
こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。
今回は目の病気である『緑内障』について詳しく解説をしていくね。
この緑内障ってちょっと怖いことを最初に言ってしまうと…
一度ダメージを受けてしまった視神経は、今の医療ではもとに戻すことが出来ないんだ。
だから、早く見つけて、それ以上悪くならないように進行を止めたり遅らせたりすることが大切だよ。
そのためにしっかり緑内障を知ることが大切だよ。
そんな緑内障について
- そもそも緑内障って何?
- 緑内障でしてはいけないこと
- 緑内障の症状
- 検査の方法や治療
こんな感じで、しっかり緑内障についてまとめていくから、ぜひ読んでいってね。
緑内障はどんな病気
まず緑内障がどんな病気なのかを解説していくね。
緑内障は、目の奥にある「視神経」っていう大事な神経が少しずつダメージを受けていく病気
視神経は目で見た情報を脳に届ける役目をしているから、ここが弱ってくると視野がだんだん欠けていくんだ。
しかも最初にも言ったことだけど、一度ダメージを受けた視神経は元には戻らないんだ。

それは怖いね…

そうだね。だから早く見つけて悪くならないようにすることが大切なんだ。
でも気づかないうちに少しずつ進むタイプが多いから、知らないうちに視野が狭くなってる…なんてこともあるんだ。
40代からリスクが高まって、年齢とともに有病率も増えていくから、定期的に検査を受けることが大切だよ。
視神経にダメージを受ける理由

でもこれってなんでダメージを受けるの?

理由はいくつかあるんだけど、一番有名なのは「眼圧が高いこと」だね。
目の中には房水っていう水があって、それがうまく流れなくなると圧が高くなって視神経が圧迫されちゃうんだ。
でも実は、日本では眼圧が正常でも視神経が傷む
「正常眼圧緑内障」
が多かったりするんだ。
これは視神経そのものが生まれつき弱かったり、血流が悪くて栄養が届きにくかったりすることが関係していると言われているんだよ。
- 強い近視がある人
- 家族に緑内障の人がいる場合
- 血圧が低い人
こういった人なんかも視神経にストレスがかかりやすいんだよ。
眼圧も原因となるけど、それだけじゃなくて他の要因が重なって視神経が弱っていく病気ということだね。
緑内障でしてはいけないこと
緑内障になっても「絶対にこれをしちゃダメ!」っていうことは意外と少ないんだけど、悪化させやすい行動は知ってやらない方がいいんだ。
まずは眼圧が上がるような行動だね。
- 長時間うつむいたままの作業
- ヨガのような逆立ちの姿勢
- 強くいきむ行為
- お酒の飲み過ぎや喫煙
こういった行為は眼圧を上げると言われているから、控えた方がいいんだ。
ただ一番大事なのは、処方された目薬を勝手にやめないことなんだ。
症状がなくても治療を続けることで進行を抑えられるから、ここだけは必ず守ってほしいところなんだ。
緑内障の種類
それでこの緑内障なんだけど、いくつかタイプがあるから簡単に説明していくね。
まず代表的なのが「原発開放隅角緑内障」っていうタイプなんだ。
これは日本で一番多いんだよ。
目の房水の出口は開いているのに、流れが悪くなってじわじわ眼圧が高くなり、視神経が弱っていくタイプだね。
次に多いのが「正常眼圧緑内障」。
これはその名の通り、眼圧が正常範囲なのに視神経だけが傷んでいくタイプなんだよ。
日本人は特にこのタイプが多いんだよ。
あと「閉塞隅角緑内障」っていうタイプ。
房水の出口が狭くなっていて、急に眼圧がぐんと上がることがあって、これはものすごく痛くなる急性発作を起こすことがあるんだ。
放っておくと短時間で視力に重大なダメージが出るから要注意なんだよ。
緑内障の症状
次はこの緑内障の症状について話をしていくね。
実はなかなか気づかないことが、緑内障を悪くしてしまう理由なんだ。

