いめまい」や「急に歩けなくなる」場合は、耳だけでなく脳の病気が隠れていることもあるんだ。

平衡感覚の乱れが続くときは、自己判断せずに医療機関で相談することが大切ってことだね。
平衡感覚をチェックする検査はあるの?
そうしたら最後にこの平衡感覚をチェックする方法について話をしていくね。
病院でやる検査だけじゃなくて、家でもできるテストも紹介するから、ぜひやってみてね。
片足立ちテスト
まずは片足立ちテストだね。
目を開けたまま片足で立って、どれくらい耐えられるかを見るんだ。
ふらつかずに10秒以上立てるかが、ひとつの目安になるよ。

これはできた!

両目を閉じてやったり、1分間くらい片足立ちを維持するのって結構いいトレーニングになるからやってみてね。
ロンベルグ検査
次は病院でよく行われる検査だね。
ロンベルク検査っていって、足をそろえて立って、目を開けた状態と閉じた状態でふらつきを比べるんだ。
そうすることで、ちょっと難しい言葉になるけど…
脊髄後索の機能や固有受容感覚(関節の位置などを感じる感覚)の障害、「感覚性運動失調」を調べることができるんだ。
目を閉じた途端に大きく揺れる場合は、平衡感覚に関係する部分の異常が疑われることがあるって覚えておいてね。
めまい外来での専門検査
あと必要に応じて、眼球の動きを見る検査や、体の揺れを機械で測る検査も行われるんだ。
こうやって原因を詳しく調べることで、適切な治療につなげていくんだよ。
まとめ
今回は、身近な平衡感覚について話をしてきたよ。
・平衡感覚は、立つ・歩く・目を閉じて姿勢を保つための「体を安定させる力」
・脳が判断役で、耳(三半規管・前庭)、目、筋肉や関節の感覚の3つの情報をまとめてバランスを取る
・どれかの情報が乱れてズレると、脳が混乱してフラつきやめまいが起こることがある
・耳の病気、脳の病気、自律神経の乱れが原因になることがある
・危険サインは「いつもと違う強いめまい」や「急に歩けない」みたいとき
・チェック方法は、家でできる片足立ちテスト、病院で行うロンベルク検査など
こういった内容だったね。
平衡感覚は、耳・目・筋肉の情報を脳がまとめて判断することで保たれている。
ふらつきやめまいが続くときは、体から異常を知らせるサインかもしれないよ。
「ちょっとおかしいな?」と感じたら、無理せず早めに相談してね。
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