
こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。
今日は輸血のちょっとした不思議な話をするよ。
輸血で
「O型は誰にでも輸血できる」
って聞いたことがある人も多いと思うんだ。
基本的には同じ血液型同士でしか輸血って出来ないんだけど、このO型だけは他の血液型にも輸血出来たりするんだ。
ただ「本当に誰にでも大丈夫なのか?」っていうと、ちょっと違うんだよね。
そんなことを含めて今日は
- 血液型の基本
- O型の特徴
- なぜO型は誰にでも輸血が出来ると言われる?
- 安全な輸血のための検査
こういった内容を解説していくね。
普段なんとなく知ってる血液型の知識がもっと面白くなるはずだよ。
それじゃあまずは、血液型の仕組みから見ていこう。
血液型の基本を知ろう
血液型って話にも出てくるけど、どうやって決まっているか知ってる?

親から遺伝されるんでしょ?

そうだね。でもその仕組みって意外と知らないよね。
実はこれって赤血球の表面についてる目印みたいなもので血液型が決まるんだ。
これは
- A抗原
- B抗原
この2つがあるなしで判別されているんだ。
まとめるとこんな感じだね。
A型はA抗原を持っている。
B型はB抗原を持ってる。
AB型は両方ある。
O型はどっちもないってことだね。
これを両親から受け継いで血液型が決まるんだ。
抗原と抗体の違いを簡単に理解する
そして血液の中には「抗体」っていう相手を攻撃する役割のものもあるんだ。
例えばA型の人はB型を攻撃する抗体を持ってるし、B型の人はA型を攻撃する抗体を持ってる。
だから違う血液を混ぜちゃうと、体が「これは敵だ!」って反応してしまうんだよ。

だから違う血液型って輸血できないんだ。

そういうことだね。
O型の特徴とは?
ここまでの話でなんとなくO型が輸血できそうって分かった人もいるかもね。
O型って、ちょっと特別な血液型なんだよ。
さっきの赤血球の表面にA抗原もB抗原もついてない。
だから他の血液型と混ざっても「敵だ!」って思われにくいんだ。
だから「O型は誰にでも輸血できる」って言われる理由はここにあるんだよ。
A型やB型はそれぞれ抗原を持ってる。
でもO型はどっちも持ってないんだ。
つまり「余計な印」がないから、相手の体に入ってもケンカを売らない。
これが大きな特徴なんだよ。

なんかO型っていいやつだね。

そうそう。しかも日本人だと20%しかいないから、献血とかで協力を求められることも多いんだよね。
「O型なら何でもOK」なのか?
この「抗原を持たない」性質のおかげで、O型の赤血球はどの血液型の人にも使いやすい。
だから昔からO型は「誰にでも輸血が出来る」って言われてきたんだ。
でも…
実はこれって赤血球を使う場合の話なんだ。
完全に誰にでもOKってわけじゃないんだよ。
実は輸血できない場合もある
実はO型でも輸血出来ない場合もあるんだ。
確かにO型の赤血球は他の血液型に混ざっても反応されにくいんだ。
でも血液には赤血球だけじゃなくて血漿っていう液体部分もあって、そこに抗体が含まれているんだ。
赤血球輸血では使いやすい理由
確かにO型の赤血球は抗原を持っていない。
だから赤血球を輸血する場合には、相手の体にとって「これは敵だ!」って思われにくいよね。
輸血する血液って食品みたいに使っていい期限が決まっているんだ。
いつでも、どこでも輸血が出来るという状態じゃなかったするんだ。
A型の人に輸血が必要!
でもA型の血液がどこにもない!!
みたいなことってありえることなんだ。
こういった緊急時には『O型を選択する』って判断されることがあるんだよ。
血漿に含まれる抗体の注意点
でも血漿には「抗A抗体」や「抗B抗体」が入っていて、これが相手の赤血球と反応してしまうことがあるんだ。
だからO型だから必ず輸血が出来るってわけじゃないんだ。
実際の医療の現場では必ず血液型を調べてから輸血をしているんだよ。
安全な輸血のために知っておくこと
じゃあ実際どうやって検査をしているのかというと…
クロスマッチ試験というのが一般的な方法だね。
これは輸血される人の血液と輸血する血液を少量混ぜて反応がないかを検査するんだ。
ちなみにこれは基本的に輸血する場合には、やる試験になるんだよ。

同じ血液型でも?

そうだね。実は血液型ってABOだけがあるわけじゃないんだ。
有名なところだとRh型という種類もあるね。
他にも実はたくさんの型があって、それによって輸血出来るかが判断されるんだ。
だからこそ、安全に輸血をするためには試験が必須ってことだね。
まとめ
今回は輸血とO型の関係性について話をしたよ。
・血液型はA抗原とB抗原によって決定する
・O型はどちらの抗原も持たない
・そのためO型は誰にでも輸血が出来ると言われている
・ただしこれは赤血球の話で血漿成分は出来ない
・輸血をする場合にはクロスマッチ試験を実施する
・これは輸血する血液と輸血される人の血液で反応がないかを見る試験
・試験をしっかりやることで輸血のリスクを減らしている
こういった感じだったね。
輸血をする時って、手術の時や大きな怪我をしている時。
だから仮に間違った輸血をしてしまうと本当に大変なことが起きてしまうんだ。
そうならないように医療現場では必ず血液型を調べて、クロスマッチ試験をしてから輸血してるよ。
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