
こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。
今日は骨髄について解説をしていくよ。
「骨髄ってどこの骨?」と聞かれたことがあるんだけど、実は骨髄は『骨』ってついているけど、特定の部位の骨ではないんだ。
じゃあ何かというと、なんて話をしていくよ。
内容としては
- 骨髄の構造
- 骨髄の働き
- 血液との関係性
- 骨髄の検査
- 骨髄の異常について
こんな感じで、この1記事で骨髄についてしっかり解説をしていくから読んでいってね。
骨髄の構造
骨髄は、骨そのものではなくて、骨の中にあるやわらかい組織のことなんだ。
外側は硬いのに、中はスポンジみたいになっていて、実はそこで血液が作られているんだよ。

えっ!血液って骨で作られるの!?

厳密に言うと血液の元となる細胞だね。これは後の働きの時に詳しく話していくよ。
骨髄には大きく分けて
- 赤色骨髄
- 黄色骨髄
この2つがあって、それぞれ役割が違うんだよ。
赤色骨髄は血液をつくる工場みたいな場所で、赤血球や白血球、血小板をどんどん作り出してくれるんだよ。
一方で黄色骨髄は脂肪が多くて、普段は血液を作る仕事はしていないんだよ。
でも、もし大量に出血したりして体がピンチになると、この黄色骨髄が赤色に戻って造血を手伝ってくれることもあるんだ。
ちなみに子どものころはほとんどの骨が赤色骨髄なんだ。
でも大人になるにつれて脂肪が増えて黄色骨髄が多くなるんだよ。
この影響で大人の場合だと赤色骨髄が多い、胸骨とか骨盤とか背骨に造血の役割が限定されてくるんだ。
骨髄の働き
ちょっと話をしてきちゃったけど、もうちょっと詳しく骨髄の働きについて話していくね。
さっきも言ったように、骨髄のいちばんの仕事は、血液をつくることなんだよ。
ぼくらの体って毎日すごい量の血液細胞を入れ替えているんだ。
それを全部まかなっているのが骨髄なんだよ。

そこが不思議!

これは造血幹細胞(骨髄幹細胞)っていう部分が重要になってくるよ。
造血幹細胞(骨髄幹細胞)と血液の関係
血液って血球の成分として、
- 赤血球
- 白血球
- 血小板
こういった細胞があるのは知っているよね。

実はこれを直接作っているわけではないんだ。

えっ、じゃあ血液を作っているってどういうこと?
実は造血幹細胞っていうものが骨髄では生み出されているんだ。
これは血液の全部の始まりみたいな細胞なんだよ。
この細胞が自分をコピーしながら、赤血球・白血球・血板みたいな、いろんな仲間に分かれていくんだ。
もうちょっと詳しく話すと、まず大きく
- 骨髄系
- リンパ系
に分かれて、それぞれが赤血球や好中球、リンパ球など専門職に成長していくんだよ。
ちなみに白血病って言うのは、この造血幹細胞ががん化して異常増殖している病気なんだ。

なるほどね…こんな細胞があったんだ。

血液の細胞って元をたどれば全て同じってことだね。
骨髄を調べる検査
次はこの骨髄を調べる検査だよ。
実は骨髄を調べる検査って一般的な検査とはちょっと違う検査になるんだ。

血液の元を作っているから血液検査をすればいいんじゃないの?

確かに血液検査で赤血球や白血球、血小板の増減をチェックして、骨髄がちゃんと働いているかを間接的に判断することもあるね。
でも骨髄の状態をしっかり調べるためには、血液検査だけじゃわからないことも多いんだ。
だから必要に応じて骨髄自体を検体として採って検査する必要があるんだ。
まず代表的なのが「骨髄穿刺(こつずいせんし)」というものだね。
これは腰のあたりの骨(腸骨)に針を刺して、骨髄の液体(髄液)を採ってくるんだ。
それを顕微鏡で見て、どんな細胞がどれくらいあるか調べるんだよ。
もし異常があれば、本来の成長と違った変化をした細胞が見られたりするんだ。
もうひとつは「骨髄生検(せいけん)」というものだね。
これはさっきの髄液じゃなくて骨髄の組織を柱状に取る検査なんだ。
この検査では骨髄の構造そのものを見ることが出来るんだ。

なんか骨に針を刺すって、結構痛みがありそうな検査だね…。

そうだね。だから局所麻酔とかで行ったりするよ。

やっぱりそうなんだ。痛みのないレントゲンとかMRIとか画像で見れたりはしないの?

情報は0ではないけど、やっぱり骨の中まで見るのは難しいね。
主な骨髄の異常と病気
最後は異常について話をしていくね。
骨髄は血液をつくる場所だから、ここにトラブルが起きると血液関係の病気になってしまうんだ。
今回は代表的な病気をいくつか紹介するね。
●白血病
上でも少し触れたけど、有名なのが「白血病」だね。
これは骨髄の細胞がうまく育たなくなって、未熟な細胞ばかり増えちゃう病気だよ。
そのせいで正常な血液細胞がつくられなくなるんだ。
そうなると、白血球なんかは免疫の基盤になっているから、どんどん免疫が落ちていってしまったりもするんだ。
●再生不良性貧血
次は『再生不良性貧血』。
これは造血幹細胞が弱ってしまって、赤血球・白血球・血小板の全部が少なくなっちゃう病気なんだ。
ちなみにこの減少している状態を『汎血球状態(はんけっきゅうじょうたい)』と言ったりするよ。
こうなると貧血になったり、感染しやすくなったり、出血しやすくなったりするんだ。
●骨髄異形成症候群
「骨髄異形成症候群(MDS)」っていう病気もあるんだ。
これは骨髄の細胞が育つ途中で形がくずれたり、機能しない細胞が多くなったりする状態なんだよ。

これって白血病とは違うの?

状態としては、かなり似ているね。でも進行の速度なんかが違ったりするよ。
●多発性骨髄腫
あとは「多発性骨髄腫」。
これは骨髄の中の形質細胞っていう免疫細胞が異常に増えてしまう病気なんだ。
骨が痛くなったり、腎臓に負担がかかることもあるんだよ。
まとめ
今回は骨髄について話をしてきたよ。
・骨髄は骨の中にある血液をつくる場所
・赤色骨髄と黄色骨髄があって、特に赤色骨髄が造血を担当している
・骨髄幹細胞は血液のすべての細胞の元になる細胞
・骨髄穿刺や骨髄生検で骨髄の状態を詳しく調べることができる
・白血病、再生不良性貧血、MDSなどが病気としてある
こういった内容だったね。
骨っていうと、僕たちの体を支えているというイメージが強いよね。
でもそれだけじゃなくて、実は『血液』を作ることも骨ではやっているって、ちょっとびっくりした人もいたんじゃないかな。
健康に過ごすために、こういったことって僕は絶対に知っておいた方がいいと思うから、ぜひ覚えておいてね!



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