
こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。
今回は『脳』について話をしていくよ。
人間の体の中でも、とくに不思議で奥が深いのが「脳」になるんだ。
普段は意識していないけど、考えること、覚えること、体を動かすこと…そんな当たり前のことが全部脳の働きで成り立っているよね。
そんな脳について
- どんな構造で各場所がどんな働きをしているのか
- 病院で行う検査の種類
- 知っておきたい脳の病気について
こういった内容をわかりやすくまとめていくね。
脳の構造や働き
それじゃあまず、脳の構造と部位別の働きについて話をしていくね。
人間の脳は重さは1.2〜1.4kgくらいだから、体重に対してはそこまで比率は大きくないけど、実は体が使うエネルギーの20%も使っているんだ。

20%ってすごいね。

それだけ、脳って重要な働きをしているってことだよね。
ちなみに脳は大きく
- 大脳
- 小脳
- 脳幹
の3つに分けられるよ。
この3つについて、もうちょっと詳しく話をしていくね。
大脳について
大脳は脳の中で一番大きい部分になるんだ。
担当としては、人間らしい色々な動きを担当している部分だね。
この大脳はさらに
- 前頭葉
- 側頭葉
- 頭頂葉
- 後頭葉
に分かれていて、役割が全部違うんだ。
●前頭葉
前頭葉は
『考える、判断する、計画を立てる、気持ちをコントロールする』
こういった体を動かす指令を出すところになるんだ。
性格や行動のクセもここが関係していると言われているよ。
●側頭葉
側頭葉は音を聞いて理解したり、言葉の意味を処理したりする場所になるよ。

ちなみに記憶って、どこで行われているか聞いたことある?

海馬って場所って聞いたことある。
お姉さんが言っている、記憶をしまう「海馬」もここにあるんだ。
●頭頂葉
ここは触った感覚を感じ取ったり、物の位置や距離を把握したりする場所なんだよ。
目で見た情報と体の動きを組み合わせて、「空間を理解する」役割もあるよ。
●後頭葉
後頭葉については『見る専門部隊』ってイメージだね。
目から入った情報を処理して、色や形、動きを理解してくれる場所なんだ。

視覚情報って人間にとって重要だしね。

そうそう。日常生活で約8割の情報を視覚から得ているとも言われているからね。
小脳について
次は小脳についてだね。
小脳は主には運動の調整と平衡感覚の維持が主な役割になっているよ。
走ったり、字を書いたりするときに、ぎこちなくならないように調整してくれるんだ。
大脳で情報を処理して『こういった動きをしろー』っていう指令がくる。
それを微調整して、細かい動きが出来るのが小脳の機能だよ。
ちなみに最近の研究では、
- 言語
- 学習
- 記憶
などの認知機能にも関わっていることがわかってきているよ。
脳幹について
次は脳幹だね。
ここは僕たちが意識して行う行動ではなくて、呼吸、心拍、体温調節みたいに
「生きるために必要な働き」
を勝手にやってくれているところになるよ。
意識しなくても生きられるのは、脳幹が休まず働いてくれているおかげなんだよ。
脳を調べる検査
脳の構造と働きについては分かってくれたね。
そうしたら次は脳の検査についてまとめていくよ。
他の臓器だと血液検査なんかで数値を確認することが多いよね。
確かに腫瘍マーカーと言って、腫瘍があるかを血液から検査することもあるけど、基本的に脳の場合には、画像で確認することが多いんだ。
種類としては、
- エコー検査
- 脳波検査(EEG)
- CT検査
- MRI、MRA
こういった検査が行われるよ。
少し1つずつ解説していくね。
●エコー検査
まずはエコー検査だね。

脳って骨に囲まれているのにエコーで見られるの?
もしかしたらエコー検査について知っている人だと、こういった疑問があるかもしれないね。
エコーって骨みたいな硬いものの中を見ることは出来ないから、直接脳を確認することは出来ないんだ。
じゃあどこを見るかというと、、
『頸動脈』と言って、脳に血液を送っている首の血管を見るんだ。
この頸動脈を確認することで動脈硬化なんかを確認できて、脳梗塞のリスクのチェックなんかを出来るんだよ。
頸動脈エコーについて詳しくは、ここで話しているよ。

●脳波検査(EEC)
次は脳波検査と言って、頭に電極をつけて、脳の電気の流れを調べる検査だよ。
人間の細胞って電気信号を受け取って動いているんだ。
だからその電気信号を確認することで、脳が適切に動いているのかを判断する検査になるよ。
ちなみにこれは『てんかん』の診断なんかでよく使われるね。
あとは寝ているときの脳の動きもわかるから、睡眠の検査にも使ったりするよ。
●CT検査
これは放射線を使って脳の断面を撮影する検査になるよ。
例えば脳出血とか大きな異常がある時に、出血がどこにあるかなどを確認することが出来るんだ。
●MRI、MRA
MRIというのは聞いたことがある人も多いかな。
これは磁力を使って脳の細かい部分まで見ることが検査になるよ。
出血や腫瘍だけじゃなくて、脳梗塞の早い段階も見つけやすいと言われているよ。
ただちょっとCTより時間はかかる検査になるね。

MRAってのは?

