60代男性からの質問

健康診断では必ず血液検査をしますが、実際この血液検査で病気は分かるのでしょうか?

こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。
今回は『血液検査で病気はどこまで分かるのか?』という部分について質問があったから回答していくね。
健康診断でもやるし、何か病気を疑う場合に必ずと言っていいほどやるのが血液検査だよね。
でもしっかり病気を確認するために精密検査として他の検査をするよね。

確かに。じゃあ血液検査って本当に必要なの?
お姉さんのように、こんな疑問が出てくる人もいるかと思うんだ。
だから今回は『血液検査』という部分について
- 病気は分かるのか?
- 血液検査をやる3つの理由
- 他の検査との関係性
こういった内容で血液検査について詳しく解説していくね。
血液検査で「病気」は分かるの?
最初に伝えたいのは、もしかしたら「えっ…」と思う内容かもしれないんだけど…
血液検査だけで病気を特定することは、ほとんどできない
これが今回の結論の部分だね。

えっ…じゃあやっぱりあまり必要ない検査ってこと?

そうじゃないんだ。病気の特定は出来ないけど、ちゃんと役割があるんだよ。
血液検査で見ているのは『体の中で何か異変が起きていないかっていうサイン』を確認しているんだよ。
たとえば、
- どこかで炎症が起きていそう
- どこかの臓器に負担がかかっていそう
こういった感じだね。

全体をざっくり見ている感じ?

そうそう。特定の部位というよりも、体の状態を広くチェックする検査が血液検査だね。
血液検査だけでは病気は特定できない理由

でも臓器の異常が分かれば病気も分かりそうだけど違うの?

ちょっと難しい部分だね。もうちょっと詳しく話をしていこうか。
じゃあ、なんで血液検査だけじゃ病気を特定できないのか、って話をするね。
血液検査の数値って、「原因そのもの」を見ているわけじゃなくて、
体がどう反応しているか
これを見ているんだ。
たとえば、CRPっていう炎症の数値が高いとするよね。
これは「体のどこかで炎症が起きていそうだよ」っていうサインだよね。
だけどその場所が喉なのか、お腹なのか、肺なのかまでは分からないんだ。

あれ?でも肝臓の数値なら肝臓の病気ってことじゃないの?

肝臓の異常までは、分かっても病気は分からないってことだね。
肝臓の項目のASTとかALTが高いとするよ。
この場合って、確かに肝臓の異常が可能性として高い。
でもそれが肝臓のどういった病気までなのかは判断できないよね。
- 脂肪肝かもしれない
- 肝硬変かもしれない
- 肝臓の細菌感染かもしれない
この他にも肝臓自体の異常ではなくて、他の臓器の異常が元になって肝臓が悪くなっていることもある。

確かに…。それじゃ病気の特定はできないね。

そうなんだ。ただ血液検査全体を通してみることで、ある程度は病気の予測は立てることが出来るけどね。
病気を特定するために必要な追加検査
だからこそ血液検査で「ちょっとここが怪しそうだな」って分かってきたら、追加の検査が必要になってくるんだ。
異常を疑う臓器によって検査は違うけど、
- エコー検査:超音波を使って臓器の動きや形を見る検査
- CT検査:レントゲンを使って体を輪切りにしたような画像で詳しく見る検査
- MRI検査:石と電波を使って、臓器の中身(やわらかい組織の状態)を詳しく見る検査
こういった体の中の臓器の形や様子を画像で見る検査を行うことが多いよね。

血液検査で方向性を絞って、画像検査で状態を確認するってことだね。

そういうこと!血液検査で異常の可能性がある臓器の目途をつけるからこそ、無駄なく各臓器を確認することが出来るんだ。
血液検査の3つの役割

じゃあこの病気かの早期発見と臓器の確認が血液検査の役割ってこと?

細かく分ければもっとあるけど、僕の意見としてはもう一つ重要な役割があるよ。
それが『治療や病気の進行を確認する指標』というのだね。
病気の治療として薬を飲んだり、生活習慣を見直したりしたあとに、それが本当に効果があったのかを確認するよね。
その時に血液検査の数値を確認するんだ。

数値が改善すればいい方向に進んでいるってことか。

そうだね。逆に数値が悪くなっていないことを確認して、病気が進行していないかの指標にもしているよ。
だから…
大きく分けると、これが血液検査を行う理由だね。
血液検査だけでかなり信頼できるケースもある

ここまでの話だと血液検査はあくまでも参考ってこと?

その立ち位置が多いけど『この病気の可能性がかなり高い』くらいの特定まで出来る項目もあるね。
それが『特異性』が高い検査の項目になるんだ。
たとえば、トロポニンTっていう検査。
これは心臓の筋肉が傷ついたときに血液の中に出てくる物質なんだ。
健康な人では血液中にはほとんどないんだけど、心筋梗塞みたいに心臓の筋肉がダメージを受けるとトロポニンTが血液中に出てくるんだ。
だからトロポニンTが高い場合には、心筋梗塞なんかが可能性として高いんだ。
ただこれも100%というわけじゃないから、「かなり強い証拠」になることはあっても、それ1つで答えを出すものではないということは覚えておいてね。
まとめ
今回は血液検査で病気はどこまで分かるのかという質問について回答をしてきたよ。
・血液検査だけで病気を特定することは、ほとんどできない
・血液検査は体の中で起きている異変の「サイン」を見る検査
・異常が出ても、原因や病名までは分からないことが多い
・血液検査の役割は、早期発見・臓器の方向性・治療経過の確認
・血液検査で方向性を絞り、画像検査で病気を確認していく
・特異性が高い検査は、病気の可能性を強く示す材料になる
血液検査は「この病気です」と決めるための検査ではなく、体の中で何が起きていそうかを探るための大切な入り口なんだ。
血液検査で得られた情報をもとに、症状や画像検査と組み合わせて考えることで、初めて正しい診断につながっていくんだ。
その方向性を決めるための大切な検査が『血液検査』ってことだね。
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