
こんにちは!
臨床検査技師のぴぃすけだよ。
今回は脾臓(ひぞう)について解説をしていくよ。
脾臓ってあまり名前を聞かない臓器だよね。
だけど僕たちが風邪をひかずに健康で過ごせるようにだったり、体で重要な酸素を運ぶある成分をしっかり調整したり…
こうやってすごく重要な臓器なんだ。
そんな脾臓について
- 脾臓の構造
- 脾臓の働き
- 赤血球や免疫との関係
- 脾臓の検査
- 脾臓の病気
こんな感じで、この1記事でしっかり脾臓のことが分かるようにまとめていくよ。
脾臓の構造
脾臓は、お腹の左上のあたり、胃の後ろの方にある臓器なんだ。
見た目はちょっと平べったい楕円形で、だいたい握りこぶしくらいの大きさになるよ。
外側はしっかりした膜で包まれていて、中は
- 白脾髄(はくひずい)
- 赤脾髄(せきひずい)
っていう2つの部分に分かれているんだよ。

白脾髄は免疫に関わるところで、赤脾髄は古い赤血球を回収したりする場所なんだ。
脾臓の働きについて
次は脾臓の働きについて話をしていくね。
脾臓って実は血液のチェックをしたり、免疫のサポートをしたり、いろんなことを同時にこなしているんだよ。
大きく分けると
- 古くなった赤血球の処理
- 免疫の見張り役
- 血液のストック
この3つがメインの仕事なんだよ。
特に血液に関する役割が多いから、脾臓は血液の倉庫とかフィルターって呼ばれることもあるんだ。
赤血球と脾臓

処理するなら処理場なら分かるけど、なんでフィルターなの?

処理するだけじゃなくて、選別するからだね。
赤血球には寿命があって、だいたい120日くらいになるんだ。
そうやって老化した赤血球や、他にも変形した赤血球を網目状の構造を利用してひっかけるんだ。
これがフィルターと言われる理由だね。
しかも壊した赤血球からは鉄が取り出されて、また新しい赤血球を作るために再利用されるんだ。
無駄にしない凄い仕組みだよね。
免疫との関係
あと脾臓には免疫細胞がたくさん集まっているんだ。
血液の中を流れてきたウイルスや細菌を見つけると、すぐに「敵が来たよ!」って反応してくれるんだよ。
こんな感じで免疫の司令塔みたいな働きもあって、病気と戦うときには欠かせない存在なんだ。
血液のストック
この血液のストックも脾臓の重要な役割だね。

ちなみにどのくらいストックされていると思う?

というか、血液ってストックされるの?
まずはそこからだね(笑
実は血液って緊急時とか激しい運動時に一時的に放出するように血液をストックされているんだ。
脾臓って構造でも話したように大きさは握りこぶしぐらいだったよね。
でもその中に体内の血液の10%くらいが貯蔵されているんだ。

そんなに貯蔵されているんだ!

血小板に限って言えば1/3くらいなんだよ。
こうやってそんなに大きい臓器じゃないけど、体にとって大切な働きをしているのが脾臓なんだ。
脾臓を調べる検査
次は、そんないろいろな働きをしている脾臓を調べる検査について話をしていくね。
まずよく使われるのが超音波検査(エコー)だね。
異常があると脾臓が大きくなっていたりするから、大きさもそうだし、他にも
- 形
- 内部の構造
- 腫瘍がないか
こういった部分をチェックしていくよ。
さらに詳しく見たいときはCT検査を使ったりもするよ。
脾臓の形や内部の状態、傷ついてないか、腫瘍がないかなんかも、しっかり見分けることができるんだ。
あと意外と重要なのが血液検査なんだ。
脾臓って血液を扱う臓器だから、血液の値に変化があると脾臓の異常を疑うきっかけになるんだ。
●赤血球(RBC)・ヘモグロビン(Hb)
脾臓が大きくなったりして、赤血球を壊しすぎる状態になると、赤血球の数が減ったり、貧血になったりするよ。
●白血球(WBC)
脾臓の機能が異常に更新してしまうと赤血球だけじゃなくて白血球も壊し過ぎるようになってしまうんだ。
●血小板(PLT)
血小板は脾臓にため込まれやすいから、脾臓が大きくなると血小板がどんどん吸い込まれてしまうよ。
そうすると血液中の数が少なくなることがあるんだ。
●ビリルビン(総ビリルビン・間接ビリルビン)
赤血球が壊れるとビリルビンが増えるんだよ。
特に間接ビリルビンが高いと、脾臓で赤血球が壊れすぎているサインになるんだ。
主な脾臓の異常と病気
最後は主な脾臓の異常についてまとめていくね。
●脾腫(ひしゅ)
これは脾臓が大きくなる状態のことだね。
原因としては
- 感染症(EBウイルス、サイトメガロなど)
- 肝臓の病気(肝硬変)
- 血液の病気(白血病やリンパ腫)
なんかが原因で起きやすいんだ。

なんで脾臓なのに肝臓が関係あるの?

門脈っていう部分が原因だね。肝硬変で肝臓に流れ込む血液が滞る。そうすると脾臓に血液が逆流してしまう。結果として脾腫になったりするんだ。
そうやって大きくなると血液の細胞を吸い込みすぎて、貧血や血小板減少が起きることもあるんだよ。
●脾機能亢進症(ひきのうこうしんしょう)
これは脾臓が働きすぎて、赤血球・白血球・血小板をどんどん壊しちゃう状態なんだ。
3つの細胞がまとめて減るから、倦怠感・感染しやすくなる・出血しやすい、みたいな症状が出やすいんだ。
●脾臓破裂
これは外傷性であることがほとんどだね。
交通事故や転倒などの外傷で脾臓が破れることがあるんだ。
脾臓は血液がたくさん通っているから、破裂すると大きな出血につながりやすいんだ。
もし左の上腹部あたりをぶつけた後に急な腹痛や血圧低下があったらすぐに病院で検査してね。
●脾臓の腫瘍
脾臓にも腫瘍ができることがあるんだ。
ただ多くはほかの場所のがんが脾臓に転移したものなんだ。
原発(最初から脾臓にできた)腫瘍は比較的まれと言われているよ。
●無脾症・機能的無脾症
あと実は生まれつき脾臓がない、もしくは病気で脾臓が働かなくなる状態もあるんだ。
脾臓がないと細菌に対する守りが弱くなるから、肺炎球菌などの重い感染症にかかりやすくなるんだ。
この場合には、ワクチンの接種がとても大事なんだよ。
まとめ
今回は脾臓についてまとめてきたよ。
・脾臓はお腹の左上にある血液と免疫の重要な臓器
・中は白脾髄と赤脾髄に分かれていて、それぞれ免疫と赤血球の処理を担当している
・古くなった赤血球の回収、免疫の見張り、血液の貯蔵が主な仕事
・検査ではエコーやCT、そして血液検査で赤血球・白血球・血小板の変化を見る
・脾腫、脾機能亢進症、脾臓破裂、無脾症などの病気が代表的
あまり名前を聞く臓器じゃないけど、体にとってすごく重要な働きをしているのが脾臓だったね。
脾臓は普段意識しにくいけど、体を守るためにしっかり働いてくれている頼もしい臓器なんだよ。
定期的な健康診断で、脾臓の健康を意識してみてね!



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