甲状腺ってどんな臓器?主な働き・検査方法や病気についてのまとめ

臓器
ぴぃすけ
ぴぃすけ

こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。

最近なんだか疲れやすいとか、体が重い気がする…

そんなとき、実は「甲状腺」が関係していることもあるんだ。

今日はそんな甲状腺の話だよ。

この記事では、

  • 甲状腺がどんな臓器なのか
  • どんな働きをしているのか
  • 検査や病気の種類

こういった内容を話していくよ。

甲状腺とは?

最初は甲状腺が、どんな臓器なのかを解説していくね。

甲状腺っていうのは、首の前のほうにある小さな臓器になるよ。

見た目は左右に羽を広げた蝶みたいに左右対称な形をしているんだ。

重さは20グラムくらいしかないけど、体の働きにとってすごく大事な場所なんだよ。

臓器としては小さいけど、甲状腺がちょっと調子を崩すだけで、

  • 心臓の動き
  • 体温
  • 気分
  • 肌の調子

こういったところまで変わってしまうことがあるんだ。

なんでこんな状態になってしまうかは、甲状腺の働きを知ると分かるんだ。

どんな働きをしている?

ということで、次は甲状腺の働きについて話をしていくね。

ぴぃすけ
ぴぃすけ

お姉さんは、甲状腺がどんな働きをしているか知ってる?

お姉さん
お姉さん

なんかホルモンが重要ってのは聞いたことあるけど、詳しくは分からないなぁ…。

この甲状腺で作られるホルモンで、体の中でエネルギーを作ったり使ったりするスピードを調整しているんだ。

イメージとして「体のエンジンのアクセル」を担っている存在なんだ。

甲状腺ホルモン

甲状腺は「T3」と「T4」っていうホルモンを作ってるんだ。

ちなみにT3とT4は別の言い方も出来るよ。

●甲状腺ホルモン

  • T3:サイロキシン
  • T4:トリヨードサイロニン

この2つが全身の細胞に「動けー!」って合図を送っているだよ。

だからこのホルモンが足りないと体の動きが鈍くなって、逆に多すぎるとエンジンをふかしすぎちゃうんだよ。

たとえば、

  • 心臓の鼓動を整える
  • 体温を保つ
  • 筋肉や脳の働きをサポートする
  • 成長や新陳代謝にも関係

こういった働きがあるんだ。

大人もそうだけど、特に子どものころは脳の発達にも関わるから、とても大事なホルモンになるよ。

ホルモンの量はどうやって決まる?

それで実は甲状腺を知るために、もう一つ重要な場所があるんだ。

それが『脳の下垂体』っていう部分なんだ。

お姉さん
お姉さん

なんで重要なの?

実は、甲状腺は勝手に動いているわけじゃないんだ。

この脳の「下垂体」ってところから「TSH(甲状腺刺激ホルモン)」っていう指令が出る。

それを受け取ることによって甲状腺はホルモンを分泌するんだ。

甲状腺を調べる検査

甲状腺が体にとって重要な働きをしていることは分かったね。

そうしたら次は、甲状腺を調べる検査について解説していくね。

基本的にはエコーで見ることが多いけど、他にも…

  • 血液検査
  • 抗体検査
  • シンチグラフィ検査

こういった検査で甲状腺を診ることがあるよ。

しこりなどの所見で先にエコー検査をやったり、血液検査に異常があった場合に他の検査をしたり順番はあるけど…

いくつかの検査を組み合わせて甲状腺に異常がないかを確認していくんだ。

血液検査

まず一番基本になるのが血液検査になるよ。

ここでは

  • TSH
  • FT4
  • FT3

こういったホルモンの値を調べるんだ。

お姉さん
お姉さん

TSHはさっき出てきたけど、Fがついているのは何?