これは脳の血管を見る検査だね。
本来なら血管って造影剤って言うものを入れないと見ることが出来ないんだ。
だけどこのMRAというものは、造影剤なしに血管の状態を確認することが出来るよ。
血管が詰まってしまうと脳の場合には、脳梗塞などになってしまうよね。
そういったところまで細かく確認することが出来るのがMRAだね。
ちなみにMRIとMRAは、セットで行われることが多いよ。
主な脳の異常と病気
最後は異常と病気についてまとめていくね。
脳って本当にいろいろな働きをしている場所だから、種類がたくさんあって、症状も全然違うんだ。
でも「なんでこうなるのか」「どんな特徴があるのか」を知っておくと、早めの気づきにもつながるよ。
ここでは代表的なものを分かりやすく話していくね。
脳梗塞
これは脳の血管が詰まって血液が流れなくなる病気なんだよ。
血液っていうのは、酸素を運んでいるよね。
だから血液が届かなくなると、脳が低酸素状態になって、その部分がダメージを受けてしまうんだ。
症状としては、突然しゃべりにくくなったり、片方の手足が動かなくなったりすることが多いんだよ。
だけど痛みが出ることってあまりなかったりもするのが、ちょっと怖いところなんだ。

痛みがあれば病院行くけど、痛くないと行かないかもしれないしね…。

そうなんだよね。だからちょっとおかしいなと感じたら、病院で検査をするって大切だよね。
脳出血・くも膜下出血
これは脳の血管が破れる病気になるよ。
脳出血は脳の中で出血するもの、くも膜下出血は特に太い血管が破れて起きるんだ。
ちなみにくも膜というのは、頭蓋骨の下には、
- 硬膜
- くも膜
- 軟膜
という3つの膜があるんだ。
そのくも膜とと軟膜との間に出血が起こる状態がくも膜下出血になるよ。
これは突然「今までで一番強い頭痛」が出ること多いんだ。

ハンマーで殴られた痛みとか表現されるよね。

よく言われるやつだね。だから今まで感じたことがないような痛みがあったら、すぐ病院で受診をしてね。
認知症
これは脳の細胞がゆっくり弱っていくことで、物忘れだけじゃなくて、考える力や判断力も落ちてしまう病気だね。
ただ認知症と言っても、アルツハイマー型や脳血管性などいくつか種類があるんだ。
早めに気づくことで進行をゆっくりにできることもあるんだよ。
てんかん
脳に限らずだけど体は電気信号によって動いているという話をしたよね。
その脳への電気信号が一気に乱れて発作が起きるのが『てんかん』になるよ。
症状としては、全身がガクガク震える発作のイメージが強いけど、意識がぼんやりするタイプもあるんだ。
確認するためには、脳波の検査がとても大切になるよ。
脳腫瘍・瘤
あとは脳に出来る『できもの』のようなものだね。
腫瘍であったり血管に出来る瘤であったりするよ。
腫瘍の場合には、良性と悪性があって、脳は場所によって働きが違うから出来ている場所によっても症状が変わるんだ。
頭痛が続いたり、手足が動きにくくなったり、けいれんが出たりすることもあるんだよ。
脳の病気は、早めに気づくことで助かるケースが多いと言われているよ。
「いつもと違う変化」に気づいたら、早く病院で調べてもらうのが大事なんだよ。
まとめ
今回は臓器の中でも本当に大切な脳についてまとめてきたよ。
・脳は大脳・小脳・脳幹の3つで構成されている
・大脳は前頭葉・側頭葉・頭頂葉・後頭葉で役割が分かれている
・脳は考える・記憶する・体を動かすなど多くの働きを担っている
・CTやMRIなど脳の状態を調べる検査は目的に応じて使い分ける
・脳梗塞や脳出血、認知症などは早期発見がとても重要
怖い話だけど、小さな病巣だとしても場所によっては危険な場合もある。
だからこそ「いつもと違う」という症状がある場合には、大丈夫と思わずに検査を受けて確認してみてね。
●関連記事




コメント