
こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。
今日は血液型の話をしていくよ。
A型とO型の夫婦からAB型の子どもが生まれることがあるって聞いたら、びっくりしない?

え、それって遺伝的にありえないんじゃ…?
血液型の遺伝を知っている人だと、こう思うよね。
でも実はその『ありえない』を説明できる特別な血液型があるんだ。
それが「シスAB型(cis-AB型)」って呼ばれる、すごく珍しいタイプなんだよ。
ここでは、
- ふつうのAB型とシスAB型の違い
 - どうしてAとOの親からAB型の子どもが生まれるのか
 - この血液型がどれくらい珍しいのか
 
こういった内容を話していくね。
まずは「シスAB型とは?」から見ていこう。
シスAB型とは?普通のAB型との違い
シスAB型って、聞いたことあるかな?
これはAB型の中でもちょっと特別なタイプなんだ。
見た目は普通のAB型と同じなんだけど、血液型の「遺伝の仕組み」が全然ちがうんだよ。
シスAB型はAとBが同じ遺伝子の中にある
普通のAB型は、Aの遺伝子とBの遺伝子を両親からそれぞれもらって出てくる血液型なんだ。
でもシスAB型はちょっと変わってて、AとBの情報が「同じ染色体の中にくっついてる」んだよ

こんな感じだよ。

だから一見するとAB型なんだけど、実はひとつの遺伝子がAもBも両方の働きをしてるんだ。
すごく珍しいタイプで、検査してみないと普通のAB型との違いは見た目じゃわからないんだよ。
「シス」という名前の意味

このシスってなんなの?

これはラテン語で「同じ側にある」って意味だね。
さっきも話したように、普通AB型は、お父さんとお母さんからそれぞれAとBをもらって、左右に分かれて持ってるんだ。
でもシスAB型は「AとBの情報が同じ側にある」っていう特別なタイプなんだよ。
だから「同じ側=シス(cis)」って名前がついたんだ。
シスAB型ができる仕組み
シスABが、どんなものかは分かったね。
次はそんな「シスAB型」ってどうしてできるのか?って部分を話していくね。
これは、遺伝子がちょっとしたくっつき方のミスをしたことで生まれるんだ。
遺伝子が合体してAとBが一緒になった
血液型を決めるのは「ABO遺伝子」っていうものなんだけど、そこにA型とB型を決める情報が別々に入ってるんだ。

A型とO型ならAかOが生まれるってやつだね。

そうそう。まとめるとこんな感じだね。
| 母\父 | O型 | A型 | B型 | AB型 | 
|---|---|---|---|---|
| O型 | Oのみ | A または O | B または O | A または B | 
| A型 | A または O | A または O | A・B・AB・O | A・B・AB | 
| B型 | B または O | A・B・AB・O | B または O | A・B・AB | 
| AB型 | A または B | A・B・AB | A・B・AB | A・B・AB | 
でもあるとき、突然変異でその2つが「1本の遺伝子」に合体しちゃうことがあるんだ。
そうなると、ひとつの遺伝子がAの働きもBの働きも両方してしまうんだ。
東アジアで多く見つかる理由
このシスAB遺伝子って、実は世界的に見るとかなり珍しいんだ。
でも日本とか韓国みたいな東アジアの地域では比較的多く見つかってるんだ。
これは、昔どこかの世代でその合体遺伝子が生まれて、代々受け継がれてきたからなんだよ。
日本ではだいたい数千人から1万人に1人くらいって言われてるんだ。
だから「親がA型とO型なのに子どもがAB型」ってケースが日本ではちょこちょこ報告されるんだ。

突然変異じゃなくて、遺伝ってことだもんね。

そうだね。だから東アジアでは、他の国に比べて多いんだって。
シスAB型の存在を知らないと、ちょっとビックリしちゃうよね。
親子の血液型で誤解されることがある理由
シスAB型ってね、実は親子鑑定のときにちょっとややこしい結果を出すことがあるんだ。
理由を知らないと「本当に親子なの?」って誤解されちゃうこともあるんだよ。

さっきの表のやつ以外の血液型だとびっくりするよね。

そうだね。もし自分がシスAB型ってことを知らなかったら、かなりびっくりするよね。
AとOの親からAB型の子どもが生まれることがある
A型とO型の組み合わせからAB型の子どもは遺伝的には生まれないよね。
でも、親のどちらかが「シスAB遺伝子」を持っていると話は別なんだ。
この場合、O型の親からはO遺伝子、もう片方の親からは「AとBが合体したシスAB遺伝子」をもらうから、見た目はAB型としてあらわれるんだ。
だから普通の遺伝のルールに当てはめると、あれ?ってなっちゃうんだよね。
まとめ
今回は血液型の中でも珍しい『シスAB型』について話をしてきたよ。
・シスAB型は、AとBの情報が同じ染色体にくっついている特別な血液型
・ふつうのAB型とは遺伝の仕組みがちがって、親がA型とO型でもAB型の子が生まれることがある
・親子鑑定で一見「矛盾」が出るのは、このシスAB型が理由
・日本や韓国などの東アジアでは、世界に比べて少し多く見つかっている
血液型って不思議だよね。
血液の世界って、まだまだ知らないことがいっぱいあるんだね。
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