
こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。
今回は『バリウム』について詳しく話をしていくよ。
胃のレントゲン検査でバリウムを飲んだりするよね。
なんとなく飲んでいるけど、あの正体って何か知っているかな?
「なんか胃を見やすくするやつ」というのは知っているけど、詳しくは知らない人も多いと思うんだ。
そんなバリウムについて
- そもそもバリウムとは?
- なぜバリウムで胃を見ることができる?
- バリウム検査の流れ
- バリウムの安全性
- バリウムと胃カメラどっちがいい?
こういった内容を話していくね。
そもそもバリウムって何?
最初はバリウムって何なのかを話していくね。
バリウムは、健康診断の胃のレントゲンで飲む白いドロッとした液体のことだけど。
正式な名前は「硫酸バリウム」っていって、体に吸収されない特別な粉を水に混ぜた造影剤なんだ。

造影剤?

体の内部を見やすくするための医薬品のことだよ。
この造影剤のバリウムがあることで、胃の中の形とか、粘膜のデコボコをレントゲンでくっきり写すことができるんだ。
しかも硫酸バリウムは体の中ではほとんど吸収されないから、飲んでもそのまま便として出ていくんだ。
だから毒性はほとんどなくて、昔から検診で広く使われている造影剤なんだ。
でも味はちょっと粉っぽくて、人によっては飲みにくいのが難点なんだよね…。
だけど胃をレントゲンで見る場合には、欠かせない存在なんだよ。
なぜバリウムを飲むとレントゲンで胃が見られるの?

でもどうしてバリウムがあると胃が見られるようになるの?

バリウムがX線(レントゲン)を通さない性質を持っているからだね。
バリウムはX線を通さない性質があって、胃の壁にべったり付くと、白くハッキリ写してくれる
レントゲンって、体にX線を当てて、その通りやすさで白黒を作る検査なんだ。
だから本来は胃の中って直前に食べ物を食べたりしていなければ、空っぽだから何も映らないよね。
でもそこにバリウムが付くとX線を通さないから白に写るんだ。
その白い部分の形を見ることで、胃の大きさや動き、粘膜の凹凸まで分かるようになるんだ。
- 胃の壁に小さな傷がある
- ポリープみたいに膨らんだ部分がある
こういった部分があると、そこだけ白い写り方が変わるから、異常に気づけるってわけなんだ。

ただ最近は、初期のものに関しては見落としがしやすいという意見もあるんだ…。ここは最後に話をしていくね。
バリウム検査の流れ
じゃあこのバリウム検査がどうやって行われるのかを簡単にまとめていくね。
バリウム検査っは、いくつかのステップで進んでいくんだ。
1.最初に「発泡剤」っていう粉を飲む
これは胃の中でシュワッとガスを出して、胃をふくらませるためのものなんだ。
胃がしっかり広がると、粘膜の表面が見やすくなるんだよ。
2.本番のバリウムを飲む
これが胃の表面にくっついて、レントゲンで白く写る役割なんだよ。
3.台の上で体を動かす
飲んだあと、台の上で体をぐるぐる動かされるんだけど、これは胃のいろんな場所にバリウムを行き渡らせるためなんだ。
バリウムを塗り広げているイメージだね。
4.撮影をする
最後にいろんな方向から写真を撮って、胃の形や動きに異常がないかを確認するんだよ。

なんか忙しい検査だね。

意外とやることが多い検査だよね。
げっぷをしてはいけない理由

そういえばバリウム検査のときって、げっぷをしないように言われるけどなんで?

ガスを出すと胃がしぼんでしまうからだね。
発泡剤を飲んだあとに「げっぷをしないでください」って言われるよね。
これは発泡剤で出たガスが胃を膨らませてくれているのに、げっぷでガスを出しちゃうと胃がしぼんでしまうんだ。
胃がしぼむと、内側の粘膜がよく見えなくなるし、バリウムもきれいに広がらなくなるんだ。
そうなると検査の精度が落ちてしまうんだ。
バリウムは安全?
次はこのバリウムの安全性について話をしていくよ。
基本的にバリウムは安全と言われているよ。
というのも、検査で使われる硫酸バリウムは体に吸収されないんだ。
だからそのまま胃や腸を通って、便として全部出ていくタイプなんだ。
体の中をただ通過するだけの物質だから、特に問題はないよ。

でも便秘には注意しないといけないんだ。
バリウムは水分を吸って固まりやすいから、検査後に水分をしっかり取らないと、便が硬くなってしまうことがあるんだ。
このバリウムが原因で、稀にだけど腸閉塞や腸に傷がある人でトラブルになるケースも報告されているんだ。
だから普段から便秘がひどい人や腸の病気がある人は、検査前に医師に相談してね。
バリウム検査と胃カメラどっちがいい?
最後はバリウム検査と胃カメラの検査の比較だね。
●バリウム検査
バリウム検査は胃の形や動きを広くチェックするのが得意なんだ。
検査自体が比較的早く終わるし、健康診断なんかでも使われている方法だね。
●胃カメラ
胃カメラは、胃の中を直接カメラで見られるから、細かい異常を見つける力はめちゃくちゃ高いんだ。
さらに怪しい部分があったら、その場で組織を採って調べることもできるんだ。
どちらがいいのか?
実はバリウムだと、「初期の胃の異常を見落とす可能性がある」というので、胃カメラを選択する病院も多くなっているよ。

でも胃カメラってしんどいんだよね…。

実はその負担もバリウムが選択されていた理由でもあるんだよね。
でも医療の発達でどんどん胃カメラの負担が小さくなったりもしているんだ。
もちろん定期的にバリウム検査をして胃の状態をチェックすることは、すごくいいことだよ。
だけど例えば、
- 胃の状態が気になる
- 何か症状がある
こういった場合には、個人的には胃カメラも受けた方がいいのかなと思っているよ。
どっちじゃなきゃダメということはないから、病院で相談をして、自分にあった検査をやってね。
まとめ
今回はバリウムについて話をしてきたよ。
・バリウムは体に吸収されない硫酸バリウムで、胃の粘膜をレントゲンで見やすくするために使われる
・X線を通さないから白く写って、胃の形や凹凸が分かるようになる
・発泡剤とバリウムを飲んで体を動かしながら撮影するのが検査の流れ
・げっぷをすると胃がしぼんでしまって、バリウムが広がらず検査がうまくいかない
・安全性は高いけれど、便秘になりやすいから検査後は水分をしっかり取ることが大切
・定期的にバリウム検査をすることも大切だけど、気になることがあれば胃カメラも行う
こんな内容だったね。
バリウムって名前を聞いたことがあったり、実際にバリウム検査をやったことがある人も多いと思うんだ。
そのバリウムには「こんな働きがあったのか!」と知ってもらえたらうれしいな。
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