ぴぃすけ
ぴぃすけ

これはfreeのFになるね。ちなみにFがつくものを遊離型と呼ばれるよ。

血液中にあるのがFT4とかFT3というモノになるんだ。

ホルモンの作用に直接関わるのは、遊離型になるんだよ。

だからこの遊離型を測定するってことだね。

考え方としては、、

刺激されているのに、甲状腺があまり働いていない:甲状腺機能低下症

刺激されていないのに、甲状腺が働き過ぎている:甲状腺機能亢進症

こういった判断が出来るね。

抗体検査

甲状腺の病気の中には、免疫の異常で起こるものもあるんだ。

バセドウ病や橋本病っていうのが、これに当たるよ。

これは血液の中に「TRAb」や「TPO抗体」「Tg抗体」っていう抗体があるかを調べることで分かるんだよ。

シンチグラフィ検査

あとは専門的だけど、「シンチグラフィ」っていう検査もあるんだ。

これは放射性のヨウ素を使って、甲状腺がどのくらいヨウ素を取り込むかを見るんだ。

甲状腺の働きの強さを調べたり、しこりがどんなタイプかを判断するのに役立つんだ。

甲状腺の異常と病気

最後に甲状腺の異常と病気についてまとめていくね。

甲状腺の働きが強すぎたり、逆に弱くなったりすると、体にいろんな変化が出てくるというのが、ここまでで分かったね。

じゃあ実際にどういった病気があるのかというと…

甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)

これは甲状腺がホルモンを作りすぎて、体が異常に活発になってしまう状態になってしまう病気なんだ。

  • 心臓がドキドキしたり
  • 暑がりになったり
  • 体重が減ったり
  • 手が震えたり

こういった症状が出たりすることがあるよ。

原因の多くは「バセドウ病」っていう自己免疫の病気なんだ。

体の免疫が甲状腺を刺激しすぎちゃうことで本人の意志とは関係なく、エンジンが暴走しちゃう感じなんだ。

甲状腺機能低下症(橋本病など)

こっちは逆に、ホルモンが足りなくなって体の動きがスローになる病気だね。

  • 体がだるかったり
  • むくんだり
  • 寒がりになったり
  • 気分が落ち込んだり

という症状があるよ。

代表的なのが「橋本病」っていう病気だね

これも免疫のトラブルが原因なんだ。

甲状腺の細胞が少しずつ壊されて、ホルモンが作れなくなっちゃうんだよ。

甲状腺のしこり・腫瘍

あとは甲状腺の中に「しこり(結節)」ができることもあるんだ。

この多くは良性なんだけど、まれに悪性(甲状腺がん)のこともあるから、エコーで見つかったらしっかり調べる必要があるんだよ。

大きさや形、内部の性質をエコーや細胞検査で調べて、経過を見ながら判断していくんだ。

お姉さん
お姉さん

なんかただ体がだるいと思っても、もしかしたら病気かもしれないんだね。

ぴぃすけ
ぴぃすけ

そうだね。だから定期的に健康診断を受けるのって本当に大切だよね。

甲状腺の病気はゆっくり進むことが多くて、「なんか最近元気が出ないな」くらいにしか感じないこともあるんだ。

だからしっかり健康診断を受けようね。

まとめ

今日は体の中の臓器の1つである『甲状腺』についてまとめてきたよ。

・甲状腺は首の前にある小さな臓器で、体のエネルギーを管理している

・甲状腺ホルモン(T3・T4)が代謝をコントロールし、体温・心臓・脳などを支えている

・このホルモンを調整するのは下垂体のTSHというホルモン

・検査では血液・エコー・抗体・シンチグラフィなどで状態を確認できる

・血液検査ではTSHと遊離型のFT3やFT4を確認する

・主な病気はバセドウ病(機能亢進)と橋本病(機能低下)で、早期発見が大切

・しこりや腫れもエコー検査で早めに見つけることが重要

小さいけれど、全身の調子を左右するのが甲状腺だったね。

なんだか最近疲れやすい、体重が変わった、そんなときは一度検査してみてね。

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