視野が欠けるのが症状なんじゃないの?すぐに気づきそうだけど。

人間って良くも悪くも、視野が少し欠けても脳が補正しちゃうから、自分では見えづらさに気づかないまま進行しちゃうことが多いんだ
初期のころは視野の端っこがちょっと見えにくい程度で、ほとんどの人が自覚がないんだ。
中期になると片目ずつよく見たときに「あれ、ここだけ見えにくいな?」って感じることもあるんだ。
さらに進んでくると視野がどんどん狭くなって、視力は残っていても「トンネルみたいに中心しか見えない」みたいな状態になることがあるんだ。
こうなる前に発見することが大切なんだ。

いつも病気の話を聞いていると「なんとなく」っていう違和感って重要だよね。

そうだね。いつもと違う場合には「こんなことで」と思わないで病院で検査をすることが大切だよ。
ただし閉塞隅角緑内障の場合は別で、急に目が痛くなったり、頭痛や吐き気、光がにじんで見えるなど、はっきりした症状が出るんだよ。
これは救急レベルだから、すぐに病院へ行ってね。
検査の方法
じゃあこの緑内障を見つけるには、どういった検査をするかだね。
まず基本になるのが「眼圧検査」だね。

これって目に風を当てるやつ?

そうそう。
目の硬さを調べる検査で、眼圧が高くないかを確認するんだよ。
でも眼圧が正常でも緑内障のことがあるから、これだけじゃ判断できないんだよ。
次に「眼底検査」だね。
これは目の奥にある視神経の形を直接見る検査なんだよ。
視神経が痩せていたり、へこみが大きくなっていたりすると緑内障を疑うんだよ。
ちなみに眼底検査については、こっちで詳しく話しているよ。

さらに「視野検査」だね。
見える範囲を細かく測って、どこが見えづらくなっているのかをチェックするんだよ。
これは緑内障の進行度もわかるから、とても重要な検査なんだよ。
ほかには、「隅角検査」っていって房水の出口が広いか狭いかを確認する検査や、「OCT検査」っていう網膜の神経線維の厚みを詳しく見る検査もあるんだよ。
これらを全部組み合わせることで、どのタイプか、どれくらい進んでいるかを調べるんだ。
緑内障の治療方法
最後は緑内障の治療についてまとめていくね。

あれ?でも緑内障って治らないんじゃないの?

視神経のダメージは治らないから、これ以上ダメージを受けないように治療するんだよ。
まず最初に行われるのが「点眼薬(目薬)」だね。
房水の量を減らしたり、流れをよくして眼圧を下げる働きがあるんだよ。
種類はいくつかあって、1つで足りなければ2つ、3つと組み合わせることもあるんだよ。
それでも眼圧が下がりにくいときは「レーザー治療」を使うことがあるんだ。
開放隅角緑内障では房水の出口にレーザーを当てて流れを改善したり、閉塞隅角緑内障では虹彩に小さな穴を開けて通り道を作ったりするよ。
さらに重症の場合や、目薬とレーザーで眼圧が十分に下がらない場合には「手術」が選択されることがあるよ。
房水の新しい排出口を作る手術や、最近ではMIGS(低侵襲緑内障手術)といって体への負担が少ない方法もあるんだよ。
治療のやり方はタイプや進行度で変わるから、医師と相談しながら自分に合った方法を続けることがとても大切なんだ。
まとめ
今回は緑内障についてまとめてきたよ。
・緑内障は視神経がじわじわ傷んで視野が欠けていく病気
・早期は自覚症状がほとんどなく、40歳以降は特に検査が大切
・正常眼圧緑内障や開放隅角、閉塞隅角など種類がいくつかある
・視野が欠ける、急性の場合は激しい痛みや吐き気が出ることがある
・検査は眼圧、眼底、視野、OCTなどを組み合わせて行う
・治療は目薬、レーザー、手術で眼圧を下げて進行を防ぐことが中心
ダメージを受けてしまった視神経は元に戻ることはないんだ。
だからこそ早期でしっかり病気を発見して、進行を止めたり遅らせたりすることが緑内障では、とても重要だよ。
そのために「なにか違うかも」と思った時には、そのままにせずに一度病院で検査をしてみてね。
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