好きな音楽は痛みに役立つ?63人の実験から解説

論文解説
ぴぃすけ
ぴぃすけ

こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。

好きな曲を聴いていると、つらい時間が少し違って感じられることはないかな。

そんな音楽について、面白研究があるから紹介するね。

内容は「痛みの感じ方と音楽との関係」の研究になるよ。

ただ1つ注意としては、「曲を流せば痛みの原因が治る」という話ではないよ。

そんな研究の中で測ったものを解説していくね。

痛みの「強さ」と「つらさ」

痛みは、体の刺激がそのまま数字になるものではないよね。

脳が情報を受け取り、注意や感情なども関わる経験として感じられるんだよ。

今回の研究では「どれくらい強く痛むか」と「どれくらい不快でつらいか」を、別々に聞くことがあるよ。

前者は痛みの強さ、後者は痛みに伴う不快感を捉えようとしているってことだね。

お姉さん
お姉さん

他のことに集中していると、痛みを忘れることってあるしね。

ぴぃすけ
ぴぃすけ

そうだね。その集中を「音楽を聴く」という内容にしたのが、今回の内容だね。

好きな曲を選んだ実験で分かったこと

2023年の研究では、健康な63人に熱による刺激を加えながら音楽を聴いてもらったんだ。

対象者の平均年齢は21.3歳で、研究室の短い実験だよ。

自分の好きな曲と、研究者が選ぶ曲を比較

  • 本人が選んだ好きな音楽
  • 研究者が選んだリラックス音楽
  • 音を並べ替えた条件
  • 無音の条件

これを今回は比べているよ。

腕への刺激のあとで、痛みの強さと不快感をそれぞれ評価したんだ。

お姉さん
お姉さん

好きな曲だと没頭できるから、それがよさそう!

ぴぃすけ
ぴぃすけ

おっ!いい感覚だね。

お姉さんが言っているように、本人が選んだ好きな音楽では、研究者が選んだリラックス音楽よりも、痛みの不快感が低かったと報告されているよ。

これは、落ち着いた雰囲気の曲なら何でも同じ、とは限らないという手がかりなんだ。

ちなみに音楽でゾクッと感動するような反応や、心地よさと、痛みの不快感との関係も調べられたよ。

ただし、感動を起こせば確実に痛みが減るとか、悲しい曲が誰にでもよい、とまではいえないんだ。

別の研究でも、好みによる違いが検討されている

同様に2023年公表の別のランダム化試験では、アプリの音楽から最も好きなスタイルと最も好まないスタイルを選び、熱による痛みを比べているよ。

どちらの条件でも痛みの評価は開始前より低下して、途中の一部の測定時点では、好みのスタイルの方が低下が大きかったんだ。

お姉さん
お姉さん

これ好まない曲でも、痛みが低下するって意外…。

ぴぃすけ
ぴぃすけ

そうだね。「音楽を聴く」という行動自体が痛みの評価を低くしているのかもしれないね。

ただし実験の熱刺激と、病気やけがによる痛みは同じではないよ。

あと若く健康な人の短時間の結果を、慢性の痛みなどへそのまま広げることはできないよ。

音楽は、治療に添える選択肢として

どうして好きな音楽で感じ方が変わるのかは、まだ研究が続いているよ。

これはひとつの仕組みだけで説明できるとは限らないんだ。

  • 注意が痛みから音楽に向くこと
  • リラックスや感情の変化
  • 「楽になりそう」という期待
  • 心地よさに関わる脳の報酬系

こういったことが候補として考えられているよ。

報酬系は、うれしさや心地よさに関わる働きのことだね。

でも、今回の実験だけで、それぞれの仕組みの寄与を証明したわけではないよ。

好きな曲には思い出や慣れもあるから、「好き」という条件の中にもいくつもの要素が含まれるんだ。

お姉さん
お姉さん

リラックスを考えると、静かなクラシックとかを選んだ方がいいのかな?

ぴぃすけ
ぴぃすけ

ジャンルを決めつけなくていいよ。自分が心地よく感じる音楽を、無理のない範囲で選んでみよう。

  • 聴いていて心地よい曲を選び、つらい記憶が浮かぶなら替える
  • 耳に負担をかける大きな音を避ける
  • 治療や薬を自己判断でやめず、補助的な工夫として使う

音楽を使う取り組みは実際の医療場面でも研究されているけれど、効果が見られない研究もあるよ。

誰にでも同じように役立つとは限らないんだ。

まとめ

好きな音楽と痛みの関係を、最後に整理するね。

・痛みの強さと不快感は分けて評価されることがある

・好きな音楽で不快感が低かった実験がある

・実験室の結果をすべての痛みに当てはめられない

・心地よい音楽は治療の代わりではなく、補助的な工夫

痛みが少し楽になる工夫を探すことと、原因を調べて治療することは両立できるよ。

好きな音楽を楽しみながらも、必要な受診や治療は大切にしてね。

参考文献

今回の内容を確認した主な資料を紹介するね。

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