40代女性からの質問

O型の血液は誰にでも輸血が出来る万能な血液と聞いたことがあります。実は私もO型で、定期的に献血に行くようにしています。
でも「なんでO型を入れる時にはいいのに、O型に他の血液型の血液は入れられないの?」という疑問が浮かびました。
この理由について教えてもらいたいです。

こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。
今日は輸血の質問についてだね。
自分はO型で万能な血液型と知っているから献血に行っている。
本当に素晴らしいよね。
この人が言っているように、O型にはO型以外の血液は輸血することは出来ないんだ。
今回はその理由について
- ABOの抗原と抗体について
- 輸血の種類
- 実はO型も万能ではない
- なぜO型への輸血はできないのか
こういった内容で輸血とO型の血液の関係について詳しく解説をしていくね。

ちなみにお姉さんは知っているかな?

質問読んでたら「確かになんでだろう?」って思った。

じゃあ、お姉さんも一緒に覚えて言ってね。
ABOの「抗原」と「抗体」
まず最初に押さえておきたいポイントが
- 抗原
- 抗体
この2つになるんだ。

お姉さん、この2つは大丈夫かな?

えっと、確かウイルスとかでも出てきたよね。
こういった感じだね。
だから抗原と抗体がそろってしまうと、体の中で免疫反応が起こってしまう。
これをまずは覚えておいてね。
血液型は抗原で決まる
血液型っていうのは、赤血球の表面についている抗原で決まっているんだ。
- A型の赤血球にはA抗原
- B型にはB抗原
- AB型にはAとBの両方
- O型の赤血球にはAもBも付いていない

ここが今回の輸血の理解をするために超重要な部分だから、覚えておいてね。

分かった!赤血球には抗原、血漿には抗体。
それで人の体は自分が持っていない抗原を攻撃する抗体を、最初から持っているんだよ。
- A型の人は、B抗原を異物だと思うから抗B抗体を持っている
- B型の人はその逆で抗A抗体を持っている
- AB型の人はAもBも自分のものだから、抗Aも抗Bも持っていない

じゃあO型は?

抗原がないから、抗Aも抗Bも持っている!
そうだよね。
それでもしこの抗体が、合わない赤血球に反応するとどうなるかというと、赤血球がくっついたり壊れたりしてしまうんだ。
これが輸血で一番怖い「合わない血を入れてしまう」状態なんだよ。
だから輸血では、この抗原と抗体の組み合わせを慎重に考える必要があるんだ。
輸血の種類
なんとなく輸血で別の血液型を入れるのが危ないって分かってくれたかな。
そうしたら次は『輸血の種類』について少し話をしていくね。

輸血って血液をそのまま入れるんじゃないの?

かなり勘違いポイントなんだよね。
「輸血=血をそのまま全部入れる」わけじゃないんだ。
ここを勘違いすると、O型が万能って話もちょっとややこしくなってしまうんだ。
今の医療では、血液はそのまま使うことはほとんどなくて、必要な成分だけに分けて輸血するのが基本なんだよ。
代表的なのはこの3つだね。
●赤血球製剤
これは酸素を運ぶ赤血球を補うためのもので、貧血や大量出血のときによく使われるんだ。
●血漿製剤
血漿には、血を固める成分や抗体が含まれていて、出血しやすい状態のときなどに使われるよ。
●血小板製剤
血小板は血を止める役割があるから、血小板が少ない人に使われるんだ。

もっと細かく分けることも出来るんだけど、大まかに3種類を覚えておいてね。
ここで大事なのは、どの成分を輸血するかで、血液型の考え方が変わるってことなんだ。

さっきの抗原と抗体の話だね。

そうそう。赤血球なら抗原だし血漿なら抗体が問題になるよね。
「O型は万能」っていう話は、どの輸血の話をしているかを省略した説明なんだ。
このあと、その理由を順番に説明していくね。
O型は万能?
じゃあここでよく聞く疑問、「O型は万能」って話について説明するね。

これって赤血球製剤ならってことだよね。

おっ!いいね!
そういうことだよ。
O型の赤血球には、A抗原もB抗原も付いていない。
だから、他の血液型の人の体から見ても『攻撃する目印が見当たらない』状態なんだ。
O型の赤血球には、そもそもAもBもないから抗体が反応しないってことだね。
輸血というと頻繁に使われるのが赤血球製剤だから、O型の赤血球は多くの人に使いやすい。
これが「O型が万能」って言われる理由なんだ。
これもマイナスだと万能と言われる
ちなみにここはちょっと余談なんだけど…

Rh型って聞いたことがあるかな?

知ってる!これも輸血で重要って言うよね。
このRh型もプラスとマイナスがあって、D抗原というのがあるかどうかで決まるんだ。
そうしたら、これを知ったらどう思う?

本当に誰にでも輸血出来る血液型だ!

そうだよね。ただRhマイナスの人は少ないからO型Rhプラスも万能は万能だね。
O型でRhマイナスの人はとても少なくて、日本人全体で見るとおよそ0.5%前後しかいないと言われているんだ。
1000人に5人いるかどうか、というレベルだね。
「誰にでも使いやすい」血液ではあるけれど、実際にはすごく貴重な血液なんだ。
なぜO型への輸血は出来ないの?
というので、今回の質問への回答だね。
「O型は万能なのに、なんでO型の人には他の血液を入れられないの?」

O型の人はA抗原とB抗原に反応する抗A、B抗体を持っているからだ!

その通りだね!しっかり理解してくれたね。
さっき話した通り、抗体は「自分にない抗原を攻撃する」性質があるよね。
O型の人は、A抗原もB抗原も持っていない。
だから体の中には、Aを攻撃する抗A抗体と、Bを攻撃する抗B抗体の両方が最初から存在しているんだ。
その結果、赤血球がくっついたり壊れたりして、体にとって危険な状態になってしまうんだ。
だからO型の人は、
「あげる側」としては使いやすいけど、 「もらう側」としては一番条件が厳しい血液型
こういったことが分かるね。
まとめ
今回はO型の輸血について詳しく話をしてきたよ。
・血液型は赤血球の表面にある「抗原」で決まり、血漿の中には異物を攻撃する「抗体」が含まれている
・人の体は、自分が持っていない抗原に対する抗体を持っている
・輸血は血液をそのまま入れるのではなく、赤血球・血漿・血小板など成分ごとに行われる
・O型の赤血球はA抗原・B抗原を持たないため、赤血球輸血では多くの人に使いやすい
・O型の人は抗A抗体と抗B抗体の両方を持つため、他の血液型の赤血球を輸血することはできない
こういった内容だったね。
今回は「O型は万能なのに、なぜO型には他の血液を輸血できないのか?」という疑問について回答してきたよ。
抗原と抗体の仕組みから知っていくと「なるほどー」って思うよね。
「O型=何でもOK」ではない、正しい意味での万能さを覚えてもらえたら嬉しいな。
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