腎臓の検査のeGFRとは?GFRとの違いやCKDの関係をやさしく解説

血液検査
ぴぃすけ
ぴぃすけ

こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。

今日は腎臓の検査項目の1つ。

この項目について解説をしていくよ。

実はこの数値って、腎臓の健康状態を知るためにとても大切な項目なんだよ。

この記事では、

  • そもそもGFRって何なのか
  • どうしてeGFRがよく使われるのか
  • 基準値や病気との関わり

こういった内容を分かりやすく話していくよ。

それじゃあまずは「GFRとは何?」から話していくね。

GFRとは何?

お姉さん
お姉さん

GFR?さっきはeGFRじゃなかった?

ぴぃすけ
ぴぃすけ

そこも一緒に話をしていくね。

今回の主題は『eGFR』という項目だったよね。

これは後でも詳しく話をするんだけど、

  • GFR:腎臓がどれくらい血液をろ過できているかを表す数値
  • eGFR:GFRを計算から出した推算値

こういったものなんだ。

だからまずはGFRが、何かを知っておく必要があるんだ。

腎臓の「ろ過機能」を表す指標

上でもちょっと話したけどGFRっていうのは、

腎臓には糸球体っていう血液をこすフィルターがあるんだ。

そこを通して老廃物や余分な水分を尿にして出しているんだよ。

GFRは、そのフィルターが1分間にどれくらい血液をろ過しているかを表している数値なんだ。

お姉さん
お姉さん

なるほどね。腎臓の役割を数値で見るってことね。

ぴぃすけ
ぴぃすけ

そうそう。そんな感じだね。

例えばGFRが100っていう数値なら、腎臓が1分間に100mLくらい血液をろ過している。

だからこの数字が大きいほど腎臓の働きがしっかりしてるってことになるんだよ。

加齢による自然な低下もある

GFRって下がってくると腎臓がうまく機能していないってことになるね。

でも実はGFRは年を取ると少しずつ下がっていくんだ。

だから高齢の人と若い人を比べると、数値に差があるんだ。

これは病気ってわけじゃなくて自然な変化のこともあるから気を付けてね。

なぜ一般的にはeGFRが使われる?

じゃあここからはeGFRの話をしていくよ。

本来なら腎機能を測定するなら推算のeGFRではなくて、GFRを測定したいよね。

でもGFRを正確に測るのって大がかりで大変なんだ。

だから普段は血液検査の結果から推算する『eGFR』を使うんだよ。

ちなみに計算式はこんな感じだね。

●eGFRの計算式

男性:194×クレアチニン−1.094×年齢−0.287

女性:194×クレアチニン−1.094×年齢−0.287×0.739

出典:厚生労働省:慢性腎臓病(CKD)診療ガイドライン関連資料

女性では0.739っていう補正を入れるのは筋肉量の違いだよ。

血液検査のクレアチニンから推算できる

計算で「クレアチニン」っていう物質を使っているけど…

お姉さん
お姉さん

なんでクレアチニンで測定できるの?

こうやって不思議に思うよね。

これはクレアチニンというのは、

  • 筋肉から毎日ほぼ一定のペースで作らる
  • それが腎臓から尿に出される

毎日尿として排出されているということは…

つまり血中のクレアチニン量を調べれば、腎臓がどれくらい働いているかを推測できるってわけなんだよ。

ただしクレアチニンは筋肉からできるものだから、筋肉の多い人や少ない人では数値が変わりやすいんだ。

だから計算式には年齢や性別を組み込んで、できるだけ本当の腎機能に近い数値になるように工夫されていたね。

eGFRの基準値と低くなる理由

ここまででeGFRについては理解できたかな?

次は基準値の話をしていくよ。

健康な大人ならeGFRはだいたい90以上あるね。

ただ最初にも話したように年齢によって少しずつ下がるから、高齢の人だと80くらいでも病気ってわけじゃないよ。

60未満で腎機能低下に注意

ただ60を切ってくると「腎機能が落ちてるかも」って考えられるんだ。

このあたりから慢性腎臓病(CKD)として注意が必要になるんだよ。

でもeGFRはクレアチニンを使って計算するから、筋肉量が多い人はクレアチニンが多く出る。

だからeGFRは実際より低めに出やすいんだ。

逆に筋肉が少ない人は高めに出ちゃうこともあるんだ。

お姉さん
お姉さん

検査って難しいね。

ぴぃすけ
ぴぃすけ

そうだね。だから正しく診断をするために色々な検査があるってことだね。

確かにeGFRは腎臓の機能を測定する項目としては重要だけど、他の検査と合わせて診ることが大切なんだ。

病気の解説

そうしたら最後にeGFRが低い時の病気について解説していくよ。

eGFRが低い時は腎臓の働きが落ちてるってことだね。

その代表的な病気が「慢性腎臓病(CKD)」なんだよ。

慢性腎臓病(CKD)とeGFRの関係

CKDっていうのは腎臓の機能が少しずつ悪くなっていく病気なんだ。

eGFRはその進み具合を知るために、とても大事な指標になってるんだよ。

eGFR値によるCKDステージ分類

このeGFRの数値によってCKDのステージが分けられてるんだ。

90以上ならステージ1、60〜89ならステージ2、30〜59ならステージ3…っていうふうに段階的に分かれてるんだよ。

数値が低いほど腎臓の機能が落ちてるってことになるんだ。

ステージeGFR(mL/min/1.73m²)腎機能の状態
G190以上正常または高値
G260〜89軽度低下
G3a45〜59軽度〜中等度低下
G3b30〜44中等度〜高度低下
G415〜29高度低下
G515未満末期腎不全(透析を考慮)

まとめるとこんな感じだね。

ただしさっきも言ったように数値だけで判断せず、他の検査と合わせて診断することが大切だよ。

腎機能低下が進むと起こる症状や合併症

ちなみに腎臓の働きが悪くなると、老廃物や余分な水分が体にたまってしまう。

結果としてむくみやだるさが出てくるんだ。

さらに進むと血圧が上がったり、心臓や血管にも負担がかかってしまうんだよ。

だから早めに気づいて生活習慣を見直すことがとても大事なんだ。

腎臓の機能について、ここでまとめているよ。

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まとめ

今回は腎臓の機能を検査するeGFRについて解説したよ。

・GFRは腎臓のろ過機能を表す数値

・実際に測るのは大変だからeGFRが使われる

・eGFRはクレアチニン、年齢、性別から推算される

・90以上が正常、60未満は腎機能低下に注意

・数値が下がると慢性腎臓病(CKD)の可能性がある

こういった内容だったね。

eGFRは腎臓の健康状態を知るためにすごく大事な目安なんだよ。

腎臓は異常があっても症状が出にくい臓器なんだ。

だから、数値をチェックして早めに気づくことが大切だよ。


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